夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801032

感想・レビュー・書評

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  • 次でやっと最終回!

  • 『娯楽』★★★☆☆ 6
    【詩情】★★★★★ 15
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★★★ 5
    「可読」★★★☆☆ 3
    「作家」★★★★★ 5
    【尖鋭】★★★★☆ 12
    『奥行』★★★★★ 10
    『印象』★★★★★ 10

    《総合》86 A

  • 正しさとは、罪と罰、大人と子供、選択すること、など、いろいろと考えさせられました。大人でも答えを出すのは難しい。大人になるということをああいう風に定義するのならわたしはきっとずっと大人になれない。情けないなぁ。
    なんども胸を打たれて、泣きそうになりました。
    大地くんの問題が思いのほか根が深く、壮大で、最初の頃には思いつきもしませんでした。謎がすこしずつ暴かれて、解決して。これからさらにどうなるのか気になります。先代の魔女の話は切なくて悲しかった。安達だけがまだ謎ですが、どう動くのか。
    真辺と七草の距離が近づいてるのにそれ以上へ進まないのがもどかしいですがほんとうにかわいらしくて愛しいです。現実も階段島の方どちらも。ちがう形でどちらもしあわせになってもらいたいです。

  • 時任の過去に迫るお話。「大人になる」ってなんだろう?

  • ◎時任と堀の攻防、魔女を手放した理由、七草と真辺の捨てたものとは

    「心を穿つ新時代の青春ミステリ」である「階段島」シリーズの第5弾。
    今回は謎めく郵便配達員・時任の物語が中心に構成され、現実世界に戻った七草も登場する。

    前回までのおさらいになるが、七草が現実世界に興味・関心を寄せる理由は一人ぼっちでいる少年・相原大地が、現実世界の本人から捨てられてしまったことに起因する。大地は何を捨てざるをえなくて階段島に送られてきたのか、ということを、トクメ先生(現実世界では大江先生)へのアポイントをとることで解決に導きたいという意図があった。
    しかし、七草がそこで現実世界に戻ってしまうことは堀や真辺にとって動揺を隠せないことの一つでもある。
    また、七草が現実世界の自分と対するということは、現実の自分が捨てた「今の自分」とは何かということを知るということにもなるし、真辺が何を捨ててここに存在するのかということを知るということにもなる、と七草は気づいていた。

    時任が抱えている苦しみ、堀に魔女業を受け渡したわけとは。
    七草・真辺の捨てたものとは。

    2019年に完結編が刊行された。それを待ちきれないほどの内容にもなっている。様々な伏線・謎がここまでで回収されてくるところも見ものである。

  • 2度目の読了。最終巻を読む前に復習がてら読んでみた。

    ここまでのシリーズ作の中で一番泣ける要素が多いのかなぁと思う。1回目の感想でも書いてるんだけども、それぞれの登場人物の立ち位置が明確になり、結果として対立軸や因果関係がはっきりしてきて、あぁ終わりに近づいてるんだなってわかる。

    同時にみんながそれぞれの立ち位置を自覚し、その結果としてみんなが傷つかないといけないということも明確になるため、登場人物の数だけ涙があるという感じ。

    大地の話題なんかはできすぎなレベルで因果関係が複雑すぎて、誰が誰に怒りや悲しみをぶつけたら良いのかわからない。登場人物も読者も。

    今後どんな終わり方をさせるんだろう。

    -----

    2019年9月29日(★4)

    キャラクターの個性が出始めた。

    というか、明確になってきたというべきかも知れない。同じナナくんであっても、現実の彼と階段島の彼とでは明確に違う。それは当然なんだけども、それを際立たせるような感情の発露がいくつもあり、どちらにも人間らしさが感じられるようになってきた。逆に言えば、最初の頃とは全く違う。それを成長と呼ぶかどうかは別だけども。

    それにしても氏は、言葉の紡ぎ方がうまいなぁと思う。100%完全に理解し切れているのかはなんともわかんないところだけど、心の機微を表現するというのはこういうことなんだろうという気がする。分かりづらいよ!という意見もあるんだろうと思うが、青春群像劇を青春たらしめているのは、こうした反高二病的な無温というか、ざらざらしない何かなんじゃないかな。

  • 階段島シリーズの5冊目。

    いつの間にやら7年前に捨てた自分を階段島の七草が拾っていたり、魔女を巡って構図が七草・堀vs.真辺・安達になっていたり、ややこしいなぁ…。
    よって七草は“堀を愛して真辺を信仰する”七草となったわけだが、その七草を現実の七草がまた拾い、2作目で『時々訳の分からない独り言ちがあったりして、その存在がどうも謎だな』と書いた時任の過去が明らかになったり、大地の母の秘密が明かされたり、お話としては結構面白い展開だと思うのだけど、筋の運びがどうもね…。
    今回のお話としては、成長(大人になるとは)何か、決断する(何かを捨てる)ことの重さ、集団と個の関わりについて、などなど深淵なテーマがぶち込まれているように思えるのだが、前々巻あたりから感じていたまだるっこしさが勝ってしまって、私の悪い頭ではどうにもうまいこと繋がらない。
    ★★★にしたけど、まあ、3.5って感じ。

    ここまで読み終えてシリーズはあと1冊なので、結末が見たくてこのまま突き進むと思うが、どうなることやら。
    だけど、いつも行く中古本屋にはいつ行っても最後の巻が置かれてないんだよな。
    まあ、比較的最近の本だし、映画もやってるし、暫く出て来ないと思ってはいるが、見つかる頃にはそれまでの話を忘れているんじゃないかとかなり心配。

  • 最終巻が出たということで、積んでいた山から引っ張り出して一気読み。1年も積んでいたことに驚き。ラストに向けて伏線とか、いろいろと繋がってきました。内容を忘れてしまう前に次も早く読まないと。
    トクメ先生の大人の話が好きでした。

  • なんなんだろう?この巻は?
    回り回って、ただだらだらした一冊だった。
    飽きてしまった。
    最後に話が進んだ点は良かったが…

  • 各々に訪れた気持ちの変化。
    いつまでも捨てたままではいられないが、拾う覚悟や勇気を得る為に時間がかかることもあるだろう。
    最年少の彼の問題は一筋縄では行かなそうだが、少しずつでも互いを見ていけたらいいな。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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