たましくる イタコ千歳のあやかし事件帖

著者 :
  • 新潮社
3.24
  • (4)
  • (15)
  • (36)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 150
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030720

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 表紙の雰囲気とタイトルから『心霊探偵八雲』的なノリの作品かと思いきや、思った以上に重たく暗めな話でびっくりしました。

    舞台が昭和初期の青森であり、なんとなく陰鬱な雰囲気。
    表紙の少女が、探偵役でイタコの千歳なのですが、まだ19歳でありながら夫に先立たれた未亡人というヘビーな設定。
    あと、ワトソン役の幸代の抱える事情や生い立ちも重い。
    重たい尽くしな設定の中で、千歳のちゃきちゃきした津軽弁や性格に和みます。それにこういう暗めの設定は嫌いじゃないかも。

    昭和初期の青森が舞台ということで、「イタコ」という職業がまだ当たり前のものとして土地に根付いていた様子が新鮮です。
    目の見えない人がなる職業だったとは知りませんでした。

    ただこの作品世界での「霊」のポジションがいまいち掴めなかったです。
    というか千歳にはもっとイタコっぽい仕事をしてほしかったなぁ。

  • 盲目の口寄せ少女・千歳。
    なかなか魅力あるキャラです。

  • 津軽弁をニュアンスそのままに文章化している作品。地元の人間としては「おぉ!」と感嘆するばかり。

  • オカルト系統はあまり読まない方だけど。これは好き。
    第三話が私には難しい。もう少し読み込んだら理解出来るだろうか。
    千歳ではなく幸代の方の名前を題に出した方がいいのでは?と思い一つ減点。

  • 昭和初期、青森を舞台に起こる連続した事件を
    追う事になる一人の女性とイタコ。4つの短編から
    構成され、そのラストで終始登場しなかった
    行方不明の女性の謎が解き明かされる流れは
    読ませてくれます。

    個人的には、何故か日本の土着質な雰囲気の
    作品が苦手(三津田作品のあのシリーズとか)
    なのですが、今作はさほど重たさや、土着かつ
    粘着な感じもなく読み易かったなぁ。

    ミステリ部分の真相としてはさほど目新しい
    という事ではないですがそこに今回の事件の
    背景や人間の心情的な折り込みがしっかりと
    書かれている為、ストーリーの世界に入り込んで
    読めますねー。(表紙的に)誤解していた分
    アタリ感のあるメッけもの作品w。

  • 基本的に起こる事件は人の手によるもので、解決までの道程も人間の力です。
    ただ、折に触れて幻のように姿を現す死んだ者たちの魂が、物語になんともいえない情緒を添えます。
    舞台となる昭和初期の東北地方は一見いまと殆ど変わらないようにも思えますが、その実、想像以上に昔で異質な空気を纏った世界だったかもしれません。

  • 2009/11/11-2009/11/14

全30件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀川アサコの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×