- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103512158
感想・レビュー・書評
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「僕はよく、ものをもらう。もらったものは買ったものより捨てにくいし、何かをもらうと何かをお返ししたくなる。なぜだろう?」
矢部さんがもらってきたプレゼントと思い出のリボンをほどきながら、人のつながりを考えるコミックエッセイ。
あたたかみのある絵柄でほんのり笑えるエピソードたち。その中に見え隠れする哀愁、わびさびの雰囲気が好き。ぼくは四コママンガって読むのが疲れることが多いんだけど、矢部さんの四コマは深呼吸するように読める。「プレゼントって何だろう?」という素朴な疑問を出発点に、こんなにやわらかく哲学する本を描けるのがすごい。
いきなりのモンゴルの絨毯エピソードが楽しかった。テレビの企画でモンゴル人の家族と日本で一緒に暮らすという無茶ぶり。日本語はもちろん英語も通じない!言葉を少しずつ覚えていって、最後はモンゴルのゲルで暮らすという異文化交流!日本では気づかなかった文化の意味を、現地で知るというのがいいよね。塩ミルクティーは飲んでみたいなあ。お別れの時にもらった絨毯。玄関の絨毯を踏むたびに、モンゴルの草原に立った瞬間を思い出すんだろうね。
香川のバーのマスターの話もよかった!めちゃくちゃ良い人!この本を読んでくれてたらいいなあ。初めての舞台に矢部さんを抜擢した作・演出の先生の言葉も沁みる。
「芝居は風に書く文学ですから」
風が吹き抜けたかのような一言が素敵すぎる。芝居も人生も風なのかもしれない。その一瞬を楽しむこと。楽しんだ一瞬は思い出になって、永遠になること。その繰り返しで人は生きている。
「もらったものは捨てづらい もらった瞬間 もらったものは ものじゃなくなるような気がします」
「同じものを買っても…同じではない もらった瞬間 もらったものは お金では買えないものになる気がします」
「もらうはあげる あげるはもらう」
プレゼントはそのどちらでもあるんだという解釈が好き。別に「もの」じゃなくてもいい。あげるのは笑顔でもいい。落ち込んだ矢部さんに先輩が「笑おうよ!矢部くん!よかったよ!笑おう!誰かに!届くから!」と笑顔で励ます思い出もグッときた。
矢部さん、素敵なプレゼントをありがとう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホッコリした漫画だった。
矢部太郎さんは、本当にイラストエッセイの才能があると思う。
もらった、物、もの、感情、気持ち、挨拶、言葉、人からもらう、される、全てプレゼントで贈り物なのかも。
イヤな事をされても、言われても、辛い事があっても。 そこから学ぶ事があれば、それは贈り物になる。 -
矢部さんの漫画の魅力を「大家さんと僕」で味わった。本作もその魅力を楽しめそう。不覚にも他作品が出版されていたことを知らなかったので、過去作も含めて読みたい
#プレゼントでできている
#矢部太郎
24/3/27出版
#読書好きな人と繋がりたい
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#読みたい本
https://amzn.to/4cB1n1Q -
漫画で読みやすいし温かい気持ちになれる。プレゼントっていいものだ。
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すぐ読み終わってしまいました。
あまりかんがえずサラサラと読みすすめられ
それでいて ほぐれる感じ。
ゆるいタッチの あたたかな絵で
著者の日常や 今までの経験など
時々シニカルだったり さみしかったり 笑えたり。
「感動モノ!」「泣けるでしょ?」という感じがなく
ほどよく 力が抜けて とても読みやすかったです。
昔のテレビの話だったり
身内のお話があったり
著者やその周辺のコトを知らないとわからない部分もありますが そんなに気になりません。
おくりものにまつわる いろんなおはなし。
著者の 真面目な人柄が伝わってきますし
とっても良い本です。