おんなのじかん

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104725038

作品紹介・あらすじ

女性の身体にまつわるタブーよ、くたばれ! 私たちはもっと自由になれる。だれかの物差しはもういらない。不妊治療も、流産も、ほとばしる推しへの愛も。今こそ、軽やかに臆さずに気の向くまま語ろう。私たちは「自分の言葉」を持っている。最高で最強のみんなたちへ贈る、本音炸裂のご機嫌エッセイ。第1回PEPジャーナリズム大賞オピニオン部門受賞「流産あるあるすごく言いたい」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 二か月半前に吉川トリコさんの小説
    『余命一年、男をかう』を読みました。
    今回エッセイを読んで、小説の何十倍も面白かったと思いました。

    あ、前にもこんなことが。
    又吉直樹さんの『夜を乗り越える』を読んだ時
    『火花』の何十倍も面白かったのでした。

    私自身が小説よりエッセイ好きということか。
    それとも本当に二人とも小説よりエッセイが上手いのか。
    あるいは誰でも、小説よりエッセイの出来が良いのか。

    あとがきで吉川トリコさんはこう言います。
    「エッセイの依頼というのは売れている小説家にしかこないもので、さらにはエッセイが一冊にまとまるなんて超売れっ子の小説家にしか許されないことだとばかり思っていたが」

    確かに自分の本棚を見ると、芸能人スポーツ選手等有名人は別として、小説家は本業で実績を上げている人ばかり。
    ということは、エッセイストとしての才能はありながら
    小説家として目立たないために素晴らしいエッセイを世に出すことなく消えていった小説家もたくさんいるのかな…。
    今はネットがあってド素人の声も届く時代だから
    編集の皆さんが頑張って発掘して良いエッセイを出版したらいいのかも。
    しかし、そんな無名な人のエッセイを読むかな…?私…。

    この『おんなのじかん』は『余命一年、男をかう』に比べて共感する部分がとても多かったです。
    また流産と不妊治療も意外に周囲にいて
    彼女たちぼそっともらしてくるんだけど、
    どんな反応していいかわからず
    「ふうん」と言って終わりでした。
    赤裸々に描いてもらい、勉強になりました。
    (ちなみに、私のまわりで不妊治療で出産という話は聞いたことがないけど、流産後無事出産は複数きいています)

  • 第1回PEPジャーナリズム大賞、愛知の2人に 藤井誠二さん、吉川トリコさん:中日新聞Web(会員記事)
    https://www.chunichi.co.jp/article/311085

    おんなのじかん | 吉川トリコ | 連載一覧 | 考える人| シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。知の楽しみにあふれたWebマガジン。 | 新潮社
    https://kangaeruhito.jp/articlecat/onnanojikan

    おんなのじかん 吉川 トリコ(著/文) - 新潮社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784104725038

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      女性の“当たり前”解き放つ 作家・吉川トリコさん初エッセー集:中日新聞Web(会員記事)
      https://www.chunichi.co.j...
      女性の“当たり前”解き放つ 作家・吉川トリコさん初エッセー集:中日新聞Web(会員記事)
      https://www.chunichi.co.jp/article/340265
      2021/10/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      障害者の“ギャグ”はアウトですか?偏見を吹き飛ばす「笑い」の力|吉川トリコさんインタビュー | 女子SPA!
      https://joshi-s...
      障害者の“ギャグ”はアウトですか?偏見を吹き飛ばす「笑い」の力|吉川トリコさんインタビュー | 女子SPA!
      https://joshi-spa.jp/1121655
      2021/11/17
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      『おんなのじかん』吉川トリコ著(新潮社) 1650円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース : 読売新聞オンライン
      ...
      『おんなのじかん』吉川トリコ著(新潮社) 1650円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース : 読売新聞オンライン
      https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20211213-OYT8T50125/
      2021/12/18
  • どこかで読んだことのあるような文章、と思ったら『マリー•アントワネットの日記』の方でした。

    女性にまとわりつく固定観念や呪縛など、客観的かつ堂々たる当事者としてあれやこれや書かれているので、あるあるだわ〜と思うことしきり。

    ただ、私はサブカルなどに興味や接点を持たずに生きてきたせいか、吉川さんの言い回しや表現がどうにも肌に馴染んでこないことがあるのが残念だった。そこが吉川さんの本の面白いところでもあるのに!

    『こうして俺は父になる(のか)』を読んだ時のような、ふーん、今はこういう風に書くのがいいのか。
    なんというか、読むのに疲れる。
    もっと普通な文章で書くんじゃだめなのか、のような。

    はい、分かっています。
    個人的な感想であって、何かを否定するつもりはありません。

  • ほぼ同世代。わかる〜っていう部分と、さすが!という部分。常識的なとこ、とがったとこ。面白かった!

  • 「おんな」をテーマにしたエッセイ。
    「私たちはもっと自由になれる」と書いてあるが、すごく親とか女とか出産とかに囚われている印象を受けた。
    また、著者の吉川トリコさん、感覚がとても若い。第三者なのにEXILEグループ?の話がたくさん出てきたり、芸能人の話が出てくるとそこで少し引いてしまった私…。誰かと似ている、と思ったら林真理子さんだ。ダイエットや高級ブランド服の話が出てくるのだが、やはりある程度歳を重ねた女性のエッセイでは話題になることが多いのかな。

  • おもしろかった。ご本人もあとがきでおっしゃっているが、タイムリーな話題や言葉づかいがたくさん出てくるので、後から今の価値観を知るのにとても参考になると思う。というか女性にまつわる自由な考え方はいつまでも「古っ!」にならないでほしい。

  • タイトルと表紙の印象から、ジェンダー観強めのエッセイかな、と思いましたが、そんなことは全然なく、様々な価値観に触れたり、時には自分の価値観を主張したり、とても興味深くおもしろかったです。
    作中に出てくる、著者が影響を受けた作品に触れてみたい、と思いました。
    他の作品も読んでみたいです。

  • 普段ほとんどエッセイを読まないのですが私の好きな漫画家さんがTwitterで話題にされていたので読んでみたら、面白くてあっという間に読み終わりました。不妊治療などにおける女性特有の葛藤や、世間のここが変だなというところ、日常でのもやもやなど、ばっさり辛口で突っ込んでくれていて痛快でした。短編だからちょっとした隙間時間に読めます。ただ世代がちょっとズレているからか時事ネタ流行ネタなど正直、なにいってるのか分からないところもあったのが残念。出来れば注釈をつけてほしかったです。あとがきの「思っちゃいけないことなんて、ほんとうはひとつもないはずなのだ。」という一説が心に残りました。

  • いやー、痛快でした。
    自分の中で解決しないモヤモヤした思いを吉川トリコさんが
    活字にしてくださって。
    きれいに晴れ渡った青空に
    スコーンと上がったホームランボールを見上げるような
    そんな気持ち良さを感じさせるエッセイ。
    でも「これで卒業」は、不妊治療をやめると決断した吉川さんのさみしさが伝わってきて涙を誘う。
    〈諦めないことより諦めることのほうがずっと難しい〉
    この先も読みますよ。

  • 「マリー・アントワネットの日記」で知った吉川トリコさんのエッセイ。
    おしゃべりな文体と称されているように、賑やかで軽快な文章で読みやすく面白かった。
    やおい者(腐女子)だったり、ときメモGSでサマーヌードのような夏を体験したり、
    片親、毒親育ちだったりと共感出来るエピソードが多かった。
    また、吉川トリコさんのエッセイが読んでみたいです。

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著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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