人の砂漠

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 22
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103275015

感想・レビュー・書評

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  • この本は世の中の取り上げられない「暗部」というのを
    ここぞとばかりに取り上げています。
    たとえば春をひさいだ女性の「安楽の場所」を
    取り上げたルポルタージュとか…

    内容はだいぶ前の本なので
    かなり古いものとなっています。
    「不敬罪」といわれても今の私たちには
    ピン、とはきませんからね。

    ですが内容の濃さ、体当たり具合には
    感心させられるかと。
    特に1つのルポに関しては
    実際に体験していたりします。

    読んで損はない作品でした。

  • 30年以上前に読んだ沢木さんの作品でタイトルが良かった
    おばあさんが死んだ、不敬列伝など
    特異の人生にスポットをあてて取材してかかれており
    この中で人の砂漠とはオアシスを求められながら
    苦しい状況を表している。
    アルベールカミュの追放と王国という作品集に通じる
    ものだとあとがきで書いている。

    この本に関しては思い出があり派遣で働いていたときに
    ある同僚からこの本を貸してくれといって貸した思い出
    のつまった本である。

  • 若かりし沢木耕太郎が記した8編のルポルタージュ。その後の沢木耕太郎の素地となる、彼独自の視点(それはつまり、社会的弱者・敗者に対する熱過ぎないけれどもどっしりとした関心)の片鱗を垣間見ることができます。そして唸ります。「あとがき」のちょっと気取った文章もまさに沢木耕太郎節。「果して『人の砂漠』の彼方に王国はその姿をあらわすだろうか。声あるなら地よひくく語れ。」

    おばあさんが死んだ
    棄てられた女たちのユートピア
    視えない共和国
    ロシアを望む岬
    屑の世界
    鼠たちの祭
    不敬列伝
    鏡の調書

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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