- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103274148
作品紹介・あらすじ
時に人々の目を曇らせ、時に判断を鈍らせる。それこそが「常識」の落とし穴! 小学低学年からの早期英語教育は当然? 経済ルールは公平のため? 日本が譲歩すればあの国は黙ってくれる?――否。翻訳機の技術向上で英語学習は不要となり、欧米主導のルールには従うほど不利を強いられ、外交での謙虚さは弱みの裏返しとしか取られない……。一見、正しい定説を軽やかに覆す『週刊新潮』人気コラム最新刊!
感想・レビュー・書評
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宅配便の約半数はヤマト運輸。配達員は一日に三百個も配る。三分に一個としても十五時間かかる分量だ。ヤマト運輸の多忙はアマゾンの厳しい配達単価に耐えきれなくなった佐川急便の撤退が齎した。アマゾンの配達は特典を利用すれば無料。他方、我々が一冊の本を送るのには千円かかる。ヤマト運輸の赤字は我々一般が負担している格好になる。そして、アマゾンは日本の書店を猛烈な勢いで潰している。無料で翌日には欲しい本を届けてしまうアマゾンがあれば本屋に出掛ける必要はないからだ。しかし、書店が潰れてしまえばアマゾンは必ずやりたい放題に走るであろう。都合の悪い本は売られなくなるし、アマゾンによる言論統制さえ起こりかねない。送料無料というサービスは、配達員の涙と一般国民による犠牲により成り立っている。書店には通販には真似のできない良さが沢山ある。町の本屋を守るということは、この国の知的水準を保つということでもある。だから本は本屋。
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軽めのエッセイで主張もマイルド、肩の力も抜けていて気軽に読めるが、何か熱意ある主張があるでもなく、考察が披露されるでもない。藤原正彦の自虐的ナルシスト風ユーモアが好きな人なら、さらっと読むに楽しい一冊ではあるが、その軽口を真剣に読もうとするならば肩透かし。藤原正彦ももう少しで80歳であり、良い歳である。女学生にキモいキモいと悲鳴を上げられながら、それを楽しむ平和な爺さん、という感じで、世の中はそれなりに無事である事を確認できた。
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毎日6kmの速歩と週に二度ジムで体を鍛えている藤原正彦さん、「常識は凡人のもの」(非凡な人に常識は当てはまらない)、2018.1発行。2016秋~2017夏、週刊新潮連載のエッセイをまとめたものです。身近な出来事、文化、芸術、旅、社会現象などを題材に、著者の哲学(生き方)で味付けされています。非凡な著者の書かれるエッセイは、常識的なようで、そうでないようで、結構、読み応えがありました(^-^)
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『週刊新潮』に掲載された「管見妄語」の2016年秋から2017年夏までの一年分を収録したもの。さまざまな題材について、ユーモアを交えながら作者の見解が述べられている。「なるほどね」と感じながら、愉しく読むことができるエッセイ集。