- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103509110
作品紹介・あらすじ
出張先は火山、ジャングル、無人島……センセイ、ご無事のお戻り、祈念しております。必要なのは一に体力、二に体力、三、四がなくて、五に体力?! 噴火する火山の溶岩、耳に飛び込む巨大蛾、襲い来るウツボと闘いながら、吸血カラスを発見したのになぜか意気消沈し、空飛ぶカタツムリに想いをはせ、増え続けるネズミ退治に悪戦苦闘する――アウトドア系「鳥類学者」の知られざる毎日は今日も命がけ! 爆笑必至。
感想・レビュー・書評
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この著者の書名のつけかたが好みだな、と以前から思っていたのですが、実際にちゃんと読むのは今回がはじめて。
鳥類学者のリアルな日常を、シュールな例え話などを交えつつ、軽快に紹介してくれます。
こんなに楽しい文章が書けるのだから、「鳥類学者はシャイで友達作りが下手」との説は少なくとも著者にはあてはまらないんじゃないか、と思いながら、けらけら笑って読みました。
調査中にハエが次々と口に飛びこんでくる状況で「このハエは鳥の死体を食べている=素材は鳥肉100%=ハエの形をした鳥肉だ!」と自己暗示をかけたとのエピソードに、フィールドで調査する研究者の根性を感じました。
各地の調査で見えてくる、生態系の仕組みや外来種の問題、人間の営みが自然に及ぼしてきた影響など、考えさせられる話題もありました。
同じ著者のほかの著作も読んでみたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ネットで見かけて。
笑えた。
どらえもんやガンダムや迦陵頻伽、昔話などが、
絶妙なタイミングで飛び出てきて、みぞおちを突かれる感じ。
だんだん慣れてきて、この角で秋元康が来るな、と思っても、毛利元就だったりとか。
とはいっても鳥類研究の話も面白かった。
ズクロミゾコイの調査をしていて、その声に似ている牛舎の前にたどりついたり、ホンダのバイクの後ろにいたことがあるとか。
環境保護地域の南硫黄島への調査に向かうために、一週間前から種子のある果実は食べず、道具はすべて新品を用意し、クリーンルームで準備をして、地域外の動植物をもちこまないように気をつけたとか。
ボルネオ島の研究対象地がコーヒー農場や違法な石炭採掘場になってしまったとか。
こういうタイプの本は、最初飛ばしても、最後に失速してしまうことが多いが、最後まで美味しかった。
そういう意味では、最後までアイスクリームがつまっている抹茶パフェというべきか。
チョコパフェほど甘くはない。
抹茶アイスとか生クリームとか抹茶シフォンとか白玉とかあんことか、それぞれ美味しい鳥ばなしがてんこもり、そこにアクセントが効いてる感じかな。
でも、そのアクセントは、例えるなら何だろう。
コーンフレークじゃないとは思うんだけど…。 -
ご存知、子ども科学電話相談の「はーい川上でーす」でお馴染み?の鳥類学者、川上先生の著書。
番組中のお話が楽しすぎてついつい本まで買ってしまいましたが、案の定といえばいいのか、怒涛のような語り口。忙しすぎるし面白すぎる。
そのノリで一呼吸ごとにハエと一体化していくようなフィールドワークの過酷さや鳥の保護の難しさが語られるので、「本当に大変だ」とは承知のうえで、やっぱり笑わずにはいられませんでした。
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』
うん、でも、やっぱり、嫌いじゃないんでしょ? -
私は、個人的に完璧と思う文章を書く小説家には憧憬の念を隠さないが、同様の文章を小説家以外の人が書くとなると嫉妬の念が勝る。本作に抱いた念は、明らかに後者である。
学者の書く文章は、たとえそれが自分の専門外の学問であっても、勉強のためと割り切って読むので、いわゆる「うまい」文章は求めていないし、むしろそういうものと思って読む。
しかし、本作は、鳥類学者が書いた文章のくせに、文章の流れといい、引き込む魔力といい、随所に散りばめられたユーモアといい、単に文章として完璧だ。
ここまで文章が完成されていると、そこから何を学んだかとか、自らの知見をどう刺激したかなどどうでもよく、ただただ「小説家でもないのに、こんな完璧な文章を書きやがって」と嫉妬するばかりである。
そのうえ、「オレもこんな文章書きたい」としか思っていないはずなのに、まんまと鳥類や絶海の孤島に興味を抱いてしまっている。
してやられた。もう、超絶おすすめするほかない。 -
