- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800899
作品紹介・あらすじ
わたしの名前を君たちは知らない。あらゆるものに手が届きそうなのに、何だってできそうなのに、私たちの現実は行き詰まっている。閉じている。愛とか、死とか、そこにドラマなんて、ありはしない。――本当に? それは誰が決めたの。それはいつ、わかったの。私たちの、僕たちの世界を、塗り替える言葉たち。見たことのない景色。知らなかった感情。新しい自分が、ここから始まる。中原中也賞に輝いた鮮烈なる第一詩集。
感想・レビュー・書評
-
「何を伝えたいのか」というはっきりとしたものは私にはわかりませんでした。
しかし、一文一文に意味を持ちハッとさせられるようなことが多々書いてありました。
本を読んでいるというより、写真を見ている感覚に近かったです。
あとがきまでもが作品の1部のようでありました。
文庫本版あとがきの最後の3行の部分がとても好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最果さんの紡ぐ言葉が大好きです。十代の頃に書かれた第一詩集ということで、今まで読んできた詩集よりも、ひとつひとつが傷のような気がしました。言葉の渦に圧倒されました。夜、眠る時に一旦死に、朝、蘇る、日々はその繰り返し。生きるはきたない。最果さんのように的確に言葉に出来ないですが、この衝動は私の中にもあります。改めて最果さんすごい。
-
第一詩集は10代の頃の作品らしく、確かに今と比べて明らかに攻撃的で冒険をしている空気感が強く漂っていました。
中原中也賞という称号がこれほどぴったりくることもなかなかないのでは。
ちょっとクラクラきてしまうほどの鮮烈さで読む人を選ぶと思いますが、ここが間違いなく原点でした。 -
最近詩がわからない、悪いではなく良いがわからない。受賞すれば良い詩なのかそうとは思わない。
「わたしは散っていく自分の可能性、細胞、筋肉が/向こうの海でどうなったかをしりました/いつか/大海の真ん中朝を迎えて、そうね、もう一度/わたしと再会しましょう」
作品において過去は未来を脅かす存在でいい、そう教えてもらった、いつまでも共感に負けないで。 -
初期より文字が冒険していて自分には合わなかった
-
すごいのはわかりましたし、おもしろさもわかりました。
でも難しいです。
『苦行』とか「読む」ことすら難しいです。
個人的には以前読んだ『死んでしまう系のぼくらに』の方が好きです。 -
文庫版あとがきがよかった。
「もうあんなのは書けない」って未来の自分に言われるものじゃないと、今、書く意味がない。
かっこいい。 -
コメント書くことさえ躊躇うほど、解読不可能。
-
2017/05/08 読了。
-
解釈を拒むかのように並ぶ言葉はたしかに日本語なんだけどそれは知らない言葉で
意味を捕まえかけたと思ったところで言葉は思わぬ方向に飛んでいく
詩は、言葉で表現できない何かを言葉で表現しようとする試みなのだと改めて
いつも通り、あとがきが最高です