- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106035043
作品紹介・あらすじ
日本語には、この国の風土を考える「鍵」がある-。漢字の驚くべき力、「感じる」言葉と「見る」言葉、カタカナ語の不思議、そして島国独特の高度な適応力と外国観…。国語教育の問題から英語第二公用語論、さらには対米戦略まで、日本語を愛してやまぬ碩学三人が、日本の将来像を深く真剣に語り合った白熱の二十時間。
感想・レビュー・書評
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水村美苗『日本語が亡ぶとき』に続いて本書を読んだ。本書に登場するのは、国語学者・大野晋(1919-2008)、ジャーナリストであり評論家の森本哲郎(1925-2014)、言語学者・鈴木孝夫(1926-2021)の3人で、2000年に行われた対談が掲載されている。
既に知っていることも多かったので、『日本語が亡ぶとき』ほどの感動はなかった。もっと端的に言うと、得るものが少なかった。特に対談のところが良くない。書家の石川九楊が「日本人は縦に書き、横に話す」と言ったが、老人3人の水平的なおしゃべりには閉口した。
ただ一点、森本哲郎の「は」と「が」の見解が最大の収穫だった。大野晋は助詞「は」と「が」について、
・「は」は既知
・「が」は未知
と主張する。それに対して森本は、
・「は」は説明
・「が」は叙述
ではないかと主張する。これは注目に値する。
日本人は理屈・説明を求めない。状況を受け止め、ありのままを叙述する方を好む。主語とそれに付随する助詞「は」を落とすことで説明的になるのを避けるのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【感想】
悪い意味の日本人論が楽しめる。古本屋で見たかけたら確認してほしい。品質的には新潮新書でちょうどよかったはずなのに、なぜ選書にいれたたのだろうか。
本自体はよくある「放談」で片付けられるが、本書へ向けられた絶賛アマゾンレビュー群は「どうしようもない」ほどひどい。
【書誌情報】
『日本・日本語・日本人』
著者:大野晋、森本哲郎、鈴木孝夫
定価:1,320円(税込)
発売日:2001/09/18
レーベル:新潮選書
◆言葉から日本人が見えてくる――日本語を軸に論じ尽くす「日本人論」の決定版!
日本語の世界には、この国の風土を考える「鍵」がある――。漢字のおどろくべき力、「感じる」言葉と「見る」言葉、カタカナ語の不思議、そして島国独特の高度な適応力と外国観……。国語教育の問題から英語第二公用語論、さらには対米戦略まで、日本語を愛してやまぬ碩学三人が、日本の将来像を深く真剣に語り合った白熱の二十時間!
〈https://www.shinchosha.co.jp/book/603504/〉
【簡易目次】
日本について
日本人は日本語をどう作り上げてきたか
日本語について
日本人は言葉とどうつきあってきたか
日本人について
英語といかにつきあうべきか――武器としての言葉
英語第二公用語論について