読んでいて嫉妬したくなるほどの面白さ。鳥類学だけじゃなく、これからは各学界にひとり川上氏を配置すれば、学問全体が盛り上がると思う。
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きっかけは、夏休み子ども科学電話相談。川上先生オモロイなと思ったので、購入。
一段落に一回笑わせようとするサービス精神には頭が下がる!が、そのせいで内容が頭に入って来ないのもまた事実。疲れる…。
川上先生くらい説明が上手かったら、もうちょい真面目に鳥の話しても皆んなついていけるかと…。
「鳥は用事がなければ飛ばない」が本書を読んでの一番の学び。
第二章、南硫黄島での調査の様子はすごくリアルだった。読んでいるこちらの呼吸がしんどくなるほど。読みごたえがあった。
本文イラストは畠山モグさん、素敵な絵! -
完全にタイトルに釣られて買ったが、中身も文句なしに面白い。こんなに面白い本があるのかと驚くと同時に、鳥について何も知らなかったと目を開かされた気分だ。鳥類学研究の現場など、自分にとってはとても縁遠い場所だが、この本を読んで研究者たちを応援したくなった。科学の面白さが詰まった一冊。ちなみに私は著者のサイン会にも行ってしまった。
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タイトルを見て(えっ)と思い、そのインパクトにつられて読んでみました。
「おにぎりを食べていると、しばしば愕然とさせられる。」で話が始まります。
鳥類学者である著者の研究の日々が、軽妙な文でつづられています。
しっかりと鳥類の専門的な情報も載っているので、学術的に興味がある人でも楽しめます。
007のジェームズ・ボンドという名前は、実在する鳥類学者から取ったものだとは知りませんでした。なぜなのか、その経緯を知りたいものです。
また、山手線の駅だけではなく、鳥にもメグロとメジロがいるのは知っていますが、メグロが東京の固有種だということも初耳です。
なのに、東京都の鳥が越冬鳥のユリカモメであることに著者は納得がいかないようですが、東京といっても、メグロの生息地は都心からはるか離れた小笠原なので、都民にはピンとこなさそう。
しかも、都の鳥が決まった頃は、まだ小笠原諸島は米国統治下に置かれていたそう。東京ではなかったのですから、これは仕方がないことでしょう。
スラ・スラはアカアシカツオドリ、ピカ・ピカはカササギの学名など、知っていたら楽しい知識も。(あまり活用できなさそうですが)
しかし「生体よりも死体が好きな私には、天国のような地獄絵図である」という鳥好きが聞いたら悲鳴を上げそうな文章が混ざってくると、やはり著者は普通の鳥好きではなく、調査に燃える学者なのだということに気が付きます。
しかも、ふわふわな羽毛に覆われた外観ではなく、鳥の骨が大好きなのだそう。これもまた、鳥好きとは異なることでしょう。
学者の目線では、鳥はやわらかい組織に包まれており、つかみどころがないため、調査に不向きなのだそうです。
ちなみに先日、新聞に小笠原の鳥の記事が載っていたので(もしや)と発表者の名前を確認したところ、やはりこの著者の名前でした。
本中に書かれている通り、鳥類学者が少ないというのは本当なんだなあと実感しました。
パート2が出たら、読んでみたいです。 -
今まで全く無縁の分野だったが、とても面白かった!
芸能人よりも希少な鳥類学者が日々どのような研究をしているのか、ギャグも満載に分かりやすく書かれていた。
それだけではなく、外来種による在来種への影響や駆逐について、森林伐採や経済問題についてもしっかりと言及されていた。 -
2018/08/20読了
読み終えるのが惜しい!
なんて思った本は久しぶり。
学者さんの本だから、難しいだろうか、なんて読み始める前は思っていたけれど
そんなことはなく、とっても面白い本だった!!!
・・・というか、面白い方ばかりで正直マジメな論があまり入ってこなかったです(笑)
ふざけていないページは一か所たりともなかったぞ・・・。
鳥を追い、山や島を命がけで旅する。学者としての仕事であちこち駆け回る。きっとそれは大変であろうが、このエッセイからはそれ含めて鳥中心の生活がきっと楽しいんだろうなあと思えてならない。
川上さんの性格、それ以上に、本の文体が面白くて面白くて。
森見登美彦氏のような語り口、この文才よ!
うらやましい・・・
小ネタもいっぱい、スケベもあったり
氏のほかの本も絶対面白いだろう!
ああ、面白い面白いって、上手にこの本を評できぬ自分の文才のなさよ・・・。
子ども科学電話相談の鳥の人。先生の声で自動再生される
いや、読めてよかった!
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