熟達論:人はいつまでも学び、成長できる

著者 :
  • 新潮社
4.30
  • (37)
  • (19)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 415
感想 : 33
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103552314

作品紹介・あらすじ

「走る哲学者」が半生をかけて考え抜き辿り着いた、人生を「極める」バイブル。基礎の習得から無我の境地まで、人間の成長には5つの段階がある。では、壁を越え、先に進むために必要なものは何か。自分をどう扱えばいいのか。「走る哲学者」が半生をかけて考え抜き、様々なジャンルの達人たちとの対話を重ねて辿り着いた方法論が一冊に。経験と考察が融合した現代の「五輪書」誕生!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 元400メートルハードルの選手である為末さんの本。
    著者のことはもちろん知っていたのですが、
    著者の本をちゃんと読むのはほぼ初めて。
    (「Unlearn」は読んだことあったけど、共著だし。)

    ※Unlearn 人生100年時代の新しい「学び」
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4296000535#comment

    この本は、著者の陸上競技人生の集大成と
    (自分が勝手に)名付けてもよいと思うくらいの
    素晴らしい本だった。

    主にはアスリートがある「運動」或いはある「競技」を
    マスターしていく過程を(できるだけ)言語化した本。
    "できるだけ"と書いたのは、そんなこと、
    本来、言語化できるものでもないから。
    ただ、そのプロセスを「遊・型・観・心・空」の五段階に分け、
    自分や自分がインタビューした
    様々なジャンルの人からの考えを元に、
    本にまとめています。

    まず最初の「遊」ってのがいい。
    人は難しいことなんて考えずに、
    遊んで知らぬ間に学んでいるよね、ってことと
    自分なりに解釈しましたが、まさにその通り。
    これはスポーツやっているからこそ出てくる感覚だな、、と。
    お勉強だけやってても中々出てこないセンス。
    (なんだけど、お勉強やってる人も
    まさに最初は遊んでいるはず。)

    そして、最後の「空」ってのは、
    自分なりにゾーンの境地のことかと解釈しましたが、
    やはり世界選手権でメダリストになるような人でも、
    ゾーンの境地に至ることはコントロールできないのか。。
    これが言語化出来たら、ノーベル賞モノだと思うのですが。。
    さらに、このレベルになると、
    「言葉にできない領域が出てくる」というのも興味深い。
    言語化には限界があって、その隙間を言葉で埋めるには、
    やはり限界があるってことでしょうか。
    まぁ自分はそんな境地には果てしなく遠く、
    単に言語化するのが面倒なだけなんですが。。

    ノウハウ・マニュアル本ではないので、
    即効性を求めるアスリートには向かないかもしれませんが、
    (大人は当然として)高校生くらいで
    プロを目指すような人には
    チャレンジする価値のある本ではないかと思います。

  • とことん自分と向き合って、競技と向き合ってきた方なんだろうなと尊敬する。
    いくつになっても学べるし、成長できるという自分に対してのワクワク感が生まれた。
    自分が今どの位置にいるのかも想像しながら読むことができた。

    考え方が深くて素晴らしかったです。

  • 歳とった時、若い時と同じように身体を使うのできなくなるが、頭を使うことはできる。為末さんが考える、学び続けることでの熟達とはなにかを知りたい

    #熟達論
    #人はいつまでも学び、成長できる
    #為末大
    23/7/13出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3NO5Kuz

  • 目標に直線な生き方が、苦しい理由がわかった。
    目標を捉えた気ままさ、遊ぶことが熟達の真髄。
    なりたい理想から目をそらさずに、
    でも同時に他の興味も止めない、
    これが楽しく道を極めるコツだと思えました。
    フラフラと人生、楽しみます。

  • 現代の五輪の書
    力を出せる時と出しきれない時や人の解説は目から鱗。これが海外のチームスポーツの練習のインテンシティの差。遊びから入る大切さは、学びごとから入る人との差に大きく影響する。

  • スポーツに限らず、およそ人間が自分の身体を「乗りこなして」こそはじめて極めることができる営みはいろいろある。アスリートの世界でいえば、オリンピックとはまさにこの熟達者の集まりであり、本書は、元オリンピアンである著者が、自身の熟達の道のりを振り返って、当事者(経験者)として、これまで個別に議論されることはあっても体系的に議論されることは少なかったかと思われる熟達の道筋を、5つの段階にわけて精緻な言語化によって定義した論考である。

    スポーツにハマったことがある読者としては、その精緻な言語化に唸らされた。

    自分の場合はそれがモーグルというスキーの中のニッチな競技だったわけだが、最初はただただ身体を動かすことが楽しく、やればやるほど上達する「遊び」だったのが、アスリートの真似をして、自己流で、ときに指導者につき、また孤独な自主練をつうじて「極めよう」とスキー場に通い詰めた一時期は間違いなく「熟達」の過程だった。

    本書の副題に「人はいつまでも学び、成長できる」とある。正直、本書を読んでも直接この言葉を後押しするような話は出てこなかった気がするのだが、それはともかかく、「熟達」といういとなみ自体が楽しくも哲学的な人間らしい「遊び」であり、それは年をとっても、いつでもできることだよな。最高に面白いよな、と。

  • これは、いい本だ。合気道にも通じている。中心をとるこれだよね。型もこれだよね。

  • 質問者のレベルを測ってそのレベルに合わせた回答をするために質問者に質問するようにしているという話に脱帽。いきなり極みを教えても届かんってことよな。

  • 東洋経済2023916掲載

全33件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2021年12月現在)。現在は執筆活動、会社経営を行なう。Deportare Partners代表。新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長。YouTube為末大学(Tamesue Academy)を運営。国連ユニタール親善大使。主な著作に『Winning Alone』(プレジデント社)、『走る哲学』(扶桑社新書)、『諦める力』(プレジデント社、小学館文庫プレジデントセレクト)など。

「2022年 『Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

為末大の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マシュー・サイド
リンダ グラット...
西野 亮廣
アンデシュ・ハン...
エーリッヒ・フロ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×