アメリア・イヤハート最後の飛行: 世界一周に隠されたスパイ計画 (新潮文庫 フ 36-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102462010

感想・レビュー・書評

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  •  アメリカの英雄的女性パイロット、アメリア・イヤハートの最後の飛行、つまり世界一周にまつわる話です。焦点が当てられているのは、やはり世界一周中の太平洋上で消息を絶った話についてです。

     一般的に考えられているのは、給油地であるハウランド島を探している間に燃料がなくなり墜落して死亡したという説ですが、本書では世界一周は偵察飛行であり、消息を絶ったのは旧日本軍に拘束され、捕虜になったからという説を裏付けていくという立場をとっています。さまざまな証言、写真、通信記録等からこの推論を説明していきます。

     マーシャル諸島は旧日本軍にとって真珠湾攻撃を仕掛ける上での軍事拠点でしたので、偵察飛行を行ったのであれば、拘束、撃墜される可能性は大いに考えられるなと思いました。また状況証拠的にも世界一周飛行がアメリカ海軍の支援を受けた偵察飛行を兼ねていたというのは理解できます。

     その後の消息を裏付ける決定的な証拠は、1945年の8月末に中国の陽新からアメリアが実家宛に送ったと思われる電報だと思いましたが、文中では深く追求されておりませんでした。もう少しこの証拠に関する考察を深めると面白いのではないかと思いましたが、それがなされていないことを考えると怪しい証拠だったのかもしれません。

     ちなみに最近の説では環礁に不時着して数日間は生きており、その島でなくなったとする説が有力であるように思います。

     モヤモヤ感が拭えないとはいえ、歴史を正確にしていこうとする努力は大事だし、継続されるべきものだと思いました。

    アメリア・イアハート公式サイト:https://ameliaearhart.com

  • 突然姿を消したAmelia Earhartの最後の飛行は、本人の野望による世界一周飛行というよりも、日本海軍による太平洋進出を警戒していたアメリカ政府による偵察だったのではないか・・・。英雄の非業の死と美化される話の裏を探る。

  • 「翼をください」と並行して読み出してしまった。結局、翻訳ものはさっぱり理解できないという悲しい自分に気づく。
    こういう人がいて、こういうことがあって、今もミステリー代表みたいなことになっているのはわかった。
    あと、やっぱり戦中・戦後史もちゃんと教育しなきゃだめですね。
    2014/7/1読了

  • アメリア・イヤハートの失踪事件にまつわる真相に迫ったノンフィクション。
    彼女の失踪について、いろいろな憶測がされていたのは知っていたが、原田マハの「翼をください」を読んでもう少し詳細を知ってみたくなり、本書を手にした。

    単に女性の世界一周飛行の冒険譚ではなく、当時の一触即発といってもいいような国際情勢や、飛行機というものの位置づけなど、その時代背景に翻弄された結果が失踪に結びついたという事実は、時代の大きなうねりを感じさせて非常に面白いのだが、著者の筆力不足(?)がその面白さを削いでいる感が否めない。話の展開にスムーズさがなく、わかりにくい。翻訳もイマイチだし、残念なことこの上ない。

    ただ、フィクションではあるものの、前述した「翼をください」は、この事実にかなり忠実に物語を再現していたのがわかった。

    本当のところ、彼女は結局はどうなったんでしょう。ちょっと気になる。

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