- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103668091
作品紹介・あらすじ
ペイ・デイ、給料日。それは、何があろうと、ほんのちょっとだけ、みんなが幸せになれる日-。双子の兄と妹は高校生。ちょっと不器用、でも誠実に生きている二人に訪れる、新しい出会い。別れ。恋。家族の問題。そして、大切な人の死…。ゆったりと美しいアメリカ南部を舞台に、様々な生が織り成されていく、堂々たる長編小説。
感想・レビュー・書評
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彼女の本は、当時流行っていたものは一通り読んだのだけど、どうしても好きになれなかった。
多分セックスとか平気で使われて書かれるあけすけな文章に、当時の私は
嫌悪感を覚えた、というところも大きかっただろう。
でもそれとは別に、なにか合わなかった。
ただ、合わない中でも唯一好きだったのがチューインガムで、これは文庫本まで買った。
あれを読んだときと、同じような気持ちになった。
今のために未来を台無しにしてはいけないけど、未来のために今を台無しにしてはいけない
とか(大抵は前半部分しか大人は言ってくれない)心にぐっとくる言葉もたくさんあって、
全然予想とおりじゃない展開に驚いた。
全般的に読んでいて幸せになれたし、現実感がわかない悲しみとか
いろんな感情とか、なぜかすごく馴染みのある感じだった。
ハーモニーが羨ましくて頭にくるし、愛らしい。
そして現実のいろんなものを直視しすぎて受け流すことができない。
冷静であろう、強くあろうとするけれど、それが仇になってしまったりする。
だからやっぱり、私はハーモニーが羨ましかったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大好き
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少なくとも、給料日には幸せになれる。
海外ドラマを見ているようなお話でした。
バラバラになっていた家族が、9.11同時多発テロでの母親の死で、ギクシャクしながらも再びまとまり、再生まではいかなくとも前を向いていく。
みんな幸せになるといい、と思いました。 -
アフリカ系父とイタリア系母をもつ米国の双子の兄妹の16~17歳(だっけ?)の頃の物語。親子関係や兄妹関係、恋愛関係のぐたぐた、ざわざわが描かれる。
また物語背景としては、序盤~中盤で911があり母を失うのだが、それも家族なり親子なりを見つめざる得ない状況となってしまう。
ティーンエイジャーが主人公であるがゆえ、未完成であり、活発であり、自己中心さをコントロールできない故の言動があり、それにより人間関係のぐたぐたがでてくるのである。本書の面白いところは、人間関係の複雑であり、単純であり、自己中であり、思慮深いといった一筋縄でいかない、そうゆうものであるととおもうのだが、そこに入りこめるかどうかである。会話の中には現実世界ではありえない「おまえは~~だから」とは「恋人とは~~というもの」のような心理・性格分析されたセリフ回しに、共感できるかどうかであろう。
日々の小事件のなかで、そんかめんどくさい会話がぐるぐるぐるぐるめぐるのである。人間をとてもよく観察している/できるものだな、すごいなと思います。
そういった読み応えは十分なのですが、ストーリー自体は弱いと感じるかな。そこ(物語性)に期待しちゃいけないです。 -
差別とか偏見とか。価値観とか。だったよね?(笑)
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16歳アメリカ人双子の兄妹が9.11同時多発テロで母親を失う。家族・恋人・友人の中で自分と向き合い、双子が成長していく話。
好きなことを好きと恥ずかしげも無く言えることが大人。昔振られた彼女のことを恥ずかしげも無く好きだったと言えることが過去の恋を乗り越えられたってこと。
この著者の作品は自分の心の中のモヤモヤしたことを言葉として表現してくれる。そこが素晴らしい。 -
いつの日かまた読みたい。
私がもっと年を重ねたら。 -
2001年9月11日からもう12年も経ってしまったけど、いまだに昨日のことのような衝撃がある。その事件を前提として知っていることがこの物語を読むカギになる。
あの事件をリアルタイムで目撃していた世代ではない世代がいつかこの本を読むときに、このことはとても大事なことのように思える。
愛と死。
「大切な人」との関わりについて、その「フィルター」によって再構築するということ。
2人の双子とその家族に対して描かれたこの物語では、それぞれの「事情」を通して、恋愛感情も家族への情愛もペットとの感情も愛情であることに変わりないということが記されている。
10年前の書籍だけれど、90年代に書かれたエッジの効いた文体に比べてかなり穏やかな描写になっていて、すんなり心に入ってきました。
一語一語が時にとても美しく、夏の一冊に選ばれてもおかしくないかもなぁと思いました。 -
女流作家の一番はやっぱり山田詠美だ!山田詠美の小説はすごく綺麗。女性的な清潔さがあって大好き。
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何年か前に読んだけど、9.11の心の傷をリアルに描いている。そして少し心温まる、そんな本だと思う。