クマグスの森―南方熊楠の見た宇宙 (とんぼの本)

著者 :
制作 : ワタリウム美術館 
  • 新潮社
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本棚登録 : 139
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106021657

作品紹介・あらすじ

冬の山中、腰巻一丁で煙草をふかす。この怪しげな男こそ、紀州和歌山が生んだ先駆的エコロジスト、南方熊楠(一八六七‐一九四一)。和歌山県田辺市近郊の林の中で撮影された熊楠42歳の姿である。博物学者として、また生物学者、民俗学者として広く知られる熊楠にとって、研究対象は粘菌、キノコ、藻、昆虫から男色、刺青、性、夢まで、この世あの世のすべて。世界を放浪、原生林を駈け巡り、果て無き大宇宙の謎を追い、森羅万象の本質に迫るため、生涯その目で見たままを詳細に記述しまくった。本書は、奇才が遺した膨大で不思議な資料を大公開。その頭脳と心の森に踏み込み、最新の研究に基づく熊楠像を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 南方熊楠の入門書として、読みやすくわかりやすい本だと思います。

  • 写真をふんだんに盛り込んだ南方熊楠の入門書。彼の奥深い思想の入口に触れることができる。
    世間の常識とはかけ離れた行動の数々、生涯実家からの仕送りに頼っていた在野の研究者。公的権威との軋轢はあったものの、南方のような存在が受け入れられた明治の時代は幸せだったのかも。資本主義の原理とセクショナリズムが覆いつくした現代日本では、彼のような存在が受け入れられる余地は無いように感じた。

  •  「生命論パラダイム」「自己組織化」的な文脈の話のなかで南方熊楠の名前をきいた。全く知らなかったので本書を手にとって見た。他の書籍と比べると、写真が圧倒的に多く迫力がある。当人の活動の幅や深さを体感できるところに本書の良さがある。

  • 松居竜五 著「クマグスの森 南方熊楠の見た宇宙」、2007.11発行。和歌山~東京~アメリカ~キューバ~イギリス~那智~田辺。博物学者、生物学者、民俗学者、南方熊楠。表紙は42歳の時の写真です。夢の記録、そして女性器の図に至るまで、正確さに対する執念、詳細に記録されています。自分の目に映る森羅万象を、生涯をかけて記録し続けた人物。熊楠が残した諸記録が紹介されています。

  • ☆熊楠の資料は整理・活用されているのか。

  • 今年は南方熊楠生誕150年にあたるらしい。奥深い思考の世界、2月の和歌山訪問までに別の一冊も読み進めたい。

  • 時は19世紀末、あの南方熊楠が留学先のロンドンにて名探偵となる!!見た目や生活は豪胆で豪放、シャーロック・ホームズのようなスマートさは微塵もないが、“黄色い頭脳”と呼ばれたその博学ぶりで、不気味な事件を次々と解決していく・・・もちろんフィクションだが、熊楠本人の記した『ロンドン日記』も時々登場し、物語を支える。

  • 博物館のようなカフェと古本屋さんでみつけた一冊。

    熊楠さんってすごくすごく好奇心旺盛!

    おまけに興味の対象が、すこし似ています…。

    粘菌かわいい。

  • 南方熊楠の入門書として。

  • 南方熊楠の概説。
    深くて広すぎる、熊楠。どこに興味もつかはそれぞれ。
    豊富な写真と丁寧な解説で、とっかかりに。

    from tanabe,Kii.JAPAN.

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著者プロフィール

1964年、京都府生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。論文博士(学術)。東京大学教養学部留学生担当講師、ケンブリッジ大学客員研究員等を経て、現在、龍谷大学国際学部教授。南方熊楠顕彰会理事、日本国際文化学会常任理事、熊楠関西研究会事務局。
著書に『南方熊楠  一切智の夢』(朝日新聞社)、『達人たちの大英博物館』(共著、講談社選書メチエ)、『南方熊楠大事典』(共編共著、勉誠出版)など、訳書に『南方熊楠英文論考[ネイチャー]誌篇』(共訳、集英社)、『南方熊楠英文論考[ノーツ アンド クエリーズ]誌篇』(共訳、集英社)がある。

「2016年 『南方熊楠 ――複眼の学問構想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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