- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103133643
作品紹介・あらすじ
「金持ちですが、何か?」身近な小金持ちの悲喜交々を笑い飛ばす痛快短編集。親の介護にペットの世話、面倒はすべてお金で解決。自己中心的でも他力本願。そして根拠のない楽観主義……私たちの周りの、いわゆる「セレブ」な人たちを、ユーモアと皮肉たっぷりに描く全五篇。大人の恋愛あり、近未来SFあり、官能サスペンスあり、さらにはカーチェイスまで。欲望のままに突き進む現代人の解体新書。
感想・レビュー・書評
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なんとなく少しグロテスクな印象の短編集。
セレブの話ばっかりでもない。SFっぽい作品もある。
特に「吹き流し」と「アフガンハウンド」の話がちょっと怖い。でも怖いもの見たさで読み進めてしまった。やっぱり怖い。 -
短編5作品
「トマトマジック」
彼女たちの本当の欲望
「蒼猫のいる家」
ネコが大嫌いだった主婦が最後に一緒にいるものは…
「ヒーラー」
癒される事で弛緩していく世界、満足した人間の行末は?
「人格再編」
世代交代は自然の摂理
「クラウディア」
犬と人の上下関係
細切れに読むなら良いと思いますが、全編なんだか人の欲が…うーん、、って感じです。 -
セレブな人たちを描いた短編集。
ということだが、「セレブ」をイメージする話は最初の話「トマトマジック」のみで、全編通じてブラックな短編集。
なかなか強烈だった。
猫嫌いのキャリアウーマンを描いた「蒼猫のいる家」、ひんやりしたような淡々とした読後感、一番良かった。
評価があまり良くないのは、タイトルから連想する内容と異なるからと思う。
本書自体はとても面白かった。
トマトマジック / 蒼猫のいる家 / ヒーラー / 人格再編 / クラウディア -
かなりブラックな5つのストーリーからなる短編集。
セレブ感のある話は、最初の一つだけだったかなと。
猫嫌いの、自分家に疎外感を感じていた働く主婦の話「蒼猫のいる家」
借金取りに追われて山に紛れ込み、そこで彼女の飼っていた犬と暮らすことになった「クラウディア」が面白かった。
どの話も、どこか不気味で、嫌な感じが漂います。
著者の作品は初ですが、どれもこんな感じなのかな? -
Amazonで見た本の内容紹介には、
『「金持ちですが、何か?」身近な小金持ちの悲喜交々を笑い飛ばす痛快短編集』・・・と。
(なぜ編集者はこの本にこんなミスマッチなタイトルと紹介文を
つけてしまったのかしら?!)
タイトルの是非はともかく5つの短編はとても面白く読めました。
そこに登場してくるのは、
・食べると本心をさらけ出してしまう不思議な植物。
・人間を破滅に追い込む謎の深海生物。
・性格の悪くなった老人に施される、人格矯正手術。。。
などなど、どのお話もちょっと不気味でかなりシニカル。
『セレブを笑い飛ばす痛快なお話』だと思って読まなければ
バラエティに富んだ面白い本だと思われます♪ -
短編集。
『トマトマジック』よく確認してから調理しないとね。しかし、素晴らしい夢がみられるのか。自分ならどんな夢かな?
『蒼猫のいる家』猫が嫌いなのを家族は知っているはずなのに娘の誕生日プレゼントで家に猫がやってくる。これじゃ、家の中に居場所がない。猫を使って家族にいいように追い出されたような気分になっていたのに、心のなかを見透かしていたのは猫だった。猫に対する考えが変わるかも。
『ヒーラー』お肌プリプリ、気分も良くなる。それが、不気味な生物の粘液であっても、それ以上に魅力的に思えて試してみそう。生物と一緒に入浴するのはお断りしたいけれど。
『人格再編』元の人物に戻るならまだしも、他人のいいところを埋め込むなんてね。できすぎ、やり過ぎは禁物。
実現可能な技術で自分の腕を自慢できるとなると人間って極端なことをやってしまうものかもしれないけれど。
『クラウディア』犬は、ここまで理合できる動物なのだろうか。順位は認識しているのだと思うけれど、このような環境下に置かれるとそりゃ自分がトップだわな。犬に助けられたとなったら、犬の言いなりになるか…なるな、それしか生き延びられそうにないもの。