- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103601050
作品紹介・あらすじ
鴎外、漱石から川端、三島、向田邦子、開高健まで-24人の「舌」が選んだ、明治・大正・昭和の味。ミシュランにも負けない、文と食の達人「御用達の名店」徹底ガイド。
感想・レビュー・書評
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著者も断っているようにいわゆるグルメ本ではない。文人、文豪が愛した味、料理人を通じて彼らの実像や生き方の一端を覗く、という趣向。
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文学
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20171030読了
今度、松栄亭を訪ねる予定。 -
食へのこだわりは文士の必須条件ということか、となると完全にお呼びでないな、当方は。
高そうな店から庶民的な店まで色々紹介されとりますが、どこも移動は必要な場所ばかりな気が。
近所の小さい店みたいな場所が紹介されてるとより興味深いのだが、この発想はやはり凡人のものと言わざるを得ないか。 -
これからの文士は健康にも気を使った食事を。
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自動車を門に待たせて浜作に飲み食ふ客のけふもあふれり
坪内逍遙
食通の作家たちは、作品の細部でさりげなく料理や料理人、そして店をスケッチする。老舗洋食店、牛鍋やどじょう料理店、お好み焼き店等々。
シェークスピアの翻訳で知られる文豪坪内逍遙も、興に乗って歌を作った。「けふ(今日)」も客であふれていたのは、銀座の「浜作」。1928年、東京で初めてオープンキッチンを取り入れた、関西割烹料理店である。
タクシーを待たせて通うような人気店だったのだろう。現在も営業しており、名物はカレイの煮下ろしとか。坪内逍遙はじめ、菊池寛、谷崎潤一郎、志賀直哉、大仏次郎、吉行淳之介ら、文学史でおなじみの作家たちもひいきにしていた。コース料理だけではなく、カウンターで一品料理も味わえるそうだ。
同じ銀座に、ウナギ料理で知られる「竹葉亭」がある。ウナギ好きの歌人と言えば、斎藤茂吉。食卓にウナギがのぼると目の色を変え、戦時中も、大量に買い占めたウナギ缶詰で英気を養っていたという。
これまでに吾に食はれし鰻らは仏となりてかがよふらむか
斎藤茂吉
胃の中での成仏を歌にするほど、多くのウナギを食べたことがうかがえる。
ほか、川端康成と「銀座キャンドル」、池波正太郎と「資生堂パーラー」など、作家たちが通った24の料理店を紹介したグルメガイド「文士の舌」。主に昭和期の作家たちの交友関係も知ることができる。その店自慢の料理写真が、垂涎もの。
(2013年4月28日掲載) -
久しぶりに参加しました。グレードブックスライブラリーでは初めてです
が、照明も落ち着いていて、良い感じでした。
-------- Yes! iPhone -
「文人悪食」の姉妹編ですね。
しかし、登場する文士たちの個性と行動を、「食」を通しその作品に添わせて語る「嵐山節」・・。旨いです。 -
24人の舌が選んだ名店の味ガイド。単なるお店の紹介だけでなく、作家自身のエピソードが面白い。