333のテッペン

著者 :
  • 新潮社
3.41
  • (17)
  • (46)
  • (61)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 344
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104525041

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  ああ、佐藤友哉だなあ、好きだなあこの感じ、と思いながら読んでいた。
     主人公は決して事件に深入りしようとしない。トリックだとか謎だとかにも興味を示さない。探偵役が解決の役割を担っても、事件のすべてが明かされるわけではない。それで終わってしまう。自身は決してふつうではないのに、いやだからこそ、ふつうであることの重み、大切さを説く。
     そのあたりの、斜に構えた感じが、ああわたしの好きな佐藤友哉の本だなあという冒頭の感想につながる。

  • 2010/12
    本編の外に壮大なお話を匂わせる、得意のパターンですね。
    伏線を回収するしないとかって話ではなく。。
    ストーリーというものい対する信頼

    ストーリーなんて所詮作り物でしょ、作れるんだよ。
    って背反する思いが読み取れて好きです。

  • 「素人の証拠だ」「月並みですが」

    ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

    それぞれ『StorySller』シリーズに掲載されている3作品と新たな話が加えられた全4話構成。

    殺人が起こる。謎が現れる。探偵が出てくる。犯人もいる。
    でも完全な謎解明はされません。
    『土江田』という男と、女子高校生(?)探偵の話です。
    舞台は333の東京タワー、444の東京ビッグサイト、555の東京駅、666の東京スカイツリー近辺。

    誰かがレビューで言っていたけど、これは謎解きを楽しむ物語ではないですね。
    謎に振り回される人たちを楽しむ話なのかな。
    物語なんて娯楽にすぎないから謎解きとか爽快感とかそんなものより見たいストーリーみせて楽しめる娯楽だろ的な。
    全体的にちょっと『普通じゃない』感(言ってしまえば厨二要素)が散りばめられています。

    『子供たち~』のすぐ後に読んだので、なんとなく神戸とかあの子の命日とか、牛男を探る子供たちと土江田が被ってしまいました。

    続編がでるなら絶対読む。

  • ストーリーセラーを読んでいたけど、あまり内容が入らなくて再読。
    続くものはやっぱりまとめて読んだほうが面白い。

    土江田さんが何者かわからないまま終わったので、また続きが出そうな気がする。年齢が一緒なので共感できるところが多かった。

    作者の佐藤友哉さんの写真がすごくイマドキでびっくりした!!

  • Story Sellerでは読んでいたけど、シリーズでまとめて読むとまた違った楽しみが。でも最後の666はちょっと物足りないかも。777、888、999と続いてほしいです。

  • 華麗な謎解きミステリーを狙って読んだら、見事に空振りした。でも、全部読んだら、納得した。別にこの本においてはそこが大事じゃないんだなと思った。いい話だとも思ったけど、いい話っていうだけで一概にかたづけられないテーマだと思うし、どちらかの視線に立つことが必ずしもいいこととは限らないような気もする。
    この人の本は、何か青臭いというか守られていることの幸せや未熟なパワーみたいなものを感じられて、好きだ。

  • story sellerを読んで続きが気になったので読了。おぞましい過去を持つ男である土江田と、事件現場に現れる女子高生の赤井の話。ミステリーベースなのは間違いないけど、ミステリーと言い切ることはできない中途半端さと、言葉遊びを交えた軽妙な文章がこの作品のウリかな。赤井ちゃんが可愛いです。結局、読み終わった後でも土江田の過去が分からないので、111でも777でもいいので続編希望。

  • 闇っぽい過去を匂わせつつも何をしたのか明らかにしないので、
    より想像が膨らむ。それが楽しい。
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-687.html

  • Story sellerに載っていたシリーズが書き下ろし一編加えて完結するらしかったので読んでみたり。

    わりと好きなシリーズだったから嬉しいかな。
    結局、土江田さんが過去に何をしてどうやって社会に復帰したのかはわからなかったのが残念。
    このシリーズ続けて欲しいんだけど無理かなぁ?

    作者さんが意外と格好良くてびっくりしました(笑)

    • tomoyoさん
      これ本屋で見つけて読んでみたいなぁって思ってたんだけど、シリーズもんなの?最初の作品ってどれやろか?
      これ本屋で見つけて読んでみたいなぁって思ってたんだけど、シリーズもんなの?最初の作品ってどれやろか?
      2011/05/25
  • 「ストーリー・セラー」で333と444を読んだら気になったので、図書館で借りてみました。
    結構ぐさぐさ刺さったなあ。
    彼は…あの、昔の事件の方がモデルだったのかしら。
    探偵さんがかわいかったので、もし同じ方が出てる本があったら読みたいなぁ。

著者プロフィール

1952年北海道釧路市生まれ。
1974年に北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒業(美学・美術史専攻)。1976年に北海道教育庁北海道新美術館建設準備室の学芸員、翌年には北海道立近代美術館学芸員となる。1985年北海道立旭川美術館学芸課長。1990年からは北海道立近代美術館に戻り、2004年同館学芸副館長。2012年から2022年まで札幌芸術の森美術館館長を務める。この間、それぞれの美術館で数多くの北海道ゆかりの作家の個展や現代美術展を企画開催。
現在、AICA国際美術評論家連盟会員、北海道芸術学会会員、北海道美術館学芸員研究協議会会員。また旭川市中原悌二郎賞、札幌市本郷新記念札幌彫刻賞、ニセコ町有島武郎青少年公募絵画展、北海道陶芸展などの審査員を務める。

「2023年 『北の美術の箱舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤友哉の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×