- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800127
作品紹介・あらすじ
会いたくはなかった。「あの日」の仲間には。5年前、響の暮らす田舎町に、都会の小学生たちが校外合宿で訪れた。同学年の5年生と言葉を交わすうち、きもだめしをしたいと言いだす彼らを廃校に案内する響。だが、ある事件に遭遇し、一人の女の子が大怪我を負ってしまう。責任を感じ、忌まわしい記憶を封印。やがて高校生活に希望を抱くなか、あの日の彼らと同じクラスで再会する──少年少女の鮮烈な季節を描く、青春冒険譚。
感想・レビュー・書評
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小学生時代と高校生時代の二つを語りながら、群像劇スタイルでそれぞれの視点で物語を紡いでいく構造。
「ミステリとしての構造」が最初にあって、そこへ人物を押し充てたかのような印象。
本格は人物が描けていなくて上等…と、思う質ではあるが、ここまで描けていないと残念な気がする。
殺人や窃盗ではないが「事件」は起こり、推理で犯人を追い詰める作品ではある。
ミステリありきの作品なのは構造からわかるが、いっそミステリを切り捨て、純粋な青春小説だったら面白くなった展開もあったのかもしれない。
高校デビュー譚。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少女が住む田舎に校外学習でやってきた4人と出会う。仲良くなった5人は夜に廃校へ向かうことになり、ある事件に巻き込まれる。1人に大きな傷を残し事件は終わりを迎える。
事件の5年後、高校生になった少女は高校で4人と再会をする。事件の罪悪感から4人を避けてしまう。
憧れの高校生活を送りたかっただけなのに。相手のため、自分のための行動がどんどん空回り複雑になっていく。
罪悪感から無視をしてしまった少女、それに気付いて知らないふりをした少女、それを怒ってると判断した少女、その空気に気付けないお調子者の少年、何も知らないタイミングの悪い少年。
5人の視点で話が進むためそれぞれの心情がわかりやすい。
青春の苦さがいっぱいつ詰まった本だった。 -
いつ読み終わったか忘れたけど、何故か印象に残ってる。
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郊外学習で田舎町を訪れた四人と彼らを廃校に案内した響が五年後高校で再会するが、五年前に捕まった親戚をきっかけに犯罪者扱いをされ高校では心機一転したい響は別人のふりをする。自覚も悪気もなくいじめの流れに持っていってしまうはっきりしたクラス委員が反面教師のようにリアルで印象的。等身大の人物達が瑞々しい。
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絶望系、いなくなれ群青、知らない映画のサントラ、と読んでこれ/ その中じゃ一番面白かった/ それにしても読んでいてイライラが止まらず、さっさとカタルシスが欲しくてページをめくる手も止まらない/ 別の意味ですぐ読んでしまった/ こんなに苛つく登場人物は久しぶり/ しかしミステリ部分は弱い/ 弱すぎる/ あんな推理がまかり通るなんて小学生じゃないんだから/ その稚拙さを織り込んであとがき読んだらなにを偉そうに、と/ いかにも続編ありそうだが、あまり期待できないね/ なぜ新潮nexのなかでコレだけあとがきが許されたのだろうか/
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■ 1816.
〈読破期間〉
2018/3/15~2018/3/20 -
5年生の夏、ただの冒険だったものが
忘れられないものに。
5人の視点から、それぞれ5年生の夏の事やら
今の事やら、が語られています。
おちゃらけ少年だけ、5年生の時から変わってない。
ある意味、幸せに生きてきた、という感じがします。
変わらなくてもよかった、という事ですから。
とはいえ、周囲のフォローも何も考えてない状態です。
ちょっとは黙っていた事を考えましょう、ですが
アピールしたい人にとって、すべてが材料。
後の事は考えませんし、いい方向に行ってるから~で
終わらせられる根性がすごいです。
それを言ったら、委員長になりたがった、白黒つけたい
女の子もそうですが。
自己満足に突き合わせないでくれ、という気がします。
最後の最後で、の情報を回したカラクリもそうですが
きれいに今の学校、という感じでした。
学力があるから性格まで…というわけでない世界。
どこにいって、辛いときは辛いものです。