冷蔵庫を抱きしめて

著者 :
  • 新潮社
3.42
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本棚登録 : 804
感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104689064

感想・レビュー・書評

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  • あっさりした短編集。どの話も漫画で言う第一巻で終わってる感じで、サクサクと読む感じ。ほんのりポジティブな話が多くて良い。

  • 短編集にゃ
    短編集は軽くてあまり好きではないけどにゃ

    これは面白く最終話まで読んだにゃ
    四話目の『顔も見たくないのに』
    笑えてよかったにゃ

  • 荻原浩の世界がたっぷりつまった短編集。

    同棲相手のDVに苦しむ主婦がボクシングジムの門を叩くーー「ヒット・アンド・アウェイ」。
    拒食と過食を繰り返す新婚の主婦。それに気づいてくれたのはーー「冷蔵庫を抱きしめて」。
    自分とそっくりの男、いやもう一人の自分があちこちで好き勝手やってる。Facebookやtwitterの世界ではなく、本当のドッペルゲンガーなのかーー「アナザーフェイス」。
    別れれたはずの男が再び現れたのは、テレビの中だったーー「顔も見たくないのに」。
    マスクをしたらそこは別世界だった。そしてその別世界から帰れなくなってしまった男の顛末ーー「マスク」。
    新しい彼氏が部屋にやってくる。モノを捨てられない主人公が片付けの最中に思い出してしまった記憶ーー「カメレオンの地色」。
    思ったことが口から出てきてしまう。デパートの店員としては致命的な症状。彼がたどり着いた打開策とはーー「それは言わない約束でしょう」。
    結婚出来ないんじゃない、しないんだ。そう決めたはずなのに……「エンドロールは最後まで」。

    荻原浩ワールドは裏切らない。ハズレなしの短編集。

  • 少しのひずみから
    ほんの少しのひずみから
    人は取り返しのつかないところまでいってしまうのかもしれない。
    それでも立て直そうと取り直そうと人は足掻く。
    どんなに滑稽でも。
    それはもしかしたら明日の自分かもしれない。

    「ヒット・アンド・ウェイ」
    はすかっとした。
    人は誰でも変われる。少しの勇気で。
    この主人公はもうきっとDV男にひっかかることはないんだろうな。

    2015年
    新潮社
    新潮社装幀室

  • 8編の短編集。中ではちょっと怖いマスク依存から手放せなくなり生活まで崩壊する「マスク」。マスクをしていると表情がみられていないことに気が緩むから気持ちはわかります。
    仕事の傍らフェイスブックをしている営業の人が自分にそっくりな人がいると気が付いてその人と対峙する「アナザーフェイス」がよかった。怖いけど。

  • 悩みを抱える人たちの短編集。
    解決した者もあれば未解決の人も。
    すっきりできる話の方が好きですが、
    最後の話はイイ感じでした。

  • 直球な表紙にひかれました。
    短編集。
    第一話/DV夫との縁をおのれの拳で叩き切る若い母親、表題の第二話/摂食障害を新婚夫が受け止めてくれるスィートなお話 と来て、あ〜〜 予定調和? と思ったけれどどうしてもホンネが隠せずに開き直ったデパート店員とか、騙された挙げ句に突き抜けちゃった最終話のOLとか、どこか滑稽で スパイスも利いていてよかった。
    自分とどれだけ向き合えるか、だよねぇ...と思うことは、結構多いよね。

  • 闇の部分に目をつけたって感じの短編集。

    なんか、後味がスッキリしないな

  • オトナってせつない。女は強い。オトコは滑稽だな。

  •  帯曰く、現代人のライトだけど軽くはない心の病気にシニカルに真剣に迫る短編集、だそうな。テーマはともかく、荻原浩さんの短編集は見逃せない。

     「ヒット・アンド・アウェイ」。いきなり深刻なDVネタ。外で弱い男ほど家では威張る。誰もが幸乃のような行動に出られるわけではない。「冷蔵庫を抱きしめて」。結婚して暮らし始めたら、味の好みの違いが表面化。男は大抵濃い味が好き。しかし、歩み寄りも必要だし、何より夕食の準備をしてくれる妻への感謝は忘れないようにしたい。

     「アナザー・フェイス」。内容を書きにくい話だが、これは心の病気というより…あれですかね。主人公が食べ物ブログを生きがいにしているのは現代的か。「顔も見たくないのに」。振ったはずの昔の男を、頻繁に見かけるはめになったメンクイの女性。そりゃ苦痛だろうけど自業自得という気も。結局、彼女の気持ちはどうなの?

     「マスク」。風邪の季節から花粉症の季節と、日本人はマスクが手放せない。しかし、マスクで覆われた裏の心理とは…。これは天職かもしれない。「カメレオンの地色」。片付けが苦手な僕は、彼女に大いに共感したが、目立たないように生きてきたところには多くの人が共感できるのではないか。自分らしく生きるって何だ。

     「それは言わない約束でしょう」。思ったことをすべて口に出したら、人間関係が破綻するだろう。この彼のように。彼が導いた結論は…開き直りかよ。「エンドロールは最後まで」。地元を出た姉と、残った妹。妹の結婚、出産を機に、立場は逆転した。結婚はすまいと決断したはずなのに…。結局は縁ということかな。

     最初の1編が深刻だったので、2編目以降も覚悟していたが、そこは荻原浩だけに、適度に軽妙な筆致はさすがだった。やはり荻原作品は安定感がある。ガツンとした読み応えこそないが、時にはこういうのを読んでリラックスしたいものである。

     毎日何らかのストレスと戦う現代人に、是非お薦めしたい。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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