傍流の記者

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 259
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103360537

作品紹介・あらすじ

格好つけるな。噓をつくな。強がるな。おまえも本当は、部長になりたいんだろう? 優秀な記者ばかりがそろった黄金世代。しかし、社会部長になれるのはひとりだけだった。生き残っているのは得意分野が違う五人の男。部下の転職や妻との関係、苦悩の種に惑いながら出世レースは佳境を迎えるが、会社が倒れかねない大スキャンダルが男たちを襲う。組織を守るか、己を守るか、それとも正義をとるか。勝つのは、誰だ?

感想・レビュー・書評

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  • 直木賞候補作。同期、しかも優秀な新聞記者5+1の物語、短編集、社会部の記者と人事部社員。抜いた抜かれたの毎日、昇進の野望、家族への思い、等身大の記者が描かれているのかな。リアリティを感じるが、どうも男社会を感じたというか身近な世界でないからか、業界見学のよう。最後の章の北川の話は北川の辛さが出てて良かったです。お仕事小説として一つの勉強になりました。

  • 同期がぶつかりながら成長していく物語。それぞれを主人公にしたエピソードがあり感情移入させつつ、最後にはそれらが集約されてひとつの形になるという論回しには唸らされた。皆さんは誰派だろうか?

  • 新聞社の本社社会部同期6人の物語。

    出世競争ものの面白さが前面に出ているのですが、結構社会派小説の面もあってよかったです。
    ただ、事件など実在のものを元にしているのはわかるのですが、その踏み込み方に工夫がないのが残念です。
    頭文字のアナグラムも子供だましみたいで、そこにミステリー要素を入れなくてもいいのではと思いました。
    最後の社会部部長は自分の予想では北川の横滑りかと思いましたが、ダークホースがいて膝を叩いてしまいました。

  • 2018.12.7.今回の直木賞候補になった作品。東都新聞の同期の記者を主人公にした連作短編集。また、選評を先に読んでしまって、古いだの男しか出てこないだのという評価に引きづられ最初は読むテンションが上がらなかったが、読み進むうちに、それぞれの主人公の置かれた立場、新聞の作られ方みたいなものが生き生きとまではいわないものの面白く描かれていた。地味な作品だが、読み応えがあったと思う。

  • 社会部記者の矜持を、同期6人の人間模様を重ねながら描く。元新聞記者の著者でこその作品だが、今ひとつインパクトに欠ける印象。

  • 近いところで同期と、社内での部の争い、他紙との競争と
    競ってばかりの毎日では最近の子はこの業界を敬遠するだろうな。

  • 「ミッドナイトジャーナル」が面白かったのに、次に何を読もうか悩んで月日が経ってしまった。久しぶりに同じく新聞社ものを読んだけど、エンタメとビジネスを上手にバランスよく配置し、ストーリーもシンプルで破綻なくわかりやすい。何よりもそれぞれのキャラクターがイメージしやすくて魅力的なのは日本人作家では稀有なこと。
    もっと読まれるべき、評価されるべき作家と思う。
    4.2

  • サラリーマン小説として、ドキドキしながら、読み進めました。新聞記者の世界が良く分かります。

  • 新聞記者のお仕事本。と言うには男臭すぎるけど。
    同期の優秀な男達を中心に、それぞれの立場からクローズアップする。
    会社勤めと言っても普通の会社員とわけが違うジャーナリストとしてまっすぐに生きていく男達。
    読み応えのある一冊。

  • 最初は単なる仕事に厳しい人の話かと思ってそんなに読んでいて面白くなかったが、2話目以降視点が変わると段々と楽しく読めてくる。
    ただやはり、この作者はスポーツ物のほうがとっつきやすい。
    あと帯に「社にスキャンダルが」みたいなことが書いてあったけど、そこまで大げさはことではなかったのが残念。

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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