躁鬱大学: 気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103359531

作品紹介・あらすじ

誰にも言えない悩みだと思っていたのに、そうじゃなかった?! 31歳で躁鬱病と診断され、気分の浮き沈みの激しさに苦しんでいた僕がみつけた、ラクに愉快に生きる技術。みんな、人からどう見られるかだけを悩んでいる。鬱のどうにもならない落ちこみ、自己否定をどう扱うか。はたまた躁の周囲を疲れさせてしまうほどに過剰なエネルギーをどうするか。自らの経験をもとに、ユーモアあふれる対処法を徹底講義!

感想・レビュー・書評

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  •  双極症当事者&アーティスト&文筆業を生業とする著者の、双極症の方へのあたたかいメッセージに満ちている本だと思います。
    「双極症の人はエネルギーが多いから、そのエネルギー発散するために表現する方法を見つけよう…例えば文章を書いてみる・音楽を演奏する・絵を描く・演じるなど…」「鬱の時でも体を動かしてみる…例えばカーテンを開けて太陽光を浴びてみる・料理を作ってみる…など」(何年か前に読んだ本のため、本からの正確な文章ではないので違う言葉かも…まちがっていたらすみません)
     双極症の人に向けてのアドバイス・目線がやさしい。当事者ならではの具体的アドバイスがたくさん…この本によって助けられて、その人らしく生きられる人が多くなりますように。

    • workmaさん
      「躁鬱」を「病気だから治さなきゃ」ではなく、
      「気分の波がある」ことを「体質」ととらえてみる…「体質だと、自分の一部と受け入れやすい」...
      「躁鬱」を「病気だから治さなきゃ」ではなく、
      「気分の波がある」ことを「体質」ととらえてみる…「体質だと、自分の一部と受け入れやすい」という主旨の部分が 、坂口恭平氏以前にはポピュラーではなかった 表現だと思いました。

      あと、「鬱」「躁」のエネルギーは そうとうなポテンシャルがあるという主旨の部分にしびれました。
      「とにかく動いてみる。何かやってみる。」「自分のしたいことをする」など、具体的な助言満載でした。当事者研究って、すごいな!
      2023/01/27
  • 私は躁鬱病ではありませんが、いろいろ参考になりました。
    そして、笑っちゃう面白い本。

    坂口さんは電話相談を長年受けてきて、
    ある結論にたどりつきました。
    単純ですが凄いです。

    「人は、人からどう見られているかだけを悩んでいる」

  • やっと、出合えました。
    気分の揺れがつねにある自分をようやく引き受けられる。
    ありがとうございます。躁鬱人として好き放題やろう。

    • workmaさん
      I.M.O.さんへ

      「躁鬱人として好き放題やろう」という言葉が力強くて、いい言葉だなあと思いました(*^^*)
      I.M.O.さんへ

      「躁鬱人として好き放題やろう」という言葉が力強くて、いい言葉だなあと思いました(*^^*)
      2023/01/25
  • 私自身双極性障害、いわゆる躁鬱病と患っており、同じく躁鬱病を抱えている友人からオススメの本として紹介されて、この本を手に取りました。

    双極性障害の人でこの本を読む方は「はじめに」を読んだ後に「最終講義:それぞれのあなたへ」を読むことをおすすめします。
    ここには「躁状態の方」「躁でも鬱でもない状態の方」「鬱状態の方」に向けた言葉が載っています。まず、ここを読み、なにかしら行動する(鬱状態で何もできないときに「何もせずに休む」という行動も含めて)するのが良いかと思います。

    躁鬱人による(非躁鬱人の言葉を借りながら)躁鬱人のための言葉たちが載った一冊です。

    本書は双極性障害(躁鬱病)当事者である坂口さんによる、双極性障害を患った人がどう生きていくか、どう生きるのが生きやすいのか、指南書のような本。
    坂口さんは、精神科医である神田橋條治先生が双極性障害について語った「神田橋語録」を引用し、それに坂口さん自身の生き方や感じ方を補足する「講義」という流れで本書は進んでいきます。
    神田橋先生の「躁鬱病は病気というよりも、一種の体質です」の言葉から、坂口さんは双極性障害患者を「躁鬱人」と呼び、社会に合わそうと無理をするのではなく、そういう体質の人として生きていくのが良いと語っています。

    読み進めながら「その感覚、分かる!よくそれを言葉にしてくれた!」「それは坂口さん、やりすぎでは?無謀では?(でも、周りが躁状態の自分を見た時は、こう見えているのかも)」「自分の生きづらさは非躁鬱人(躁鬱病になっていない人を本書はこう指しています)に合わせて生きていたからかー」といったことを思いながら、ページをめくりました。
    章立てられていますが、一つひとつの講義は濃く、一日に一講義と咀嚼して飲み込むように読みました。

    この本の救いは、神田橋先生の教えでもありますが、「躁鬱病は体質」だと言っているところです。つまり、病気として捉え、病気になってしまったことを悩むのではなく、自分の体質・気質・性格を形成している一部分として捉えるということです。
    そうすることで、非躁鬱人に合わせて「窮屈」になっている生き方を変え、自分が生きやすいようにマインドセットをシフトし、結果的には躁鬱の波が収まっていくということが書かれています。

