沈まぬ太陽 1 アフリカ篇 上

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103228141

作品紹介・あらすじ

会社が、一人の人間をここまで追いつめるとは…。華やかな航空会社の裏側に渦巻く、安全を忘れた野望の世界。会社との熾烈な闘いに敗れた主人公は、謀られて中近東のカラチ、テヘラン、そしてナイロビへと海外をたらい回しにされた。家族とも離れ、たった一人アフリカの大地で、大自然と対峙する現代の流刑の徒は、企業という"猛獣"に、不屈の戦いを挑んでいた。現代を抉り、人間の真実を問う、今世紀最後の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • レビューを書いていなかった。
    1・2巻は単行本しか発売されていなかったほど大昔に購入して以来長年積読本だった。
    後年、「読みにくくて全然読めていない」と私が話した友人は、事故当時現役JALスチュワーデスであったにもかかわらず「5巻全て読んだ。良いよ。」と薦めてくれた。
    それならば、と頑張って読んだ(2009年読了)がやっぱり山崎豊子さん作品は私には読みにくい。
    購入してあった1・2巻は読了後断捨離。
    3巻は図書館本を読了。(2009年)
    そして4・5巻は未読。

  • 恩地の不器用な生き方、、、
    高倉健か恩地かってくらい不器用。
    自分に正直に生き過ぎて組織から嫌われる、、、。
    家族からしたら、もうちょっと柔軟にうまく生きていってほしいと思うだろうけど昭和な男、恩地。
    そんなことはできません。

    さぁ、今後の不器用男の人生が楽しみです。

  • 山崎豊子作品が自分にあうかどうかというの確認もあって、突然シリーズものに突入。
    渡辺謙主演の映画を見てたのでストーリーは大体知ってる状態で読み始めた。
    心配してた合うか合わないかは合う方だったけど、時々今時はあまり見ない表現(自分が無知なだけかも知れないが)がでてきて鼻につく。
    映像で話が面白いのは知ってるのであるが、書籍の方が映像で省略されている部分も細かく描写されていて面白い。

  • 事前知識ゼロで読んでみたが、令和の会社・組織に通ずるものもあり、非常に面白かった。 アフリカ篇といいながらほとんどアフリカじゃない気もしたが、僻地の事情をよく知ってると関心した。東大卒でJALとか、何とでも転職できそうな気がしてならないが、昭和初期の気質が時代を感じさせる。 個人の感覚からいくと長い物に巻かれてた方が良いんじゃないかと思ってしまった

  • 一気に読んだ。

    これが日本という“和”を重んじる国ならではの出来事。
    それがゆえ、日本は急成長を遂げたのは事実だけど、それが今の日本人にしわ寄せみたいになってるのかな~。

  • かなりの長編。読み応えあり。日航機墜落事故に関して、賛否両論あったけど、かなりのリサーチぶりが感じられ、大企業の脆さ、人間性、いろいろ考えさせられた本。

  • 巻をおもむろに読み始めたが最後、全巻読破全1500Pの道を歩むことに。しんどかったです。途中、何度「この航空会社ぁ。客より金かぁあああ。下っ端の人件費ぎりぎりに削って、コストダウンして、上の人だけ儲けるなんて許してたまるかあああ」と叫んだことか。

    会社経験はあるけど、全然中身のことしらなくて、組合の大切さも知らなかった私だけど。ちと、組合というものの大切さを実感(遅)。そっか、こんな悪党の上もつと、組合が大切なんだわ。う〜む。お金ほとんどはらわなかったの、悪かったかも(大遅)。

    それにしても…恩地(主人公)!たえろおおお。きっといいことある!君はいいやつやあぁ。君のしていることは正しい!まぁ、私やったらこんな会社我慢できんけど。やってることが不利益だからって、アフリカまで飛ばして、ほっとく会社なんて、いつかつけがくるさ!ほんと、この巻以降できっと…。(と1巻を読み終わった時点で思いました。)

    政治家ってきたない!会社の上の人たちの金銭感覚っておかしすぎる!「中ジョッキ」で1000万!?!? 許さん!賄賂なら賄賂と口にだすぐらいせんかい!はびこる汚いやり方に、憤りながら、全5巻希望をもって読み進めた私ですが、最後に、唯一理想をもって行動したお偉いさん国見新会長が首(!)になり、恩地がまたアフリカに飛ばされるにあたり、本当にあばれたくなりました。不条理やぁ〜〜〜〜。一部、正しい監査が行われそうな描写があったけど、これだけの仕打ちに、それっぽっち?ってかんじで…。現実はうまくいかないってことっすね。いや、フィクション(?)だけどね、いちおぉ。

    ちなみに、自分だったらこう行動しないNO1は恩地さんの奥さん。私やったら即離婚ですわ…。こんなだんな。家庭ほっといて、なんかいえば「組合、組合」理想をもった頭のきれるすごい人かもしれんけど…。父親の姿見て、子供たちは、一時期はぐれつつも結局まっとうな人間にそだったみたいな書き方していたけど、本当にそうなるかな? んな、うまいこといかないと思う。ま、これぐらいの救いがなけりゃ〜悲しくて読んでられないか…。

    そういえば、作者、女性なんですよねぇ。すごいっす。これだけの調査をして、それを文章にのせることができるなんて。これを発表した当時はいろいろもめたんだろうな。だって、どこの航空会社の話かまるわかりやし。名誉毀損ぐらいは軽そう。

  • 組織の不条理さに憤りを感じつつ、恩地さんみたいな人が職場にいたら難しいかも・・・なんて思っちゃいました。

  • 私は、こういう大きな会社で交渉の場にいたりすることは無いから、本の中であってもその雰囲気を感じることでとても大変な役回りだと分かる。
    一つの会社という組織の中にいると、その場所の立場や人間関係がはたから見るとおかしくてもその環境で生きることにある意味順応してしまうようだと感じる。自分がいる組織や、立場を守ろうとしてしまう。
    その限られた環境の中で仕事をしていくとなると、人間関係にいろんな立場からの思惑やイメージが絡みついてさぞかし自由が奪われるであろうと推察する。
    読んでいて面白い。特に、交渉の結論のかわし方とか秀逸。

    個人的には、カラチでオランダ航空(?)の社員が言っていた遠いところに行く社員にはその分特別な手当てが出るし、立候補制だし、事前見学もある。他の欧州系の会社でもそうだ。個人の自由を大切にしているから。そういうくだりが印象深かったかな。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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