駆けこみ交番

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103710066

感想・レビュー・書評

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  • 世田谷の不動前交番に配属された新米警察官の高木聖大巡査。

    地域のご隠居グループ「とどろきセブン」に可愛がられながら、成長していく物語。

    ・とどろきセブン
    ・サイコロ
    ・人生の放課後
    ・ワンワン詐欺

    4つの短編作からなり、とどろきセブンの秘密も。

    とどろきセブンのメンバーであるお年寄りの深みのあるキャラに、乃南さんらしさを感じました。

    最後は謎も全て解けて、読後感スッキリの作品でした。

  • 乃南アサさん、名前だけは聞いたことがありましたが、作品を読むのは初めてでした。ストーリーに色々な仕掛けがあり、面白かったです。

  • 「ボクの町」の続編。聖大くんが少しおまわりさんらしくなって活躍してます。

  • (収録作品)とどろきセブン/サイコロ/人生の放課後/ワンワン詐欺

  • 乃南アサの新米巡査シリーズ、第二弾。
    前作「ボクの街」に次いで、主人公・高木聖大が、今度は世田谷区等々力の交番に赴任。しかし、何とも平和な町。使命感に燃え始めていた聖大は、物足りなさを感じながら毎日を過ごす。
    そして登場する「とどろきセブン」。近所に住む7人の老人たちの集まりなんだけど、何故か彼らに気に入られてしまう聖大。そして、彼らは自分たちの特技を活かしながら互いに支えあってるわけだけど、全員、正義感を持っている。聖大に町の色んな情報を提供して行く。何だか、有川浩の、「三匹のおっさん」みたい!カッコいいおじいちゃん、おばあちゃんたちって良いね。
    今回は聖大がやっと大手柄をあげたり、憧れていた刑事の仕事の相方を体験出来たりと、彼なりの成長や心の変化が見られる。
    あれ、続編は無いのか!乃南さん、続きを是非書いてください!

  • 等々力交番に勤務する新米警察官、高木聖大の話。これ、「いつか陽のあたる場所で」に出てくる高木巡査だよね。
    というわけで、しらないで借りてきたけれども、脳内ではジャルジャルの福徳に変換されて読んでしまった^^

    大きな事件はないものの、さりげなくも、応援せずにいられない。
    特別変わったところがある訳じゃない、今どきの若者なのに、どうしてこんなに魅力的にうつるんでしょね。
    これがアサさんだなあ。
    続編がありそうなので、見つけてぜひ読みたいと思います。

    ちょっとやりすぎ?なとどろきセブンのメンバーだけど、文恵さんみたいな人生の放課後、ちょっと憧れます。

  • 駆け出しの新米おまわりさんであり、彼女募集中の高木くんと、魅力的で精力的、多彩な趣味をもつお年寄りのグループ「とどろきセブン」の、不思議にあたたかい交流にほっこりする。
    「とどろきセブン」の団結力、その中心である、彼らに助けられながら事件を解決する高木くん、交番の中の情緒不安定な先輩など、個性的なメンバーが活き活きと動くさまが小気味よい。今どきながらも芯はぶれていない高木くんを応援したくなるし、とどろきセブンのメンバーにもますます活躍してもらいたい!シリーズ化してほしい作品。

  • 前作『ぼくの街』の続編です。
    新米おまわりさんの高木聖大くん。
    大きな事件もなく道を聞かれて教えてあげたりと、もっぱらお年寄り子供相手の親切なおまわりさんに徹していました。そんな「おまわり」さんがそろそろさまになってきた頃のこと。真夜中の交番に駆け込んできた老婦人がきっかけで、たまたま指名手配犯を逮捕するというお手柄をたてます。

    いやあ、聖大くん、成長したね。
    大きな声でほめてあげたくなりました。
    張り切ってあこがれの職業についたのはいいけれど、
    その仕事内容によっては、想像していたのとは違うからと、
    簡単に辞めてしまう若者が多いから、ちょっと心配でした。

    小さな町の交番のおまわりさんは本当に町の住民のお世話係です。
    駐車違反や道案内、不審者注意や子供の補導、
    ざっと考えただけでもこれだけ浮かんできます。

    特に老人相手の家庭訪問などは、民政委員のやる仕事とも思えます。
    でも、これだけ町の人たちのために小さなことでも働いてあげれば、
    自然と親しまれ、信頼感も出てくるでしょう。

    大きな事件を追うばかりが警察の仕事ではありません。
    町の住民の安全を守るというのも大事な仕事ですね。
    高木聖大くんを通じて、
    作者の言いたいことがなんとなく、感じ取れました。

  • 続編だそうだが、前作は未読。それでもだいたいの前作紹介はあったので物語に入りやすかった。本当に交番勤務の警官って大変な仕事だ。高木聖大巡査は警官といえども普通の青年。彼女募集中で先輩にもうんざり。でも彼はとても頭がいい。想像力も豊かで好感がもてる。4つの短編は巧妙につながっている。ラストは微笑ましく読後感がほのぼのだった。このおまわりさん、どこかで会ったような気がしたのだが、解説を読んで気が付いた。「いつか陽のあたる場所で」に出てきた巡査だったのだ。読み返してみよう。

  • 聖大君頑張れ!交番に行くのが楽しみになりました。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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