僕の名はアラム (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102031063

感想・レビュー・書評

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  • 学生の頃ゼミで読んだ。
    アルメニア移民のコミュニティに生まれ育った少年アラムと、
    彼を取り巻く、ユーモアたっぷりの大人たち(叔父(伯父?)や祖父など)の、時に可笑しく、時に温かくもあるふれあいの物語。
    決して裕福ではなかっただろうけど、やんちゃ盛りの子供たちを大人たちがみんなで見守り育てようとする様子がうかがえる。
    短編どれも面白い!学生の頃は原文も訳書も両方、何度も何度も読みながら笑い転げそうになったのを記憶している。
    〇十年の時を超えてオバサンになった今、新訳で読み直してみてもやっぱり面白いし、また読んでみたいと思ってしまう。

  • もう、読んでも読んでも読み切れないくらい読みたい本があるからこれからは潔く途中でやめます。という事でこれも途中まで。多分これどこまで読んでも同じ調子で村とアラムの成長の話で柴にゃんが好きなやつだよねって感じ。今はこういう気分じゃなかったごめんね。本の感想じゃないなこれ。

  • なぜこんなにも子どもの気持ちがわかるのだろう。
    みずみずしく、愛おしい。

  • 年一

  • 村上柴田翻訳堂をようやく読み始める。
    第一弾として新訳された作品。作者のことは全く知らなかったけれど、少年アラムの、個性豊かな親戚たちとのショートストーリー集。
    派手な何かが起きたりとか、奇想天外な結末とかそういうのは一切なく、少し変わった人々の生活が描かれるのだけれど、その手つきがとても優しくて読んでいて心が和んだ。良い作品集だと思う。訳者あとがきによれば、作者はそれとは真逆な人生だったようだけれど、だからこそこれが書けたのだというのは説得力があった。

  • 訳者あとがきが分かりやすくてすごくスッキリした。
    「おじさん文学」とでもいうか、
    世の中と致命的にずれている周囲にとっては迷惑なユルいおじさんだけど
    子供にとってはそういう人といる方が楽しそうだ、
    というのがなんとも納得。

    「オジブウェー族、機関車38号」
    は若い男だけど、すごいかっこいい。

  • アメリカの田舎町に住むアルメニア移民の少年、アラムの目を通した日常を綴った短編集。
    どれも味わいと言うか読後感と言うか雰囲気が微妙に異なっているものの、全編を通してほんわかとした空気が流れています。
    読みつつ微笑みを禁じ得ないような本でした。

  • 半分以上は読んだんだけど、段々おなかいっぱいになってきた。

  • 神のつくりたもうた世界
    そこは相対的なものに満ち満ちている
    善だの悪だの、右だの左だの、白だの黒だの・・・
    あなたはそのどちらをも信じよ
    両方ためしもしないでひとりガッテンするな
    周りの意見に流されるな
    行けばすべてがわかる
    行かなければなにもわからない
    本だけ読んでも世界のことなどなにもわかりゃしないのだ
    そんな思想
    そんな古きよきアメリカを伝える物語
    大量生産・大量消費で危ういバランスを取り続けるこの狂った現代じゃ
    とうてい受け入れられないノスタルジー
    だからこそ、その正しさはほとんど絶対的と言ってよい

  • 自分にとって郷愁の固まりの小説である。中高の英語の副読本の一つにサローヤンがあり、しみじみと良き小説として心に残っていた。そして本書は、「村上柴田翻訳堂」のシリーズ第1作であるが、自分は、大学時代、当時まだ無名だった柴田元幸の授業を受けていたからである。

    そして○十年ぶりに改めて読んでみて・・。アルメニア系アメリカ人の少年の心情をみずみずしく描いた連作短編と記憶していたのだけど、実は、風変わりで頑固で偏屈だけど、人生の真実を知っていた大人たちのナイーブなみずみずしさ、哀しさを描いていた小説だったと感じた。

    印象に残った一説(「僕のいとこ、雄弁家ディクラン」)。演説大会で蕩々と世界を論じ拍手喝采を浴びた11歳の少年に語りかける67歳の老人。

    「(おまえの演説の)そういう壮大な、美しい発言は、11歳の子供の口からのみ出てくるに値する。自分が言っていることを本気で信じているものの口からのみ出てくるに値する。・・本から世界を探求する営みを続けるがいい、おまえが努力を怠らず目も持ちこたえるなら、67歳になることにはきっと、その言葉の恐ろしい愚かさがわるはずだ。今夜おまえ自身によってこの上なく無邪気に、かくも純粋なソプラノの調べにのって口にされた言葉の愚かしさが。ある意味でわたしは、この一族の誰よりんもおまえのことを誇りに思う。みんな下がってよろしい。わしは眠りたい。わしは11歳じゃない。67歳なのだ」

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