    「最良の薬は「君はすごい」と褒められることです」「どにかくシャキッとした人、ちゃんとした人になるのは今日かぎりでキレイさっぱり諦めましょうね。一流の中途半端な人、器用富豪を目指しましょう」といった言葉に救われました。
    自分のマインドセットを変えるだけで、生きやすさはググッと変わるのだなと実感しています。

    • ハチハムさん
      workmaさん
      コメントありがとうございます
      病気として排除するのではなく、体質としてむしろ受け入れるという考え方が目からウロコでした。
      workmaさん
      コメントありがとうございます
      病気として排除するのではなく、体質としてむしろ受け入れるという考え方が目からウロコでした。
      2023/01/25
    • workmaさん
      ハチハムさん

      たしかに。
      「病気」→「治さなきゃ」じゃなくて「体質」→「それも含めて自分だ」と とらえると受け入れやすい感じがしますね。認...
      ハチハムさん

      たしかに。
      「病気」→「治さなきゃ」じゃなくて「体質」→「それも含めて自分だ」と とらえると受け入れやすい感じがしますね。認知症などにも共通する考え方かな…と思いました。
      川口恭平さんの「当事者研究」は 多くの人に希望を与えていて、すごいな~!と思いました。お返事ありがとうございました(*^^*)
      2023/01/25
    • ハチハムさん
      workmaさんへ
      体質として受け入れると、これとどう一緒に付き合って生活していくかと考えて、良い意味での諦めと受容ができますね。病気に抗わ...
      workmaさんへ
      体質として受け入れると、これとどう一緒に付き合って生活していくかと考えて、良い意味での諦めと受容ができますね。病気に抗わなくなるだけでも生きやすくなると思います。
      こちらこそコメントありがとうございます。コメントを頂いて、内容について改めて理解が深まりました。
      2023/01/25
  • 何度も読み返そうと思います

  • 躁鬱病と診断されたので読んでみました。
    本書の「はじめに」を数ページ読んだだけで、自分のこと、自分のこれまで悩んできたことを書かれている気がして、込み上げてくるものがありました。

    夢中になって読み進めていくと、「今の自分は躁状態だったのかも」とか俯瞰することも出来てきました。自分は双極二型だと思うので、著者の坂口さんの言動が全て自分に当てはまるとは思えませんでしたが、躁鬱病と診断された自分にとっては、為になることが書かれていると感じたのも事実です。

    今までの自分は、躁状態のときは鬱状態のことを忘れ、鬱状態のときはそんな躁状態のことを嫌悪していました。その日によって意見が変わる自分が大嫌いで、自分自身を信用できていませんでした。
    本書を最後まで読んで感じたのは、躁状態のときも鬱状態のときも、どちらでもないときも自分は自分で、否定したり、疑ったりすること自体が間違っていたのだと思いました。

    本書の中では、「躁状態にならない為に」なんてことは一切書かれていません。
    自分がどういう人間なのか理解して、その特性と向き合って生きていくために、自分なりの操縦法を優しい語り口で教えてくれています。

    これからも、自分に素直に、のびのびと生きていって、時々悩んだり落ち込んだりしたら、この本をまた読んでみたいと思いました。

    • workmaさん
      チャーリーブラウンさんへ
      「自分に素直に、のびのびと生きていって、時々悩んだり落ち込んだり」…という言葉が、「いい言葉なぁ…」と、思いました...
      チャーリーブラウンさんへ
      「自分に素直に、のびのびと生きていって、時々悩んだり落ち込んだり」…という言葉が、「いい言葉なぁ…」と、思いました(*^^*)
      2023/01/25
  • 双極性障害を公表している建築家で音楽家で作家の著者。
    躁うつに対する自身の感じ方と、普通を目指さず躁鬱人として生きていく技術を、独自の見解で展開している。

    語りのテンションがちょっと高めと言うか据わりが悪くて一度読んだだけでは躁うつの全体像は見えてこなかった。
    ただ、躁状態のときとうつ状態のときの考えていることが真逆ででもどちらも100%本気ということが掴めたので収穫あり。

  • 決して悪い本でもないが、あまり真に受けない方が良い。
    あくまでこの人の場合は、という枕詞をつけて受け取る程度がちょうど良いと思う。

  • 子どもの頃時間割を作っていたとか、鬱状態のときに両親を責めるとか、本を通読できないが自分に必要なページをパッと開けられるとか、著者と具体的なエピソードがかなり似ていて驚いた。
    最近なんとなく自分の心地よさを指針にして生きていくのが合っている気がしていたが、読むタイミングがバチっと合った本。
    バイブル的な一冊として持っていきたい。

  • 非躁鬱人だけど勉強になることたくさんあったから、みんな読んでほしい。そしたら、少し優しい世界になりそう。
    口語すぎてちょっと読みにくかった。

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著者プロフィール

1978年、熊本県生まれ。料理家、作家、建築家、音楽家、画家。2001年、
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、路上生活者の住居を収めた写真
集『0円ハウス』を刊行。2008年、それを元にした『TOKYO 0円ハウス 0円生
活』で文筆家デビュー。2014年『徘徊タクシー』で三島由紀夫賞候補、『幻
年時代』で第35回熊日出版文化賞、2016年『家族の哲学』で第57回熊日文学
賞を受賞。著書に『cook』『自分の薬をつくる』『お金の学校』『ゼロから
始める都市型狩猟採集生活』『現実宿り』『よみぐすり』など。

「2022年 『中学生のためのテストの段取り講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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