沼地のある森を抜けて

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1375
感想 : 220
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104299058

感想・レビュー・書評

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  • 途中まではとてもおもしろかった
    が最後がよく分からなかった

    ん?ん?どうなったの?
    って感じでした

    でもぬか床やら、酵母やら、科学的な話もあるけど
    そんなに堅苦しくなく
    独創的だなーと思った

    自分の家族の秘密が分かっていく
    という話の流れは個人的に好きだし
    梨木さんの雰囲気らしく
    おもしろかったです

  • 梨木作品は大好きなのだが、この作品は自分には理解しきれなかった。
    序盤は割とすんなり読めたけど、途中から分からなくなった。
    また、この著者にしては珍しく、植物が話に絡まないため若干作風が違うように感じた。それも読みにくかった原因の一つだろう。
    いつか自分なりに整理したい作品。

  • うーん、何とも不思議なお話である。不思議なお話は好きなんだけど、どうも今回は入り込めなかった。ぬか床から玉子が出現して、そこから少年が生まれ出て…という冒頭からずっと違和感を引きずって読んでしまった。

    文章はきれいで、会話が生きている。何よりも登場人物が魅力的だ。風野さんという男性(と言っていいのか?)がちょっと他にない造型で実によい。でもなあ、途中に挿入されるファンタジー色の強いお話って必要なのかなあ。根元的な孤独っていうテーマにもすごく惹かれるだけに、読み終えた後もやもやが残ってしまった。

  • 久々に手を出した梨木作品。
    最後のほうが壮大すぎてちょっとついていけなかった。悔しいのでもう一度読みたい。

    どこか裏庭を髣髴とさせる世界観だ。
    家守~以降の会話文の書き方が好き。





    くみの言う『絶対的な孤独』のような感覚は誰しももつ可能性のあるものではないかと思う。
    けれど歳をとるにつれ現実的にそれと向き合うことを選んできている私にとって、子供のころに共感したそちらのほうへいく考え方がどこか遠く感じた。

  • 個人的になんだけど、
    生命について個体や集団のもつ遺伝子で説明しようという考えが好きじゃない。
    科学的にとらえてるつもりかもしれないけれどそれも一つの信仰でしょう、と。
    あと、遺伝子に目的や意図があるという考えもなんか違うと思う。
    (目的ではなくて、遺伝子のふるまいの結果ではないのでしょうか)

    そういう思想があるので
    読んでる間中違和感にさいなまれっぱなしでした。
    ぬか床に宿るものって発想はすっごく良いと思うのに・・・

  • ぬか床や秘伝のタレなどを、代々受け継いで家の味を守り・・という話はよく聞く。
    ぬか床は毎日かき回さなくちゃいけない、旅行にも持っていくとも。
    卵が発生したり、うめき声をあげたりする“ただならぬ”ぬか床を死んだ叔母から受け継いだ久美。
    この奇妙なぬか床を調べるうちに、叔母の死、両親の死に疑問を持つ。
    酵母菌の研究者である風野と共に、ぬか床のルーツを調べ始める。

    この作品を読んで、「命って何だろう?」と考えた。
    そもそも最初の命はどこからやってきたんだろうと考えた時に
    ある種の菌類やアメーバなどの原生生物に端を発し、
    今もなお、行動や思想などがそれらに支配されているのかも・・。
    フリオの言葉ではないが、
    「自分って、しっかり、これが自分って確信できる?」
    う〜ん、深いぞ、これは。
    梨木さんの小説は静謐で透明感があり、
    それでいて力強い生命力を感じることが多いのだが、
    この本はまさに、今にも躍動しそうな命のきらめきを感じた。

  • 5月28日

  • 「絶対的な孤独」の感覚に揺さぶられて泣き入る。孤独は、寂しい。途中で入る心象風景のようなストーリーは、まだ解釈しきれていない。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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