- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103325413
作品紹介・あらすじ
置き去りにされた加害者の息子は上昇する。後悔に苛まれた被害者の父親は堕落する。やがて、二人はぶつかりあう。試合で。ピッチで。人生で。
感想・レビュー・書評
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交通事故で愛する息子を亡くした被害者の父親灰沢考人
ボールを追って不意に飛び出した子供を避けきれず死なせてしまった加害者の息子である砂田佳乃也
事故によって崩壊してしまった二家族の再生の物語
久しぶりの小野寺作品
短い文章で畳み掛けるようにテンポよく進むが、テーマがテーマだけに胸が詰まるような思いで読んだ
たった一瞬で人生がこんなに狂ってしまうのだと改めて交通事故の恐ろしさを思い知らされた
それとともに絶望の淵に立たされ、希望を失いかけていた灰沢考人と砂田佳乃也の二人が、再び希望を見出し前を向いて生きていこうとする姿に救われた
二人を支えた中里由希と本間青海か登場して、急に読むのが楽しくなった
小野寺さん、サッカーが好きなんだろうか
試合の場面などとても詳しくて驚いた
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サッカーで繋がるもの。
不慮の事故としか言いようがないが、もしもの中の一つでも違えば未来は大きく変わっただろうな。
加害者の家族と被害者の家族、まさか同じピッチに立ってボールを蹴るなんて誰も思わないだろうな。 -
幸せな日常が、事故により突如失われる。死者は蘇らないし、家族は不幸になるが、その中で生きていくそれぞれの姿に共感できた。ラストに示される希望に救われる思いがした。読んでよかった。
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読売新聞H24年8月の小説月報で五つ星で紹介されていた。
期待を裏切らない、しみじみとした後味の良い作品。
交通事故の被害者と加害者。そしてその家族がたどる不幸。
悲惨になりがちな内容を、二人のサッカー選手が、
青空にボールを蹴るように前向きに生きていくことで
希望につなげていく。
ひたむきに一つの事に打ち込んできた者は
いつか必ず報われる。そう思わせてくれる。
『新潮ケータイ文庫DX』連載に加筆修正して書籍化。 -
想像したくない状況から話が始まる。
プロサッカー選手の息子が目の前で交通事故に合い、亡くなってしまう。その選手のその後と事故を起こした人の成長していく息子の話。
ずっと悲惨な状況に読む気がそがれる。皆、幸せになってはいけないと考える。つい納得してしまう。
どの場面にもサッカーがある。転がるはボールなのか、人生なのか。
最後が未来のある終わり方で救われる。 -
ガッツリとサッカーを題材に持ってきたヒューマンドラマです。
峠を越しつつあるプロサッカー選手。これから未来に向かって歩き出したばかりのプロサッカー選手。
2人には被害者の父親、加害者の息子という特殊なつながりがあります。
息子を失ってからプレイに精彩を欠き、家庭も空中分解してしまったベテランキーパー。
父が子供ひき殺してしまってから、心が宙ぶらりんながらもプロサッカー選手を目指す青年。
慟哭の物語になりそうな展開ですが、そこはさらっと人間を描くことに長けている小野寺氏なので8年前の作品とは言え鬱展開にはならず前向きです。
サッカーが得手ではないのですが、乏しい知識でも試合が目に浮かぶような文章でとても楽しめました。
登場人物がそれぞれ人生を生きていると思わせるのは、さすがだなと感心しました。
魅力的な人物をしっかり書ければ、そんなに突飛な展開にしなくてもいい物語が書けるんですね。 -
事故で息子を亡くした父、
その事故を起こした人の息子、
切なくて苦しくて、でもサッカーを通じて
登場人物それぞれの人生を皆が応援してて、二人がいつか互いの立場を認識する日が来ても、きっと前向きに受け入れられるんじゃないか、というかそうであって欲しい。
脇役もいい。サッカー少年習人も、青海も、素乃香も、水玉も、恋も、長崎も。
うまく言えないけど、好きな話だった。 -
4月-13。3.0点。
息子を交通事故で亡くしたサッカー選手。一方、加害者の息子もサッカーを。
二人の人生を追っていく。交叉する二人。
うん。結構面白い。リアルな生活を追っていく。 -
被害者も加害者も家族も辛い。
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どちらの家族も辛い。
習人くんを応援したい。