- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105445010
感想・レビュー・書評
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明治大学政治経済学部のアメリカ人先生(比較文化・比較文学)による、アメリカ語ネイティブから見た日本のアメリカ語事情に関するエッセイ集。
著者が直接日本語で書いている本だと思うけど、まず、日本人が書くのよりも微妙に鋭い筆運びが面白い。
「…のを見ると殴りたくなる」、「ブッシュ(子)のアホ度」などの直截的な表現のほか、ゴマカシ、デタラメ、阿呆らしい、ガサツだなど、ナマっぽいというか、日本人だったらこうは書かないのではないかと思われる単語がけっこう目に入るのである。
これだけ書ける人なら日本語の習熟度の問題とは違うだろうし、この一種特徴ある文体に、まずアメリカ的なものを感じる。
本の内容は、日本で見られる報道、文学、映画や日頃の生活の中に横行している“ヘンなアメリカ語(やその訳文)”を、
「CAN YOU CELEBLATE」という歌のタイトルがとても気持ち悪い、
中学英語教科書がこんなだったらアメリカ語嫌いにもなる、
高見浩という翻訳家(「ハンニバル」シリーズなどを訳した)がとてもいい、原作のココロをよく汲み取れる訳者がようやく出てきた、
…という具合に、ヤリ玉に上げたり誉めたりするものである。
日本語とアメリカ語の間には深くて暗い河が横たわっているのよ…という話ではあるが、結局言葉というのは社会的な背景や個人の生活背景と不可分なものであり、なかなか通じ合わせることができないのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マラソンが俺にチャレンジ、の話や変な誤訳、英語教科書の話など。この先生が「ロイヤル英文法」の共著者の一人だと気づいてびっくりしたけど、それによって書いてある内容に説得力が増したし、真剣にニホンの英語教育を考えるからこその発言なんだなと思った。