死神と弟子とかなり残念な小説家。 (新潮文庫 え 25-4 nex)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802169

作品紹介・あらすじ

名前も帰る場所もない。では、弟子入り決定です! 少年は、突然現れた黒ずくめの死神から、何故か見習いに採用された。ナナと名付けられ、「あの世」へ向かう契約書にサインをもらうため、死者(クライアント)の許へ──家族を待つ元音楽教師の老女や、バレリーナを夢見てレッスンに励む13歳の少女に胸打たれる。だが、過去の栄光に縋る中年小説家にはさすがに呆れ……。死を前にしても希望を抱く彼らに接したナナは、死神の任務を全うできるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 榎田ユウリさんによる死神シリーズ第4作目。
    前巻で死神・余見が“何処から来たのか”かわかり、一区切りという雰囲気だったので、このあとまた前のよう、余見とすでに死んている人とのやりとりスタイルに戻るのかな…?とおもいきや、まさかの弟子が登場し、新スタイル模索の方向へ…!

    実はわたし、読む順番を間違え、最初2作目→4作目と手に取ってしまったのです。
    しかし4作目を読んでいたときに、話は一応通じるんだけど「なんか、話が進みすぎている気がする…」と違和感を覚え、ネットで検索。
    すると、間に3作目が出ているではありませんか…危なかった…
    いや、3作目を読んでいなくても話は通じてたとおもいます。おもいますが、実は後半にさらっと3作目の真相の重大なヒントが書かれた一文がありました。
    いや、3作目を読んでいない場合は「あっ。そうなんだ」と読み流せる程度ではあるのですが、4作目→3作目と戻ったときにこのセリフを覚えていると、ちょっとネタバレになってしまっているとおもいます。
    シリーズ物はやはり、読む順番が本当に大事ですね…

    さて、突如あらわれたこの「ナナ」という男子穂一体何者なのか…??
    なぜ死神になってしまったのか…??
    いろんな疑問を抱えつつの連作短編集となっていますが、最後のお話で「そういうことだったのか…」となるところが、さすが榎田ユウリさん。
    しかも今回の展開は、今までからはちょっと予測できない感じにおさまりました。
    反面、死神シリーズの、いつもの不条理感・実は意外に非道なところに慣れてきてしまっていた者としては、この展開にやや違和感も…
    いや、よかったんですよ、ナナよかったよねなんですけどね(欲張り…)
    読み終えて、3作目の表紙の子が誰なのか?がわかる仕組み。

    まだ5作目は出ていないようですが、ここからはどんな展開になっていくのでしょうか…??
    そうしたスタイルの変化もまた、たのしみです!
    (不条理感が…とか言ってたくせに調子いい奴〜)

  • 死神シリーズ4作目。
    余見さんに弟子が。。。この弟子もなかなか面白いキャラ。
    最後の作品は、もう想像を超えています。
    何を書いてもネタバレになるので是非一読をお勧めします。
    こんな展開も良いです。

  • 連作短編ではあるが表題作でくるっと繋がりかなり力技で幸せなラスト。
    かなり残念な小説家は、とても運の良い小説家かも。

  • どんでん返しの安定「ハピエン」であっという間に読んでしまうよ。

  • 名前も変える場所もない。では、弟子入り決定です!
    少年は、突然現れた黒ずくめの死神から、何故か見習いに採用された。ナナと名付けられ、「あの世」へ向かう契約書にサインをもらうため、死者の許へーー家族を待つ元音楽教師の老女や、バレリーナを夢見てレッスンに励む13歳の少女に胸打たれる。だが、過去の栄光に縋る中年小説家にはさすがに呆れ……。死を前にしても希望を抱く彼らに接したナナは、死神の任務を全うできるのか。
    (2021年)
    --- 目次 ---
    死神の弟子と、亡き王女のためのパヴァーヌ
    死神の弟子と、金平糖の精
    死神の弟子と、かなり残念な小説家

  • 図書館本。昭和生まれの17才で死んだ少年が死神の弟子になり、クライアントの死者に死んだ事実を告げて、署名を書かせてキチンと死なせてあげるのが仕事。切ない内容だった。

  • 「死神と弟子と、亡き王女のためのパヴァーヌ」
    目が覚めた途端仕事に。
    亡くなって直ぐでは無く時間がかなり経ってるうえ、自身の死だけでなく職まで告げられたら困惑しそうだな。
    初仕事がうまくいったのは偶然なのか選ばれたのか、相手が老人であり生きる事に執着してなかったからだろうな。

    「死神と弟子と、金平糖の精」
    複雑な仕事を終える為。
    まだまだ仕事の内容や説明する為の知識が少ない状態で、この案件を受け持つには少々早かったのではないか。
    手を貸し全てを終わらせる事は簡単だったかもしれないが、それでは経験値として得られるものがなかったかもな。

    「死神と弟子と、かなり残念な小説家」
    最期の最後にやった事。
    一から考えず誰かが考えた断片的なアイディアを横取りしている時点で、その作品は一人の物ではないのでは。
    契約違反になる行動だが、誰がやっても同じ結果を生むのか今回がイレギュラーだったのかどちらだったのだろう。

  • 他人の名前書けるなんてデスノートか!自分が死にたくなかったわけじゃないにしろ、死神の裏をかく展開は面白かった。

  • 今回はマンネリを打破する荒技が登場した。
    軽い本なんだけど、何故か惹かれる面白さがある。
    次作が上梓されてないからもう終わりなのか?

  • ナナ!ナナーー!!!林〜〜〜!!!

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著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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