姫草ユリ子さんの感想
2016年3月30日
タイトルの通り、眠れない夜にさらっと読むには良い短編集。 色んな女の人の色んな恋愛の話が書いてあります。 特におしどり夫婦を描いた「ひなげしの家」がお気に入り。 水商売の奥さんと、半ばヒモ状態の旦那さん。でも夫婦仲はとてもよく、旦那さんが亡くなった後、奥さんは縊死する。なかなか出来そうで出来ない事です。 あっけらかんとした作品の中で物悲しい雰囲気を持ったこの作品が心に残りました。
1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。