龍神の雨

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003335

作品紹介・あらすじ

人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。

感想・レビュー・書評

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  • なんとも切ない話。大切な人を守るためであったり、誤解が大きな問題に発展したり。あの時ああしていればとか思わずにいられない。
    妹を思う兄。兄を思う妹。2人の兄弟と暮らす継父との不安定な関係。
    両親を亡くした兄弟と暮らす継母とのギクシャクとした関係。
    家族は血が繋がっていなくても、絶対に信じないといけない。この言葉が胸を打つ。この2つの家族の将来が素晴らしいものであってほしい。

  • はじめのうち、「これが誰だっけ」と混同したけれど、すぐに慣れた。
    二組のきょうだいが入れ替わって描かれているだけなのだけど
    はじめはたくさんの人たちが出てきている気がした。
     龍と雨をかけているところがすばらしい。風に吹かれる、さーっと勢いよく降る雨は
    確かに龍みたいかもしれない。
    その描写のところで容易に頭のなかにそのシーンが浮かんだ。
     雨といくつもの出来事をつなげているところもすばらしい。

     余談だが、わたしはサスペンス(というか怖い話)が苦手で
    道尾さんの作品を選ぶときは慎重になる。
    ・・・この一冊、ちょっとドキドキした。

  • 息するのも忘れるぐらい面白かったぁ…。題材も相まって途中まで「はいはい。青の炎、青の炎」ってどこかで思いながら読んでた自分を更生施設に送りたい。

  • なんかモヤっとする読後

  • まさかの人が犯人だったけど、何となく途中からあれ?って思ってた。
    人の言うことは本当に不確かで、自分の気持ちなのに自分で決められないことばっかりで。
    何を信じたら良いのか全然分かんなくなっちゃうよね。
    家族は大切だけど、きちんと話すことはやっぱり必要で言わなきゃ分かんないこともいっぱいある。

  • 疑心・嘘・思い込み・・・運命。一つの不信感から、次々と生まれる思い込みが全ての運命の歯車を狂わす。真実は簡単で優しいものだった。思い込みから誰かを傷つけ、もう抜け出せない。出口が見つからない。そして、取り返しのない方向へ足を進めてしまう。作者の「思い込み」に、まんまと嵌められた。そう、、楓でもなく蓮でもなく···辰也でもなく圭介でもなく、思い込みの怖さを知ったのは、私だと言う事。道尾さん、お見事でした。

  • 海の事故で母を、相次いで父を病で亡くし、継母になったばかりの女性と残された二人の兄弟。交通事故で母を亡くし、家族になったばかりの継父に暴力を振るわれる兄妹。ある日兄は、殺したいほど憎んでいる継父を、殺してしまったと妹に告白される。守るべき妹のため、立ち上がる兄は……。2組のきょうだいの悲しみが交差する時、そこには驚くべき真実があった。

    前半の弟の悲しみがあまりにも可哀想でしんどい。兄が抱えているものとか、夜に何してるのかとか勝手に想像して嫌悪感抱かせるのが大変上手。後半になってそれぞれが考えていたことが明らかになってくると、悲しいけどかなりすっきりした。特に辰也・圭介の二人は良い方向に、というか誤解がそれぞれとけてほんとによかった。添木田家はあまりにも不運かつ早合点しすぎ。全体的に、大切な人とはちゃんと話しましょうという気持ちになった。コミニュケーション大事。でも犯人にはきっちり罪を償わせたかったぞ。

  • 血の繋がっていない義理の父と3人で暮らす兄妹。兄が立てた義理の父殺害計画が発端となり、事件に巻き込まれていくという話です。「青の炎」に始まりは似ていますが内容は道尾さんらしい怖い話です。「想像は人を喰らう」 勘違いといえばそれまでですが、事が事だけに勘違いでは済まなかった。感慨深い話です。道尾さんの本は、どれも似たような話が多いので、何冊か読むと評価は下がりますが、その中でもこの本は良かったと思います。道尾作品の中では今のとこ一番です。

  • なかなかにスリリングであり、人の裏をかく展開あり、楽しめました。
    龍神のくだりもミステリアスな雰囲気を盛り上げてくれる。そして不遇な家庭環境・人間関係のくらい部分もある。
    とはいえ、ネタが明らかになってからはクライマックスでの盛り上がりはそんなに高いものではないと感じます。

  • 2組の兄弟がそれぞれの複雑な家族関係について
    悩み、その中で殺人事件が起こるのだけど
    なんだかこれだけの設定なので
    期待して読み進めたんだけど、んー。
    なんだろ、とくにラストがいまいちで
    犯人の意外性、必要性感じられず
    全体的に残念。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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