守教 下

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103314240

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  • 久留米藩三部作完結編。

    今年、発見から150年を迎えた今村周辺の隠れキリシタン信徒の布教から維新に至る300年の流れを地元大庄屋一族の視点から描く。

    権力者側の事情はさておき、禁教と知りつつ、教会から派遣された神父や修道士のいない中で、集落の住民だけで何百年も信仰を繋いでいったことは驚きだ。
    幕末の開国時に西欧から来た司祭と会った時の驚きと喜びと困惑はいかばかりだったことか。
    司祭側の衝撃も大変なものだったに違いない。

    今村天主堂は一度訪れてみたい。

  • 淡々と語られる語り口にも慣れて,今村の隠れキリシタンとしての生活が清貧の慎ましさと慈愛の心で流れていく.困難なことをいくつも乗り越えて明治につながって信じ続けた代々の人々の固い絆に感動です.

  • まさに大河ドラマです。内容も面白かったですが、すべてが説明調なのが今ひとつでした。医学小説の方が面白いですね。

  • 上巻の続き。大庄屋一族の苦難。
    右馬助から四代目、道蔵が凄かった。
    自分を犠牲にして村の信仰を守った。
    宗旨人別帳や踏み絵はその苦しみに比べれば、どうということもない。
    幕末、役人の前で堂々とキリスト教徒であることを告白する今村の村人。辛い歴史を読んできただけに痛快だった。
    明治維新後、道蔵の墓には教会が建つ。報われた気持ちがした。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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