いちねんかん【しゃばけシリーズ第19弾】

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507276

作品紹介・あらすじ

ついに、病弱若だんなの後継ぎ修業が本格始動! 試練続きの一年の幕開けだ。江戸の大店長崎屋の主夫妻が旅に出かけ、父から店を託された若だんなは大張り切り。しかし、盗人に狙われたり、奉公人となった妖が騒ぎを起こしたり、相変わらずのてんやわんや。おまけに江戸に疫病が大流行! 長崎屋に疫病神と疫鬼が押しかけてくるし、若だんなは無事に長崎屋と皆を守れるの~? 波乱万丈なシリーズ最新刊。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えるのにかなりの時間が経った。
    若だんなが親の留守を守ってお店をやりくりする話
    いつもの如くどこででも寝込んでしまう。
    いやいや、寝込みすぎだわ。
    最後のお話は若だんなと妖が力を合わせて賊を退治する話。とてもワクワクドキドキして面白かった。

  • 「しゃばけ」シリーズ第…何弾かな?
    若だんなこと一太郎の両親、藤兵衛とおたえが突然、湯治に行くと言い出した。それも、あちこち回って一年ほどと言う。
    現代で言うと、リタイアを機に夫婦で豪華客船世界一周の旅…みたいな感じである。
    その間、一太郎が代理として店主を務めることになった。
    一年は長い。
    これまでに藤兵衛が病気をするエピソードなどがあって、一太郎はそろそろ店を継ぐのだろうなと読者も覚悟(?)を決めつつあるが、いよいよ予行演習の時がやってきた。
    病弱な一太郎でも店主を務められるやり方を見つけなさい、と藤兵衛。良い機会だ。

    あるじがいなくなった途端、雰囲気が変わる店、浮き足立つ大番頭、と非常事態にハラハラするが、若だんなはやがていつも通り、寝込みつつも頭を働かせ、問題を解決していく。
    今まで見えていなかった、店表の皆の働きぶりを見たり、あるじとしての大切な決断をしたり。
    一太郎の人間性偏差値の高さを感じさせる。

    「おにきたる」は疫病の話で、コロナ禍の真っ最中に合わせたようだが、これはイマイチだったかも。
    神々の力関係で強引に解決する話よりも、江戸の人間話の方が面白い。
    若者が軽い気持ちで犯罪に巻き込まれてしまう話は現代にも通じ、最後の大ピンチ、大立ち回りからの大団円という賑やかさもしゃばけらしくて楽しかった。

    いちねんかん/ほうこうにん/おにきたる/ともをえる/帰宅

    金次さんがいい味を出している。
    良い出汁出過ぎで、鶏がらスープのように煮込みたいくらい(笑)

  • 両親が湯治に行くことになり、一年間、店を預かることになった若旦那。
    そうね、そろそろ、そういう話になってもおかしくない。
    安定の面白さでした。

  • 若旦那の両親が、一年間湯治旅行へ。
    病弱な若旦那がお店を任される。
    今回は、みんながいるから無理しなくてもいいんだよと言われたような感じがしました。
    すぐに寝込んでしまう若旦那ですが、重要な場面では、ちゃんと指示を出してまとめます。

  • 「しゃばけ」シリーズ第十九弾。
    藤兵衛とおたえが別府へ湯治に行くことになった。それも一年間。
    その間、若だんなは店主の役目を任されることに!
    もちろん安穏であるはずはない。事件や騒動が巻き起こる。
    ・いちねんかん・・・父と母が旅立ち、今までとは違う日常と暮らし。
       様々な事で店主である父の役目と苦労を知る、若だんな。
       だが、新しい商品を提案したことが、事件を引き起こす。
    ・ほうこうにん・・・若だんなのために奉公人にされてしまった
       妖二人。そんな店に現れたいかさま師。だが、妖たちの
       連携の妙が冴える。特に屏風のぞきと金次の遣り取りが!
    ・おにきたる・・・疫病神と疫鬼が長崎屋の中庭で睨み合う。
         疫病の流行が原因だが、長崎屋の一大事でもあった。
         金次たち妖は神田明神へ。そこで会ったのは古き神。
    ・ともをえる・・・上方の薬種の大店の婿取り。江戸の大元締は
        若だんなに三人の中から選んでくれと頼む。それは、
        若だんな自身の器量も判断される事。誰を選ぶ?
    ・帰宅・・・始まりは、団子一本の話が押し込みの災いに。
        狙われたのは長崎屋。妖たちや若だんなは事前に罠を
        仕掛けたのだが、運悪く、仁吉と佐助が不在。
     両親の帰宅の目前、日限の親分と共に、剣呑な賊へ立ち向かう。
    突如始まった、跡継ぎ修業。
    一年間を無事に乗り切り、頼られる跡取りになりたい。しかし、
    万事平穏にはいかず、事件や騒動が若だんなに降りかかります。
    妖たちは相も変わらず。でも、若だんな自身の知恵は冴え渡ります。
    また、薬種問屋と廻船問屋の大番頭たちや奉公人たちとの語らい、
    茂助の仕事人の姿を垣間見たこと、江戸椿紀屋の大元締めや
    入り婿候補との出会いは、若だんなに良い影響を与えています。
    今回はピリッと引き締まった話が詰まっていて、
    ハラハラしながら楽しく、読めました。

