- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105393038
感想・レビュー・書評
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すばらしい。
「フェルマーの最終定理」「暗号解読」を、
超えた作品なのではないだろうか。
人間の知には限界がなく、
先達の巨人の肩に別の巨人が乗り、
さらなる高みを目指す。
他の書物で読めば、
おそらくうまく理解できなかったであろう、
天文学的、物理学的理論とその流れも、
ていねいに読めばサイモン・シンは理解させてくれる。
人の好奇心と知識欲の到達点である科学のすばらしさ。
読まずに死ぬ事がなくてよかった、
と思わせる 1 冊。
下巻もすぐに読もう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段、上下巻ものはまとめて下巻でレビューするのですが、本書は本当に素晴らしいので各巻に分けて書きます。下巻は現在拝読中。
さて、ワシもレビューを書いている「フェルマーの最終定理」「暗号解読」で一躍名を挙げたサイエンスジャーナリストによる最新刊は、宇宙創生に関わる人類の想像と証明の記録でした。
相変わらず分かりやすい文章構成と素晴らしい和訳(原著が読めないので比較はできませんがとにかく読みやすい)です。
上巻では、古代から近代まで、人は宇宙をどのように規定してきたかが書かれているのですが、これが単純な科学史としても非常に読み応えのある内容です。想像、発見、検証、証明。その線上に今の我々の宇宙観があるんだな、ってことが見て取れます。
所々挿入される、いろんな人たちの台詞(いわゆる名言)も効果的に使われていて、よくこんなの調べて持ってこられるよなぁ……と感心しきりです。
(2007年読了) -
分かりやすい。
丁寧に面白く書かれているので相対性理論やビッグバンが分かったような気になる。
科学者にも個性や思いや葛藤があったんだよなー -
読了2010/09/11
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『フェルマーの最終定理』と『暗号解読』という2冊のとても魅力的な本を書いたサイモン・シンの最新作。今度はビッグバン宇宙論という意外にも非常に王道のテーマに来ました。
上巻では、アテネ文明時代の宇宙像から始まって、コペルニクス/ケプラー/ガリレオ・ガリレイらによる天動説から地動説のドラマ、そしていよいよアインシュタインの一般相対性理論の完成を通して、いよいよビッグバン理論が芽生えたところまでが描かれています。
「科学」の仮説と検証による進化と、世代交代によるパラダイムシフトという歴史が非常に明快に分かります (各章のまとめもとても親切)。
サイモン・シンのいいところは何よりも読者を惹き付ける語り口でしょう。訳者もいいのかな。非常に分かりやすく、また登場する人物が生き生きしています。科学と事実に対する誠実さもとても好感度大。『不思議の国のトムキンス』やらホーキングやら何やらで、大体の大筋は知っていることなんだけれども、そんなことは関係なく面白いですね。
ということで、一気に下巻に進みました。 -
今回は3度目。大好き。
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さすがサイモン・シン様!「フェルマーの最終定理」で彼のファンになったものの、数学モノ以外は微妙だなぁ、なんて半信半疑で読んでみた。ものの見事に感動させられた。とにかく分かりやすい。かなり難しい内容なはずなんだが、これがまた分かりやすい。丁寧な解説というよりも分かりやすい解説といった感じ。また流れがスムーズなため、難しい内容が次から次へと出てきても何かすんなり読めてしまう。
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宇宙を知るぬ者ほど、宇宙をたやすく語れる。
これを読んでる最中震えがとまらなかった。
絶対に一言では表せない、天文学者達の何世紀にも及ぶ苦悩と勇気と好奇心の連続。空想科学読本の100万倍感動できる。 -
宇宙とはどのようにできたのだろうか。
古代より人間が考えてきたこの神秘的とも言える命題を歴史を追いながら解説していく本。
多くの人が宇宙に関して、それぞれの哲学をもちながら思考した結果、現在の宇宙理論ができているのだということが壮大なスケールで書かれている。
専門でなくても丁寧に解説されているので非常に楽しく読めます。
宇宙論などを勉強したいと考えてる高校生、専門にしてる大学1年生にはモチベーションを上げるのに最適だと思います。
上巻は古代アリストテレス〜ハッブルの赤方偏移からビッグバン理論の発生まで。
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『フェルマーの最終定理』の著者による、古代から現代に至る宇宙論の歴史を、天文学者の苦悩、宗教との関係などの逸話をまじえつつ 簡潔かつ丁寧に解きほぐす。
それにしても現在主流のビッグバン説にしても完全では無いし、ビッグバン以前や、宇宙の終焉の過程など、まだまだ分かっていないことが多いのだなと改めて思った。