- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103808091
感想・レビュー・書評
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本作品には初めて触れたが、江國香織の文章に漂う、生ぬるい、何かの食べ物の匂いがする空気感に身を浸しているのが心地良くて、何度も読み返したくなる。「ピクニック」「アレンテージョ」が好きだった。「短編小説を書くことは、いつも旅に似ています」と著者がコメントしているけれど、読んでいるこちらも短い旅をしている気分になれる一冊。
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風景描写が好きです。この本を読んでいるとわたしもこう感じているな、と気づくことができます。呼吸を思い出すように。
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1つだけ、夕顔っていう源氏物語の現代語訳(たぶん)が肌に合わず途中で読むのやめちゃったけど、全体的に面白い短編集だった
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夫を「そのほうがいいものに見える」という妻よ。
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六つの短編集。なんと言ったらいいのかな?
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短編集。犬とハモニカは、川端康成文学賞受賞。騒然とした空港にさまざまな人が降り立ってくる。この心模様を軽快なタッチで表現しています。
ピクニック、外で見るほうがあなたが見える。あらゆる動物は気配で自分の存在を主張するという彼女。ピクニックが好きな二人。風、芝生、自分という存在を意識するということ。なんかわかります。
アレンテージョ、ゲイの二人のポルトガルへの旅行。旅だね。独特の雰囲気、世界観が、読み手にも旅を感じさせます。 -
再読了。
6つのお話。
人はひとりでは寂しいから寄り添う相手を求めるけど 心はひとりを求めて孤独を求める。
それが心地よくて よく晴れた青空を見上げてる気分になれるから好き。
解説にある「短編小説を書くことは、いつも旅に似ていますます」
読み返す度に色を変える青空を見上げられて嬉しいです -
どろりとした感情をサラリと書くのですね。人との間に膜があるような奇妙な違和感。確かにそうなのかもしれない。乾いた空気の感じられる「アレンテージョ」が気に入りました。
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毛色の異なる6つの短編を収めた一冊。
川端康成文学賞を受賞。
表題作は、何の接点もない人たちが集まる空港が舞台。抱える事情は様々だが、たまたまそこに居合わせた人たちの、それぞれの姿をさらりと切り取っていて、その先が気になる。
全編ふんわりした雰囲気で通すのかと思いきや、ブラックな要素も。一見幸せで平和に見えるのに、ふとかいま見た女性の狂気にぞっとする男性の不甲斐なさも、なかなかおもしろかった。
源氏物語からの一編は、雑誌の企画で何人かの作家による現代版らしいが、これなら源氏も全巻読めるかも。