- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106022685
作品紹介・あらすじ
江戸の情緒を描きつつ、驚くほどモダン。こんなデザイナーがいたなんて! 大正~昭和初期にかけて、多彩な分野で活躍した意匠家セッタイ。彼が手がけた華麗な装幀本ほか、挿絵、舞台美術、日本画など全151点を、一挙掲載! 繊細かつ大胆な独自のデザイン感覚で、泉鏡花などの文学者にも愛された天才の全貌に迫ります。貴重資料や味わい深い名随筆も特別収録、ファン待望の1冊。
感想・レビュー・書評
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小村雪岱を初めて知るものにとって、多岐にわたる仕事をバランスよく取り上げてサクッと教えてくれる好著です。紹介された、お高祖頭巾の女性や闇夜に駆ける筵で姿を隠す女性のふくらはぎ、刺青を入れるお傳のうなじなどは、パーツからはっとするような色気が放たれ鮮烈です。いわゆる「雪岱調」でしょうか。いいですね。浮世絵の流れを継ぎながら、要素を削ぎ落とし、レトロだけどモダンです。挿絵ですが、それだけで物語の世界を感じさせる力がありました。ちょうど、年明けに三井記念美術館で雪岱が見れそうです。行かないと。
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図書館の美術の棚でそういえば今展示会やってるって情報があったなと手にした。埼玉近代美術館のショップで、観覧したばかりの現代アートとは全然関係ないけれど気に入って買った『青柳』のクリアファイル破れちゃったし、そもそも雪岱ってどういう人なんだろうと今更ながらの興味。
本書は小村雪岱本人の随筆などを挟みながら作品を載せている。泉鏡花作品の装幀や資生堂意匠部のデザイン部所属やら映画や歌舞伎の舞台装置、新聞小説の挿絵など幅広い活躍ぶりのスゴイ人だった。掲載の『春告鳥』に見覚えが、と思ったら木内昇の『漂砂のうたう』の装幀だ!と気が付いて相乗効果を今頃知ってちょっと悔しい私。。。本書の作者として原田治さんの名前もあった。オサムグッズ好きだったな~ -
0024
この絵を使った展示のポスターを見て小村雪岱のことを知り、本を買った。
挿絵から装丁、資生堂書体など興味あることばかり…何で今まで知らなかったんだろう…。
すごいデザイン性の高い絵を描く。
随筆集も読んでみたい。
様々な仕事をしてる人だが、
「私には他の仕事が絵の方の参考になつたといふ経験がないのである。」
ということに驚いた。
「若しその二つに共通のものがあつたとすれば、それは結局それらが同じく私の仕事だからなのではなからうかと思ふ。」
あくまでも仕事は仕事だよね〜! -
大正の元祖名デザイナー雪岱。泉鏡花の「日本橋」の日本橋を蝶が舞う素晴らしい装丁でデビューを飾った(この人と鏑木清方、橋口五葉、鰭崎英朋を私は勝手に「鏡花装丁(挿絵)四天王」と呼んでいる)。帯によると「挿絵、舞台美術、日本画まで全151点収録」とのことだが鏡花についての随筆も二篇収録されており、コラムも充実した良書だった。雪岱は資生堂で化粧品のデザインを手掛けていたこともあり、その意匠は垢抜けていてシック(粋)だ。傘の群れの絵は今見ても本当に圧倒される。デザインに興味がある方は一度雪岱の意匠を見てほしい。
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割と鏡花メインで嬉しかったです。
この機会に実物が拝見できればと思います。
この機会に実物が拝見できればと思います。