  • 両親が遠方に湯治に出掛けた1年間
    お店を任された若だんなの奮闘記。
    勿論寝込むこともあるけれど
    甘やかし放題の父母がいないだけで
    こうもしっかりするものかと微笑ましく
    暮らしぶりを覗き見てたよな感覚。
    日限の親分は出てきたけれど
    栄吉やお兄さんなど馴染みの面子が出てこなくてちと淋しい。
    このシリーズもいつか最初からゆっくり読み返したいけれど
    タイトルだけでは順番がさっぱり掴めないので
    本当にいつか、いつの日かのお楽しみ。
    [図書館·初読·10月19日読了]

  • 「いちねんかん」急に両親が湯治に出て、若だんなが一年間も主人として任されるとは驚き。しかもとんでもないことが起きたのに、若だんなはきちんと解決するのだから天晴れ。なるほど町名主に迷惑をかけるわけにはいかない。江戸で商売するには欠かせない配慮なんだなぁ。

    「ほうこうにん」金次も屏風のぞきも奉公人になるなんて!でも貧乏神ならではの能力と、長年薬を飲ませてきた屏風のぞきは頼りになるなぁ。何より貧乏神の背中を押すよう若だんなが屏風のぞきを送り出す心に、ジンとした。屏風のぞきも情が深くて胸に迫る。
    金次や屏風のぞきの奉公人の経験は、いずれ明治に生かされるのだろうなぁ。

    「おにきたる」「帰宅」若だんなの胆力がすごい。

    「ともをえる」人を見る力も上に立つ者には必要なんだなぁと改めて。


    本作までの19冊に別冊も加え、読み進めるほどに、登場人物みんなに愛着が湧き、他の物語を読むのが楽しみになる。シリーズが長く続きますように。

  • しゃばけシリーズ19作目。
    砂糖菓子より若だんなに甘々な両親がなんと1年も長崎屋を不在にして九州へ湯治に出かけると言う。藤兵衛不在の1年間、若だんなは無事店を守り切れるのか…!
    突然商売の話に舵きりするのかと思いきや、若旦那は相変わらず寝込むし妖怪たちはドタバタしてるしで、いつものしゃばけシリーズでした。
    仁吉と佐助との話がかみ合わないのは2人が妖の者だからかと思ってたけど、同じ妖の金次と屏風覗きともかみ合ってなかったからただ単に2人がコミュニケーションに難ありなだけなのかもしれない。笑
    疫病の時事ネタも盛り込みつつ、1冊で1年あっという間に過ぎてしまった。
    一太郎ぼっちゃんは一体何歳になったんだろう。

  • 毎年恒例の若だんなシリーズです。

    ここ最近は、ちょっとマンネリ気味かな?と思わないこともなく、、、今年は、買いに行くのが遅くなりました。
    が、今年はなかなか面白かったです!

    若だんなもくよくよウジウジとループしてるだけじゃなく、初期のころみたいにがんばってて。兄やたちも適度に若だんなを守りつつ個性が出てたし。
    金次と屏風も新しい役を上手くやってます。

    いちねんかん
    ほうこうにん
    おにきたる
    ともをえる
    帰宅

  • ひたすら、若だんな、がんばれ!
    でした。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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