ライオンハート

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971030

作品紹介・あらすじ

それがどうして始まったのかは分からない。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか、手違いなのか。私たちは何度も出会っている。結ばれることはない。でも、離れた瞬間から、会う瞬間を待ち続けている-生まれる前も、死んだあとも。あなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。いつもいつも。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ。いつも、うれしかった。覚えていてね、わたしのライオンハート…。いま最も注目を集めている作家・恩田陸が贈る心に響くラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 時空を超えて何度も巡り合うエリザベスとエドワード。
    「異色のラブストーリー」という謳い文句ですが、少し違う角度で読みました。

    生涯独身を貫いたエリザベス一世。
    あのエリザベス一世の『完璧な魂への希求』の物語ではないかと。
    まるっきり読み違えているのかもしれません。
    そこは個人の解釈ということでお許しを。

    冒頭で語られるのは、ロンドン大学教授の失踪事件。
    この事件が、その後の5本の短編を繋ぎます。
    エリザベスとエドワードは、様々な時代、色々な場所で出会い
    年齢もバラバラで登場します。
    強く惹きあい、やっとの思いで出会い、すぐに別離の時を迎えます。

    あれ? と思ったのは、第四章「天球のハーモニー」を読んだ時。
    臨終間際のエリザベス一世は、夢の世界をさまよいます。
    その夢の中で彼女と語るのは、おそらく
    最初に登場したロンドン大学教授のエドワード。
    「まさかあなただとは思わなかった。ここが始まりだとは」
    この後、ふたりの会話から二つのことが判明します。
    エドワードとは、王位継承後、若くして亡くなった弟の名。
    さらに、物語の中で毎回手渡しされる 白いハンカチーフは
    弟・エドワードからの誕生日プレゼントだったということ。
    短編の中で度々登場する一角獣の紋章についても触れられます。
    その意味については、彼女自身が語ります。
    「魂は私だけのもの。肉体は滅びても、何者にも売り渡さない」

    エドワード教授はあることに気づきます。
    訪れるのはいつも彼女の方からで、自由に接触してくる。
    夢を見ているのは彼女の方で、自分は彼女の一部なのだと。
    この章の最後は、こう締めくくられています。
    「ひとつの王朝が終わりを告げ、ある一つの物語が始まった」

    教授は、姿を消す前に、家の管理人に頼みごとをします。
    エリザベスという人が訪ねてきたらハンカチーフを渡してほしいと。
    「教授は誰かに会いに行ったのだ」
    なぜか突然、記者のエリザベスにそんな考えが頭に浮かびます。

    「私はあなたの夢、エドワードになれてよかった。
    一瞬でも、私を夢見てくれたあなたを深く愛してしまったから」
    エリザベス一世の夢の中で、エドワードが語った言葉が、切ない!

  • 時間ものということで期待したけれど、舞台設定とストーリーが今ひとつ肌に合わず消化不良でした。

  • むずい。
    最初に、年代が書いてあるのでそれを見ながら、電卓で何年後?何年先?って考えながら読んだ。
    1章ごとに、エリザベス・ボウエンと、エドワード・ネイサンが出てきます。
    2人は時空を超えてひとときだけ出会える、運命の人。会いたい、会えたら嬉しい。
    でも、出会うまでは忘れてる。
    別れたらとてつもなく寂しい。

    しんどいよなーと思った。
    一瞬しが会えない運命の人、絶対別れる。
    けど,愛おしい。
    それは,とてつもなくしんどいわ。
    でも最後の「記憶」は少し救いがあったかもしれない。

  • 「読みづらかった」ってのが第一声かな。
    ただ、話的にはよくできてるし、第一章を読み終える頃には話の流れがわかった感じになりました。

    歴史に疎い私にはむずかしいけど、この作品を読み込めるようにもっと本を読まないといけないと思いました。

  • 雰囲気的には好みなのですが、ちょっと私には難解でした。
    エリザベス女王の時代背景を知ってたので、その章は理解しやすかった。

  •  時代を超えて巡り合う2人。
    長くは一緒にいられない切ない場面が多い中、それでも一緒にいられた時があると分かっただけで、救われた気がしました。
    歴史と相まっているので、現実とファンタジーの狭間を見ているようで、何とも言えない感覚でした。

  • 時代がアッチコッチ飛んで
    理解するのに時間がかかる
    なんとも切ない恋?

