夏の入り口、模様の出口

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 535
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103256212

作品紹介・あらすじ

恋人の浮気を直感ピッコン!で突き止めた日、血まみれタクシー運転手がくれた物とは?襟足から下の方まで「毛」へのこだわり、午前二時の恐怖体験、なぜ冷蔵庫にハムスターの死骸を入れるのは嫌かという哲学的考察など、人気作家の魔訶不思議な頭の中と、世界の魔訶不思議な人間たちの姿が垣間見られる傑作。未体験ゾーンへあなたを誘う、神秘的・哲学的・反日常的エッセイ集。週刊新潮連載「オモロマンティック・ボム!」単行本化。

感想・レビュー・書評

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  • 「!」は驚いた猫を後ろから見たかたちで「?」はあれっと思った猫のそれ。上のはしっぽで、下の黒丸はおしりの穴。真偽のほどはわからんけど?可愛らしい!

  • 夏の入り口、模様の出口
    (和書)2010年09月18日 22:10
    川上 未映子 新潮社 2010年6月


    読み易くて、それなりに興味を引く本だった。

    週刊誌の連載エッセイらしい内容です。

    かわかみみえこさんの本は、図書館で借りていて、今までそんなに多くないけど全部読んでいるから、乗りかかった船的に読んでみました。

  • 川上さんが醸し出す独特の浮遊感、つかみどころがないようで、でも妙にツボなエピソードも結構ありで、笑わせてもらいました。
    川上さんの小説はまだ未読なのだが、なかなかにユーモラスなエッセイが好きなんだよね~。不思議ちゃんな雰囲気は人によっては受け入れにくいかもしれないけど、日々の生活において「そういえばそうだよね」といった気付きはこんなにもあるのかと色々新鮮でありました。特に、流行り言葉の有効期限についての考察は面白かった。
    私も川上さんと同じく絶壁で襟足が長いもので、髪をアップするとバランスが悪く「なんか頭が『う』の字だね。それも思いきり下手なやつ」と言われたって話に共感アンド大爆笑!!(襟足って永久脱毛できるんだ~)
    リリカルな雰囲気の表紙も素敵だけど、文庫の表紙の方がポップで内容にあってるかな。タイトルも、連載の「オモロマンティック・ボム」の方が弾けてて好きです。(文庫はこちらに改題してますね。つくづく、ナイスなタイトル!)
    自分の中で、エッセイの面白い作家に認定!

  • 未映子さんのするするとたのしい文章が心地いい。

    お気に入りはふたつ。

    「思い出はどこを流れる」
    わたしを形づくる日常のかけら。
    "それにしてもときおりこんなにもくっきりとよみがえる思い出も、頭のなかから出そうとすれば言葉に頼るほかないけれどそれはまったく別のもの。ここにあるこれは、誰にも見せることができないね。"
    このなんとも表現できないけれど、自分だけは確かにわかるこの大事なかけらたちが愛しくなった。

    「2月、飛躍するチョコレート」
    "自立なんてのは、自分で考えた価値観を自分の責任において遂行するだけのことなのだった。"
    ふっと力が抜けて、ぐぐぐっと力が湧いてくるような一文。いいんだよね、すきに生きて。すきに生きよう。


    所々に、女の悔しさを晴らしてくれた!言いたいことを言ってくれた!という回もあって、未映子さんがさらにすきになった一冊でした。

  • 基本、エッセイとかは好きじゃないけど、川上さんのさっぱりサバサバした感じと丁度いい長さにとっても楽しめた!!
    川上さんの感性好きだわー。
    次は川上さんの小説を読んでみよう!

  • !は驚いた猫を後ろからみたかたちで?はあれっと思った猫って素敵だね。マジはがんばれと甘えてますか、睡眠発作が面白かった。川上未映子のエッセイは言葉の選び方、並べ方が好き。作者の独特の感性がまた面白い。2012/032

  • エッセイと一言で表してしまえない面白さ。
    共感したり、驚嘆したり。
    視点の面白さ、日常と空想の反転する瞬間が
    なんとも心地よくて楽しかった。

    子供の頃、寝付けない夜に「死」を見つめて恐怖した夜。
    言葉が生まれ、ひっそりと葬られ、再生する瞬間。
    「世界と宇宙の違い」「人の心の在る場所」。
    毛にまつわる「抜いたり」「植えたり」
    巡り巡るドラマティック!

    金縛りに私もよくあうので「明晰夢」の話には驚嘆!
    金縛りをうまくコントロールすれば、その現象の間中
    自分の思い通りの世界を旅することができるなんて!
    自分にも可能かどうかわからないけれど、今度絶対に
    試してみよう!ほんと、No more 心霊現象!!!
    さよなら金縛り!こんにちは明晰夢!やふー!

  • 2009年~2010年にかけて週刊新潮に連載されていたものをまとめた本でした

    表紙の絵とちょっと引っかかるタイトルに惹かれて読んでみたのだけど
    あ~こういう感じかぁ~と
    少しガッカリ感が漂った
    川上未映子さんは初めて読む作家さんだっただけに残念でした

    とはいえ、1つ1つが短いから読み切りました
    独特の言い回し、言葉選び、感性に慣れるまでは少々読みにくく感じました

    ただ、こういうのを好きな人もいるだろうなというのは想像出来るので、「ふ~ん。」と言う感じかなぁ

    あくまでも、私は苦手でしたと言うだけです

    どうしても週刊誌の連載と言うことで、消費されてしまうような内容だし
    約15年も前だから古っぽい雰囲気も仕方ないかな
    あとがきが一番狙ってない「素」の感じがして良かったかも
    小説は面白いかも知れないし、またチャンスがあれば読んでみる

  • オモロマンティック・ボム!エッセイ。軽い気持ちで軽快に読める上に、色々知識になったり、新しい発見(ものの見方)があったりして、面白い。

    一番の収穫は、「明晰夢」その入り口がなんと、「金縛り」にあったとは!!それを知ってから、金縛りを待ち侘びている。私も自由に空を飛んでみたい!!その感覚を実感したい!!

  • 文庫本のタイトル「オモロマンティック・ボム」

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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