- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103275015
感想・レビュー・書評
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この本は世の中の取り上げられない「暗部」というのを
ここぞとばかりに取り上げています。
たとえば春をひさいだ女性の「安楽の場所」を
取り上げたルポルタージュとか…
内容はだいぶ前の本なので
かなり古いものとなっています。
「不敬罪」といわれても今の私たちには
ピン、とはきませんからね。
ですが内容の濃さ、体当たり具合には
感心させられるかと。
特に1つのルポに関しては
実際に体験していたりします。
読んで損はない作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30年以上前に読んだ沢木さんの作品でタイトルが良かった
おばあさんが死んだ、不敬列伝など
特異の人生にスポットをあてて取材してかかれており
この中で人の砂漠とはオアシスを求められながら
苦しい状況を表している。
アルベールカミュの追放と王国という作品集に通じる
ものだとあとがきで書いている。
この本に関しては思い出があり派遣で働いていたときに
ある同僚からこの本を貸してくれといって貸した思い出
のつまった本である。 -
若かりし沢木耕太郎が記した8編のルポルタージュ。その後の沢木耕太郎の素地となる、彼独自の視点(それはつまり、社会的弱者・敗者に対する熱過ぎないけれどもどっしりとした関心)の片鱗を垣間見ることができます。そして唸ります。「あとがき」のちょっと気取った文章もまさに沢木耕太郎節。「果して『人の砂漠』の彼方に王国はその姿をあらわすだろうか。声あるなら地よひくく語れ。」
おばあさんが死んだ
棄てられた女たちのユートピア
視えない共和国
ロシアを望む岬
屑の世界
鼠たちの祭
不敬列伝
鏡の調書