  • 時空越えプラトニックラブストーリー

  • 時空を超えたラブストーリー。 
    しかも憑依系?なのかな? 
    LOST的に言うとアンカーはハンカチ。 
    エドワードとエリザベス。 
    一応 輪廻の輪は閉じているのでしょう。 
    あぁ、ケイト・ブッシュのライオンハートの歌詞そのままなのね・・・

  • 「いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。」
    17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。
    時を越え、空間を越え、何度も出会い別れる男女の話。
    ファンタジー、異色の恋愛小説。
    結局なんだったのか、私には合わなかった。
    (図書館)

  • 私にはちょっと難しかったかな~
    ファンタジーな感じが苦手というか。

    絵から読み取る感じとか、魂がどうっていうのは好きなんですけど どうもストーリーに集中できずにいまいち最後までよく分からなかった感じです。。。

  • いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。いつもいつも。

    from E. to E. with love

  • 好みじゃない。
    このモチーフなら鈴木光司がオカルトに転ぶ前の作品にあったよね。あっちのが好き。
    どう、着地させるのかと最後までは読んだけど…。

  • ファンタジー。
    不思議な話。

  • 資料番号:010274983
    請求記号:F/オンダ

  • おもしろかった。タイムスリップ的な話かと思いきや、運命で結ばれた二人が幾度も生まれ変わりながらその度に様々な形で出会う話?

  • 面白かった。

  • 何だかふわふわとした夢の中のようなお話でした。

    輪廻転生のような、とてもロマンチックなお話です。

  • まあまあ面白かったように記憶している。

  • 私のライオンハートは見つかるのだろうか。

    以前読んだ時は理解しきれず、なんだこりゃーという感想を持っていたのでリベンジした結果、大好きな本が一冊増えました。
    人を愛する気持ちを理解できるようになったということなんでしょうかね。何度も何度も涙腺を刺激されました…
    一見悲恋のようですが、ラスト直前の章では救いも用意されていたし、エリザベスとエドワードの物語はこれからも続いていくと思いますので、今度どうなっていくかは分かりませんね。
    まだまだ未来は続いている、そんな希望のある終わり方が良かったと思います。

    そう言えばあとがきのメロドラマ云々のくだりが、まんま木曜組曲の台詞だったので笑いました。やっぱりひとりの人が書いてるんだなあ。

  • 恩田さんの作品の中でもなんだか好きな作品の1つ


    時を越えて、場所を越えて、しかもいつも会えるのはほんの一時だけっていうのが素敵。



    でも最後には添い遂げることができてよかったと思う。

  • 確か高校の図書室にて。
    出会えば別れてしまうのに出会う。
    とても切なかった記憶。

  • 読むまでは長いなぁと思ってたけど、序章半分からこの話がどう終わるのかがすごく気になって、夢中になって読めた。話としては、イヴァンチッツェの思い出、記憶がとってもおもしろい。救いがあるかなぁ。別離をはっきりと書いていないから。
    描写は春が好み。話はかなしいけど、「それは、この次会ったときに教えてあげるよ」って言う彼がすごくすきです。

  • 深く熱い愛の形。話の元となる絵画がついているので、文庫よりもハードカバーがおすすめ。

  • ロマンチックな恋愛本だった。長かった。

  • あまりよくわからないかな
    魂のかたわれ。

  • 何時も思うのだが、恩田陸の作品は、前半は凄く興味を惹かれる展開になるのだが、後半のまとめ方が納得行かない物が多いと思う。

  • 何度目かの再読。恩田さんの名前を初めて意識して読んだ作品だったりする。さすがストーリーテラー!て感じ。こういう相手に出逢ってみたいなぁ。
    一番初めに二人が出逢う、雨の中のシーンが好き。

  • 2001年9月25日読了。

  • 再読。
    J・フィニィ「ジェニーの肖像へのオマージュ。
    でもなぜエリザベス女王でなければいけなかったのかな。
    K・ブッシュの「ライオンハート」にインスパイアされてるから?

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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