- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103523314
作品紹介・あらすじ
ハンバーグ、すき焼き、マーブルクッキー……。家族を救った食の記憶。街中で小さなフレンチレストランを営む父母、そしてウェイトレスの娘。料理人として勤務する若き青年とその両親。2人の結婚が繫げる2つの家族は、背負う過去も、抱く未来も違う。けれども、いつもいつでも、受け継がれてきたレシピから産まれるお料理で絆を育んできた。救済と再生、そして美味しい魔法にみちみちた6つの物語。
感想・レビュー・書評
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カバーの料理の絵がめちゃ美味しそうで、瀧羽さんだし面白そうだなと読み始めたらまさに!でした。フレンチレストランを経営する両親を持つ真衣と母がバリバリのキャリアウーマンなので、父が家事全般を担っている両親の元で育った啓太のお話ですが、啓太や真衣だけではなく親からの目線の話を織り交ぜた6話の短編集です。
2つの家族が、子供達の結婚によって1つになっていく暖かいお話でした。 -
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さてさてさん
コメントありがとうございます。
瀧羽さん、初めて読みました。食べ物も美味しそうというかあったかそうでしたし、エピソードの入れ方...さてさてさん
コメントありがとうございます。
瀧羽さん、初めて読みました。食べ物も美味しそうというかあったかそうでしたし、エピソードの入れ方がよく、キャラクターのイメージや思考、過去などが実によく伝わってきました。
さてさてさんのレビューで予約しておいてよかったです。ありがとうございました。2022/11/06 -
shukawabestさん、私は瀧羽さん、六冊読みましたが、京都を舞台にしたシリーズやお仕事小説なんかもあってお気に入りの作家さんになりまし...shukawabestさん、私は瀧羽さん、六冊読みましたが、京都を舞台にしたシリーズやお仕事小説なんかもあってお気に入りの作家さんになりました。お書きになられている言葉の中の”あったかそう”というのが、さまざまな側面に見える作家さんだと思います。コンプリート目指して読み進めたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!2022/11/06 -
分かりました。僕も瀧羽さんの2冊目、少し間を空けて読もうと思います。青山美智子さんは、感動がグッと胸に押し寄せてくる感じですが、瀧羽さんは、...分かりました。僕も瀧羽さんの2冊目、少し間を空けて読もうと思います。青山美智子さんは、感動がグッと胸に押し寄せてくる感じですが、瀧羽さんは、日常や平凡な生活を送っている中で、家族や恋人に対する思いがスッと入ってくる感じです。新鮮な感覚でした。あと、本作では1人の人間の中に流れる「時間」、今と“あの時“を意識しました。昨日、いい時間を過ごすことができました。ありがとうございます。2022/11/06
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住宅街にある洋食屋さんを営む家族、そこに関わる人々を描いた心あたたまる連作短編。
二つの家族がすごく素敵で、とても穏やかな読書時間を過ごせた。美奈子さんにはたまにイラッとするけれど(電話の一本くらいしなよ)。
亜実ちゃんの「キッシュ、おいしかったねぇ」という台詞が、なんか好き。(味がわかるのと、気を使えるのと、両方かな。)この子が大きくなって、ここでみんなで過ごしているところを見たいなと思った。 -
【美味しい小説】
家族経営のこじんまりとしたレストランを舞台に、ふた家族の食にまつわるエピソードが、各章読み切りで最後は連結しています(^-^)
面白いのは、どちらの家族も男性が料理の主体なんですよね。
レストランのシェフをやってるお父さん。
お母さんと娘はフロア担当。
バリキャリのお母さんと、料理が得意で定時上がりのお父さん。その息子も料理人になります。
男性が主体で料理するのに、家庭の料理話になっていてタイトルが「うちのレシピ」っていうのが新鮮でした。
お父さんの誕生日に息子が作るコース料理、結婚式当日に駆けつけるお母さんに握った一口おにぎり。
娘の好きな人ができた記念に家族で囲むすき焼き、娘の心のケア中に作った小さめのハンバーグ。
いつものゴハンじゃなくて、ここぞの時のエピソードですが、愛情が滲んでるのが好ましい。
あっけらかんとしたお母さんだったり、ハキハキ明るい娘だったり、女性が陽のイメージに対して、男性は寡黙だったり気弱だったり不器用だったりと、ちょっと陰な感じですが、その人間同士の組み合わせがピッタリです。
シェフのお父さんがじぃじになってから、色々溜め込んで我慢してる愛孫のために、不器用なりに慰めようとお菓子作りをするのとか、リアルに職人気質なおじいちゃまとかでありそうなエピソードですね。
読んでいて、もりもりと食欲が湧く感じではないですが、誰かにゴハン作ってもらいたいなぁとか、美味しいって伝えたいなぁとか思わせてくれる小説です。 -
『ファミーユ・ド・トロワ』は、「三人家族」を表すフランス語。
啓太(けいた)が働くレストランの名前であり、真衣(まい)の実家でもある。
啓太、父・雪生(ゆきお)、母・美奈子(みなこ)
真衣、父・正造(しょうぞう)、母・芳江(よしえ)
二つの「三人家族」が結びついて広がっていくお話。
正造は、お店の名前から「ド・トロワ」を取った。
『午前四時のチョコレートケーキ』
(啓太の視点)
両家の顔合わせの日、約束の時間に母は現れなかった。いつだって仕事優先。
チョコレートケーキは美奈子の好物。
『真夏のすきやき』
(芳江の視点)
お嬢様だった芳江は、母親に束縛されていた。
若い恋を応援してくれたのはお料理の先生。
おめでたい日はすきやきにするのだ。
『雨あがりのミートソース』
(雪生の視点)
ちょっと変わった啓太の家族は、いかにして出来上がったか。
ミートソースは美奈子の唯一の得意料理。
『花婿のおにぎり』
(美奈子の視点)
美奈子、絶対に遅刻できない日に、海外出張帰りの飛行機が遅れた。
『コンソメスープとマーブルクッキー』
(正造の視点)
「ファミーユ」がどうやって出来上がったか。そして繋がってきたか。
正造さんの若い頃のお話は、朝ドラ「ひよっこ」を思い出す。
『ハンバーグの日』
(真衣の視点)
真衣は、大手の食品会社に就職して挫折した過去を持ち、まだ自分に自信が持てない。
ハンバーグは真衣の好物。
正造のハンバーグはどんなに辛い時も、心とお腹を満たしてくれた。
あたしのうちは、あたしたちのうちは、とてもおいしそうなにおいがする。
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おじいちゃんと孫娘が可愛すぎました。 -
ふと手に取ったら装丁がすてきで、イメージどおりのあたたかい雰囲気のお話だった。
ふたつの3人家族の父、母、子、それぞれの目線でそれぞれが生きた時代を行ったり来たり。最後が娘目線だったのがすごくよかった。
まだ年若いカップルの未来を覗けたり、お店の先代との出会いまで遡ったり、深みがあって楽しいお話だった。 -
家族経営の洋食屋で勤める青年がそこの娘さんと結婚することになった。
家族それぞれの思いや生き様を食べものの記憶とともに描いたハートフルな作品。
本当にドラマでも見ているかのような感覚で、スムーズに暖かくて安心して読みきることができた。
それぞれが同じ出来事にも感じ方が異なっていて、それぞれに越えていく生き様が素敵。
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おおっ、繋がってるんですね。
好みのお話。
ただ、真衣は苦手かな。 -
小さなレストランの家族にまつわる連作短編集。
一編読むごとに人間性に厚みが出てきて、読み終わるときには、こんなお店行きたいなぁ、こんな家族っていいなぁ、と思えました。