しずかの朝

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 68
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103065524

作品紹介・あらすじ

「愛さなかったら孤独にすらなれないわ。大事なものをちゃんと見て。あなた方の人生はこれから始まるのだから」人生に迷うしずか、かたや順風満帆の日々に翳りが見え始めた姉の恭子-。問題を抱えた姉妹は不思議な縁に導かれ、横浜の古い洋館、ロシアン・ハウスにやってきた。そこには、戦争や国を超えて生きてきた人々の歴史と、受け継がれてゆく永遠のひかりがあった。凛とした老婦人ターニャが二人に教えてくれたものとは?小澤征良が時空を超えて紡ぐ書下ろし長篇、誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 大人になると、我慢したり、自分が望んでいない価値観を喜んだり、喜んだふりをしなければならない事が沢山あります。
    でも人生短いのでしっかり自分の幸せがどこにあるのか、正直に心に問いかけないといかんと思うのです。
    主人公の姉妹はこの本の最大のキーマン。ロシアンハウスのターニャという老女の、意思的で率直で、個を尊重する生き方に触れて変わっていきます。
    姉妹は、老女と時間を過ごすことで、世間に向けたポーズとしての幸せと、自分の中を覗き込んで掬い取った幸せの容器の形を見比べる事ができたのです。
    みんな、世間に向けて幸せなふりしてませんか?自分はどうかな、多分本当に幸せだと思ってるけれど。

  •  気持ちが ほわっと優しくなりたいなら・・・

    すんなり心に入ってくる文章。
    登場人物の誰もが 嫌味なく 読んでいて気持ちよくなる小説です。
    読みながら 音や空気 匂いまで感じられるそんな本です。

    私も「愛さなかったら、孤独にすらなれない」(本文より)が、心に残る。

  • 描写が丁寧に書かれていて読みやすかったですが、こんな風によい出逢いがあるのかな?(別れもありましたが)
    現実離れして、いかにも小説の世界だなと思える内容でした。

  • 心が洗われる、澄んだ空気のような物語。

    人生において、人間関係において、本当の自分のことについて。
    悩みある姉妹が老人ターニャの元で生活を送る中で、これでいいんだと自分の気持ち、自分の生活を見つめなおす物語。

    ターニャの言葉は心に響くものも多く、毎日を丁寧に過ごしてきたのだなと思わせる生活に憧れます^^

  • 文章がキレイで読みやすかった。

    内容は・・・どこにでもありそうな感じかな。
    記憶に残らなさそう。

    表紙は・・・なんでこの装丁だったのかな。

  • 征良さんの書く文章大好き。読み終わってしまうのがもったいなくて、大事に大事に読みたい本。

  • 小澤征良のエッセイは、何冊か読んだことがあるがこの本は、白系ロシア人生を祖父に持つ彼女ならではの題材で興味深く読んだ。

  • 25才社会人。
    会社が倒産して、人生がまっさらに戻った状態のしずか。
    そんな中、あまり気の進まないお見合いをきっかけに、彼女を取り巻く世界が少しずつ動き始める。

    人間には第6感があるといわれているが、それを頼りに行動すると正しいことが多いんだと思った。
    自分に起こる何事にも意味があって、何かしら自分の将来につながっていることが多い。
    人生には流れがあって、その良い流れに乗るには常に自分の直観を研ぎ澄ましている必要があると思った。
    チャンスは一瞬。
    つかみ損ねないように、自分と向き合って、本音で生きていきたいと思う。

    人との温かい関わり、美味しい食事、規則正しい生活、これらが3拍子揃っていれば、人は元気になって本来の自分を取り戻せるんだと思った。

    最近社会人になって本を読んでいなかったから、もっと色々読んでいきたい。この小澤征良さんの小説は初めて読んだけれど、くせがなくて、透明感があって、温かさがあって、すごく好きになった。彼女の人生も人とは異なっていてすごく興味深い。これから過去の作品も読んでいきたい。そしてもっと作品を出してほしいなと思った。

    今まで小学生の時から社会人になるまで、本は好きで色々な作者の作品を読んできたが、小澤征良さんの感性、世界観はすごく自分にとって心地よくて、今一番のfavoriteな作家さんである。

  • 見合ひ相手の男性と初めて聴きに行くオーケストラのコンサートのプログラムがブラームスの第3交響曲といふのはさすがに血筋と育ちのなせる技か(^_^;。
    色名の書き方で「ベイジュ」といふ表記が少なくとも2回出てくるが、これは違和感ありありだなあ。なんで「ベージュ」ぢやだめなのかな。

  • 「二十代には二十代の、四十代には四十代の、六十代には六十代の美しい季節がある。その人のこころ次第なの。」ターニャの言った言葉が素敵でした。小澤征良さんの本を初めて読んだけれども、すごく好きになりました。

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