- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103003137
感想・レビュー・書評
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良かった、これは。読んだ順番も良かった。
ぜひ西條作品の「涅槃の雪」「六花落々」を読んでから、これ読んでほしい。水野忠邦、鳥居耀三、鷹見泉石、天保の改革、このあたりの時代背景なども重なっているし、より世情が身に迫るとおもう。実際、このあたりの作品は、参考資料や構想時期なども重なっているのではないかな。でもやっぱ西條作品はお武家の話よりも市井の江戸町民を描いた作品がいちばんすき。まずお凜が好きだ、こういう性格、こういう生き方。お千賀もいいよなあ、ふたりの関係もいい。そしてお清も!じつは一番のキーパーソンでは。時蔵にも、私も惚れたよ。だれかのため、なにかのために自分の大事なものを捧げられるっていうそういう精神が、いちばん涙腺を刺激する。物語の至るところにちりばめられた いろんなひとの「決意」に何度も涙でた。平戸細工とは、はじめて聞いたのだけれど、調べたらなんと美しい技術があったものか。実物みてみたいなあ。繊細で自由な技術。芸術だよね。
終わり方もすごくよかった。大団円ハッピーエンド、ではないけれど、つらいこともあったけれど、ぽっとひとつ希望の灯がともって、幕。みたいなの、すてきな余韻だった。ひとにも勧めたいし、いつかまた自分でも読み返したい。良作です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終盤の展開が少し急ぎすぎた
できればハッピーエンドで終わってほしかった
でも、とてもいい小説だった。 -
本当に面白かったです。
江戸の頃の時代背景
銀細工の話し
職人と、商人の時代背景
男女の話と
読み応えがありました。 -
結末はちょっと悲しい。
どうして、時代物は結末を悲しくする傾向にあるんだろう。ハッピーエンドでいいのになぁ。
主人公は、女性の職人がいない時代にこっそりと修行に励む錺屋の娘。性格も身なりも地味。そして読む限りは顔立ちも普通。なぜもてる。という納得のいかなさは、いかんともしがたいなぁ。。。普通でよかったんじゃない?とそこは興ざめ気味かな?
修行に打ち込む姿はかっこいいけど、これもまた上手くいきすぎ。逆に片手間でした修行で、並みの職人を出しぬける腕前が身に付くとは思わない。
外れ者の職人の時蔵との恋も、もう少しときめきが欲しい。
アンハッピーエンドなおとぎ話といった感じ。 -
また、出てきたよ、水野様と鳥居様。
この二人がいる時代は、お話になりやすいのかな。
この時代の「奢侈禁止令」のおかげで、途絶えてしまった日本の伝統もあるのかな、と思いました。 -
時蔵は,職人ではなくて,天才肌の芸術家だったのですね。あの時代には,受け入れられない存在だったのだろうな。
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時蔵とお凛は良い夫婦になったんだろうにな。