- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103309215
作品紹介・あらすじ
彼らが、最後のライフラインだった-津波が全てを奪っても、命の可能性を信じ続けた九人の医師たち。生と死を分けた凄絶な現場を初めて語る、感動のドキュメント。
感想・レビュー・書評
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語り部は、東日本大震災の現場にいた医師9人。
目の前で命を失っていく様子を目撃した人もいた、
家族と離れ離れのまま、互いの生死も不明のままの人もいた。
そんな、現場にいたからこその内容となっています、
わずかな判断の差が生死の境目となる、冷徹なまでの現実。
“修羅場では物事の本質が露わになる。社会の本質はまず医療ありき、なのだ。”
あくまでも、いのちを救い、死を悼むのが、医者の本分とされていますが、
これはもしかしたら、医者に限った話ではないのかもしれません。
“いのちに寄り添う”ことは、誰にでもできる事ですから。
今は震災後の世界ですが、まだ終わっていない、、
そんな事をあらためて考えさせられた、一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「海堂尊」で検索をした時に出てきた本。
彼が編纂者として名乗ることで、この本を手にした人も多いかもしれない。
それが彼の功績でしょう。
私もまさにその通りで、タイトルと作者名から「速水先生だ!」「ジェネラルがこの非常事態に黙って自分の職場だけに留まるはずがない!」と、
現実と物語を混同し、速水先生の物語を読むつもりで借りた。
中身は被災地で活躍した医師9名のインタビューをまとめたものだ。
当時のお医者さんたちの奮闘が生々しく伝わってきて、涙なくしては読めない。
特に歯医者さんの検視は初めて知り、大変気持ちが熱くなった。
本当に多くの人々があの大震災に向かいあい、支えあったのだなと改めて思う。
後書きに案の定、海堂先生のAi話題がある。これまで物語の中でこれほど画期的なAiが様々な障壁により導入されないくだりを読んできたが、あれはフィクションではなくノンフィクションであることが記されていた。
なんでそんなにイイモノが未曾有の災害でも使われないのか?本当に利権や欲だけの問題なのか?とても不思議だ。 -
3.11の時の記憶が呼び起されるので、まだ傷が癒えていない方にはオススメしません。
あの時、どんなことがあったかこんなにも覚えているものなんですね。
医療に携わる様々な立場の医師9人のお話です。
1番最初の、南三陸町の菅野武先生のお話が涙なしには読めませんでした。
医師である前にこの人たちも一人の人間で、逃げ出したい気持ちだってあるのに、
あんな状況で一人でも救おうとしてる姿に心打たれました。
中には、ただの自慢話を書いてる人もいました。
自分がどれだけ頑張ったかってことばかり。
その章は読まなくていいと思います(笑)-
>nyancomaruさん
コメントありがとうございます。
"読まなくてもいい章"は、読み始めてすぐ「ゲ」ってなって
あまりきちんと読んで...>nyancomaruさん
コメントありがとうございます。
"読まなくてもいい章"は、読み始めてすぐ「ゲ」ってなって
あまりきちんと読んでいないので、もしかしたら良いコトも書かれていたのかもしれないけど、
ちょっと私には自慢話にしか思えませんでした。
もちろん、その方も頑張ったことには変わりないのですが…。2013/02/06 -
「私には自慢話にしか思えませんでした。」
確かに、そう言う部分がありましたね。
自慢話は、他の医療関係者への鼓舞だと受け止めて読みました。。...「私には自慢話にしか思えませんでした。」
確かに、そう言う部分がありましたね。
自慢話は、他の医療関係者への鼓舞だと受け止めて読みました。。。2013/03/19 -
2013/03/20
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ところどころ、あまりにも主観的過ぎると思いながら、思わずそうならざるを得ないほど深い悲しみや絶望やそういったものをひしひしと感じた
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東日本大震災で自らも被災者でありながら医師として活動した医師たち、応援に駆け付けた医師たち、それぞれの聞き語り。
診察する患者とつらい体験を共有することで自らも癒されたという医師。
検視・身元確認のためにデンタルチャートを黙々と作成する歯科医師。
これらの記録、読んでよかった。-
2012/08/04
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東日本大震災で奮闘した医師たちへのインタビュー集。それぞれの立場で目の前にいる被災者たちと向合った姿が、医師たちへの淡々としたインタビューにより語られる。こういう風に、1人1人の声をちゃんと聞けることってすごく少ないし、また、収められているインタビューに特に演出がないので、すごく読んでいて腑に落ちる。気持ち良い。やっぱり、マスコミでの取り上げられ方とは随分受ける印象が違う。
日本ではこういうインタビュー集の本って結構すくないけれど(「アンダーグラウンド」くらいしか思いつかない)、この本のインタビューのまとめ方のクオリティは相当高い。
でも、海堂氏の「いのちを救い、死を悼む」は不要。余計な主張が入ってしまったことで、その前にある医師たちの声が完全に台無し。不必要に劇的な文体だし、医師を礼賛する一方でそれ以外の組織を敵としてたたく文章は真摯さに欠け、読んでいて気持ちいものではない。 -
東日本大震災から10年は経ちましたが、あの時感じたことを忘れたくない!といった気持ちでこの本を手に取りました。
1番印象に残ったのは菅野武さんの話です。自然の脅威を前にして人は無力感を感じずにはいられないでしょう。それでも、無力ではなくて微力でも出来ることをやる。とても大切なことだと思います。自分も危ないかもしれない、怖いけどやるしかない。1人でも多くの人を救おうとする菅野さんの姿に心を打たれました。自分も将来こういった場面に直面した時に同じようなことができるだろうか、こうなりたいと思いました。
他にも自然災害時の連絡体制、人々が連携をとることの重要性などについて述べられている方の話など、自分が普段考えていない視点を学ぶことが出来てよかったです。
一部は確かに、自分がやったことを少し自慢げに話される方もいらっしゃいましたね笑