トリニティ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103259251

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  • 「男、仕事、結婚、子ども」のうち、たった三つしか選べないとしたら――。どんなに強欲と謗られようと、三つとも手に入れたかった――。50年前、出版社で出会った三人の女たちが半生をかけ、何を代償にしても手に入れようとした〈トリニティ=かけがえのない三つのもの〉とは? 

    30年前ぐらいに読んでいたら感想は違っていたかもと本を閉じた。東京の下町に生まれ育ったお茶くみOL、親子三代物書きのライター、母に捨てられた過去を持つ売れっ子イラストレーター。昭和時代に東京の出版社で巡り合い、50年にわたりつながりを持つ3人の女たちの紡ぐテーマは何十回も繰り返された物語で、残念ながら新鮮味が感じられない。
    その上に、還暦を過ぎた3人の主人公・女たちが沈んでいるのだ。三人三様が違う人生をたどったのに、後悔と悲しみがまとわりついているように思えた。確かに女をとりまく環境は厳しい。私も場面場面で痛いほど感じて来た。だけど、それだけではなかったはず。彼女らのその後を後ろ向きな面ばかりでなく、明るい面も描いて欲しかった。そうでなければ後に続く後輩たちに背中を見せられないではないか。

  • 過去を振り返る内容は懐かしいだけでつまらない。

著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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