- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101802633
作品紹介・あらすじ
スマホでさがすわたしの未来。田島琴実、30歳、会社員。気づけば元カレと別れて2年。心配する既婚子持ちの妹に勧められ、マッチングアプリに登録してデートを始めてみたけれど。何も決めない優柔不断男子、 プロフィールと見た目が全然違う人、素性のあやしいイケメン……本当にアプリで運命の人は見つかるの? 恋愛も仕事も宙ぶらりんな30代女子、未来探しのゆくえは。共感が止まらないマッチングアプリ小説。
感想・レビュー・書評
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読みやすかった!
マッチングアプリ…みなさんはしたことがありますか?
私は経験があったので、いろんな人がいるよね!と琴美と話したくなったよ(笑)
作中に、信頼と好意がイコールでないという言葉が出てきて、とても共感。
好意=好き なタイプの人ってすぐ見つかるんだよね。でも、信頼ができる相手を探していくことってなかなか難しい。
結婚、妊娠、出産…30代の女性なら共感できる部分が多い1冊だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マッチングアプリという現代的な話題で興味があったので本作を手に取りました。どちらかといえば、小説のようなドラマチックな感じよりも、体験談的なニュアンスが強い作品だったように感じます。
主人公は東京在住の30歳女性で、妹の勧めでマッチングアプリを始めるところから物語が始まり、アプリで知り合った人たちと会いながら、婚活していくストーリー。
私自身もマッチングアプリを使用した経験があるので、マッチングの難しさにはすごく共感できましたが、私としては、もう少し心に響くようなメッセージ性が欲しかったかなと思います。
総じてマッチングアプリの敷居が低くなってきて、人との出会いを繋ぐ便利なツールになってきてるからこそ、人を選ぶこと、人から選ばれることについて、自分の意見をしっかり持つべきであると思いました。 -
世の中色んな人がいるよね〜と改めて思う内容でした。
マッチングアプリで出会う人がどんな人かなんてもちろん分からないけど、それはどこで出会う人だろうと同じ気もするし。
女性側にだって「なんだコイツ」って人はいますしね。
そもそも、主人公の琴美も無意識のうちに相手の男性を見下している節は見えてましたし(美人だと言われているから)。
恋愛に限らず、本当に気の合う人と出会えるのは奇跡だなと思って、今ある縁を大事にしようと感じました。 -
それぞれの章が短く、読んだ後にスッキリできる感覚がとても良かったです。
最初は、出合う男性に対してどんな感情を抱いたのか。
が知りたくて読んでいたのですが、主人公と共感できる部分がとても多く、ストーリーを読むことが楽しみに気づいたら変わってました。
自分が恋活・婚活をしてるけど、最近疲れた…とか迷走してるな…と思ってる人に読んでもらいたいです。
ページ数が少ないので、ハードルも高くないと思いました。 -
めちゃくちゃ良かったです!
ライト文芸のレーベルから出てる小説を初めて読みました。普段本を読まない人にも挑戦しやすい!一冊を読み終えられたという成功体験ができて、次の読書にも繋がる気がします。私自身、加藤千恵さん初めて読んだけど、他の作品も読みたいと思いました。特に、小説と短歌で綴られた「蜜の残り」(角川文庫)がめちゃくちゃ気になってます!歌人で小説家の加藤千恵さんにますます興味を持ちました!こうやって読書の幅が広がっていくの楽しい!
ライト文芸のライトは一般文芸より簡単とか軽そうみたいなイメージあるかもしれないけど、手に取りやすいって意味のライトやな〜と思いました!これからライト文芸も読みたいです!
マッチング!を読んで良いなと思ったら辻村深月さんの「傲慢と善良」もおすすめ!ちょっと分厚いけど、婚活、マッチングアプリやってる人には考えることがあるかも! -
いつだって自分が選ぶ側でいられると思うのは驕り。琴美や岡田さんは、かなりデフォルメして描かれてはいるけれど、現実でもこういう鈍感さ、傲慢さ、怒りや嘲笑は存在すると思う。
加藤千恵さんらしいヒリヒリ感がもう少し強めでもよかった。 -
題名とカバーからさらっとした感じかと思ったらいい意味で想像と違った。
恋愛だけじゃなくてちゃんと自分と向き合ってる主人公はきっと幸せになれる。
コンプレックスだらけのキモ税理士にも大人の対応してちゃんと自分のことも省みるの偉すぎる。 -
友達にオススメされ、久しぶりに読書欲が掻き立てられ購入
しかも大好きな加藤千恵さん
20代後半1番頑張ったことは婚活と自負しているので、共感度200%!!
自分がすり減っていく感じ、常に頭に過ぎる「自惚れるな」、そして気がつく「あっこれ就活とおんなじだ」
当時の感覚が蘇りました笑
いまでも婚活について友人に相談されることが多いですが、私が本当に友人に伝えたいことを代弁してくれるような作品でした。 -
「お母さんに、『結婚相手っていうのはチームメイトなんだから、きちんと信頼できる人を選ばないとダメよ』とも言われて。信頼とこういって、イコールじゃないんだな、って改めて思った」
「私がたびたび陽一を思い出していたのは、彼自身というより恋人がいた頃の幸福な記憶に想いを馳せていたどけなのだ。そう考えると、ストンと腑に落ちた。
周りの人が結婚して出産してどんどん進んでいくのに、自分だけが置き去りにされたような、何も変わっていないことに焦る気持ちが痛いくらいに共感した。誰かが妊娠したからって、結婚したからって、それはその人が自分の人生を生きているだけで、わたしが婚活がうまく行かないこととなんの関係もないのにということも。周りの幸せを心から喜べなくなっている、自分の状況と比較して虚しくなるのを、「寂しさと似ている」と書いていて、本当にそうだよな、と思った。
結婚しても子供ができても、全てが満たされるわけではなくて、そこでもまた新しいたくさんの悩みや葛藤が生まれていく、結婚までも大変だけど、結婚をゴールにしてしまったら終わりが来るなと、改めて思った。飛び込むものでも、勢いでもない。運に任せて、えいって進めるものでもない。