- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103776055
作品紹介・あらすじ
「食」を語ることで、ひそやかに亡き妻を昔のことを記憶にとどめたい。文芸・映画評論の第一人者による「食エッセイ」の名品。
感想・レビュー・書評
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妻に先立たれ一人人生の晩年を過ごす。食を通じて思い出される過去。
「いまも、君を想う」に続くエッセイ集。ちょっとしたおつまみだったりありふれた食。それが時に過去を思い出させ一人涙に暮れることもある。
妻を亡くし一人食材を持て余しながら自炊したり外食する孤独な姿。思い出すのは妻や昔の仲間の思い出。
筆者の十八番の紀行も含めしんみりとした品のあるエッセイです。 -
このまえに川本三郎さんの『いまも、君を想う』を拝読しました。
その後の彼の心の変化を知りたいと思って、この本を…二時間ぐらいで読破しました。
この作品は、奥様の闘病中から、亡くなってしばらくの期間に書かれたものです。
周囲に奥様が癌だと気づかれないように、また奥様にもそんな重い癌であることが悟られないように。
いろいろ工夫した様子が見受けられます。
さて、内容ですが、私の利用する図書館では「料理」のカテゴリーでしたが、決してグルメとか蘊蓄のようなものでなく、ほんとうに素朴な食事と、それにかかわる思い出や関わった人のことが書かれています。
川本三郎さん、この段階ではまだまだ奥様への想いが強いと感じました。
この後出版されたエッセイで、あなたの立ち直りを期待しています。 -
食を語ることで妻を思い出すエッセイ
いい関係だったことが伝わってくる
このように妻に先立たれた夫がそのまま寂しさを本にすることは多いのに逆はあまりないような… -
川本三郎夫人の恵子さま、2008.6癌で早逝されました(享年57)「君のいない食卓」、2011.11発行です。亡き妻の料理、亡き妻と共に食べた食事を回顧する気持ちに心が揺さぶられます。また、このエッセイは、妻だけでなく母の料理、子供時代の食事をも含めた著者の「食」への思い出エッセイでもあると思います。妻を想う気持ちは、この作品の前年に出版された「いまも、君を想う」(2010.5)により強くうかがえます。一人旅の朝食、二段海苔弁当、三陸のホヤ、食堂のTVで相撲を見た子供時代・・・、私にも思い入れがありますw
川本三郎さんの「君のいない食卓」、2011.11発行、川本さんのエッセイは安心して読めて、そして心に響きますね!奥様の料理に思いを馳せつつ一人暮らしの食を語るこの作品「君のいない食卓」と「いまも、君を想う」の2冊、何度も読んでいます。東大法学部ご卒業とか・・・。東大法学部のイメージがかなり改善されました(^-^)(失礼しました <(_ _)> )
1944年生まれ、川本三郎さん「君のいない食卓」、2011.11発行。7歳年下の奥様は、2008年6月食道がんで早逝(享年57)。「いまも、君を想う」(2010.5)に続く亡き妻に捧げるエッセイです。妻を想う気持ちは、前作により強く表現されてますが、今作ではその思いが抑えられているがゆえに、著者の悲しみが胸を打ちます。沢山の美味しそうな料理が紹介されています。でも、二人で食べた食事に優るものはないのですね! -
食の記憶は大切にしたい。
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愛妻を亡くされた筆者の食べ歩き? 一人で呑む燗酒は、寂しく美味しくないと
そうだろうなと納得。行間から素敵な奥様だった事が偲ばれた。 -
596.04
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食のエッセイ。
全国を旅して、小さい居酒屋や駅前食堂に入って目立たないように過ごしていらして、他のグルメ本とは一線を画する。食べ物は訪れた土地を思い出させるよすがとなり、また亡くなった奥様やお母様、お世話になった先輩の思い出を浮き彫りにする。
食の喜びと一人の悲しみに満ちた、食のエッセイ。 -
以前室井滋さんがやっていた書評番組で紹介されていて、なんとなく気になってメモ書きしていた作品。
食べる、をテーマにしたものが読みたくなったのでここに登録。 -
食に関するエッセイ。
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前に読んだ「いまも、君を想う」の姉妹編。
苦手だった料理も少しは出来るようになった。
料理人の苦労もわかるようになる=小さく刻む
51 ホットドッグはすぐに日本に浸透。コカコーラは不評で、普及は東京オリンピックの前あたり
52 立派な旅館は一人客お断り、1980年代まで
70 海外取材の秘訣は美味しいものをスタッフと食べること
72 なまず料理、米は低所得者か黒人
120 谷川晃一、元フランス料理店コック。宮迫千鶴が元気なときも半分は料理していた
永井荷風「すっぽり飯は味気ない」
一人で食べる食事のこと
147 若桜の鯉料理、うまい -
妻を亡くした夫は、並べることのないテーブルの一角を眺めがら、どんな食事を摂るのだろうと、自虐的に読みはじめました・・。そのテーブルに並ぶのは、訪れた旅先の食の想い出。寂しくもあり、愛おしくもあり。食は思い出・・。いくらかの月日を経た人の言葉に重みを感じます。
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読み終えたら、妙に油揚げを食べたくなりました。
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食の思い出があることは豊かなことじゃないか、思い出すものがないことよりずっと。
そうだな。思い出すことは悲しい。でも、思い出があることは豊かだ。 -
奥様はじめ周りの人々への愛が感じられてとてもよかったです。食事に対する愛も。