- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103662020
感想・レビュー・書評
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西武の歴史に興味があり読んでみた。タイトルの「プリンスの墓標」というのは、東京プリンスホテルパークタワーが将軍家の墓であった場所に建てられた墓標にみえる、といったところから来ている。なんとなくは知っていた、軽井沢や箱根を堤家が開発してきた歴史を知ることができた。
ところで、堤義明氏がプリンスホテルで若手社員を集めて、気に入った女性がいるとスイーツに連れ込む、というエピソードが強烈だった。セクハラなんてのがない時代の話ですね。ひどい時代ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
堤一家とコクド・西武グループを批判する本かと思ったが、焦点は堤義明の常軌を逸した愚行に絞られてくる。
グループの資産とされて私用に使われていた邸宅が公園になり、その経緯を調べる内に教えられて読んだ本だが、あまりのことに呆れた。
西武グループの一般社員は災難だと思う一方、プリンスホテルなどを利用することにどうしても抵抗を感じてしまう。 -
本書は「西武グループ」の盛衰とその「一族内部の確執」を描いたものであるが、その内容は週刊誌ネタのような内容としか思えず、ちょっとがっかりする思いがした。
「西武セゾングループ」がバブル崩壊後の2001年に解体したことや、2005年に「西武グループ」に君臨した「堤義明」が逮捕され失脚したことは、当時マスコミを騒がしただけによく知られている。
このグループ経営者兄弟が複雑な家庭環境からくる確執を抱えていたこともよく知られた事実であるが、これらの事実を掘り起こして「怨念の家系」とする本書の切り口の読み味はよくない。
確かに西武企業グループ創業者の堤康次郎(1889~1964)は、裸一貫から巨大な企業グループを築き上げた個性的な経営者であり、その家庭の複雑さも知られてはいたが、明治・大正・昭和初期の日本の家族制度は、現在とは大分違う。裕福な企業人である堤康次郎が正妻以外に多くの妾と子をもっていても、当時としてはあまり違和感はなかったのではないかとも思える。
ただ、「堤一族」の場合は、その後の経済の高度成長の中で、三男の「義明」が西武グループの跡目を継ぎ、次男の「清二」がセゾングループを立ち上げるなどの多くのドラマがあったから、その異様な家庭環境に注目されることになったのではないだろうか。
ともあれ、本書は、これらの西武グループの盛衰を「ビジネスドラマ」としてではなく、「おどろおどろした一族内部の確執」という観点から掘り起こしているが、企業グループの盛衰をその家庭的視点のみで見ることはやはり偏っているのではないだろうかとも思えた。
本書は、読後に「醜い一族の家庭内の争い」を覗き見しているような思いを持ったという点で、あまり評価できないと思えた。
やはり「経済的破綻」の物語は、その内容に個人的個別的特殊性があったとしても、それを昇華させる考察や、ビジネスモデル検討等の考察がなければ、読んで面白みも納得もないのではないだろうか。 -
平成19年1月31日読了
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西武グループ・堤義明に興味ある人はどうぞ。