麻薬とは何か: 「禁断の果実」五千年史 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036385

作品紹介・あらすじ

人類が麻薬の王様コカイン&ヘロインと出会うのは、19世紀の欧州、産業革命と帝国主義の時代だった。一方、米国は麻薬を犯罪化して、禁酒法という壮大な実験を開始した。そして戦後日本は覚せい剤大国となり、米国西海岸ではLSDが若者文化の狂騒を生む…。叙事詩に記されたアヘンから、現代のジャンキー問題や薬理学まで、ドラッグの五千年史を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 人類の麻薬との関わりを古代から現在まで紐解いていくような内容。
    麻薬について特に否定も肯定もしていない。

  • 社会

  • いや、やってないですよ。
    知識としてね。

  • 三葛館一般 368.8||SA

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=55019

  • 読みにくいったらない。途中で放棄。

  • 全然おもろない。

  • 麻薬の使用者が書いた、トリップしている時の感覚や薬が切れた時の辛さなどの感想文ではなく、歴史的に記載している珍しい本。
    麻薬を肯定も否定もしていないところが良い。
    もう少し、宗教がらみの事実の記載があるとベター。

  •  人間と麻薬との付き合いの歴史を、三人の編者が説明している本。
     第一章では古代ギリシャ・古代ローマの文献から見る麻薬・アルコール類について説明している。『イリアス』『オデュッセイア』に麻薬(けし)の記述に加え、エラシストラトスやパラケルススらの冒険心ある活躍で発展を遂げてきたこと、『ギルガメッシュ叙事詩』にビール(といっても現代のそれとは少し異なるようだが)とワインの記述がされており、かつ食餌療法(ルネサンスまで続いた)としても使用されていたらしく、どれも興味深いものであった。

     大国アメリカが自国の発展のために中国人を連れてきておきながら、自分たちの国の為という名目で、彼らの文化である阿片を禁止し排斥運動を行ったり、宗教がらみで飲酒を禁じておきながら、世界恐慌に陥ると離職率を減らすために酒造を許す、黒人をあからさまに見下し、大麻が蔓延している原因を彼らののみに押し付けるなど、人種差別と麻薬は密接に関わっていた事が綴られている(著者はこの一連の排除運動をアメリカ的なものが無かったため、歴史や伝統のないナショナリズムのためと考えている)。

     と、アメリカばかりを批判出来ない状況が日本にもあった事には驚かされた。戦時中に特攻隊員に錠剤として、労働者に四六時中働いてもらうためにヒロポンが売られていたことは知っていたが、国会という場で覚せい剤を奨励する発言がされたことや、日本国内に覚せい剤が蔓延っている裏には在日朝鮮人が関わっているとして、排斥していた事実があったとは(覚せい剤の危険性に、不幸な事件という形で気づかせてくれた鏡子ちゃん事件があったことも知ることが出来た)。かつては疲労回復のための物が、単なる快楽を得るための道具になってしまった経緯に日本の発展の為という考えがあったのは皮肉だ。

    自分用キーワード
    ・ビート・ジェネレーション(ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ)
    ・LSD(CIAの実験、ティモシー・リアリー、サマーオブラブ、ハームリダクション)

  • 戦中は特攻隊出撃時に、戦後は不眠不休の仕事・勉強時などに使われ、やがて禁止されるに至るヒロポンの歴史など。

  • <DIV style="background-color : white ;color :black ;padding : 8px 8px; border : 1px inset #ddd; margin : 0px 5px;">見事に大麻の問題を素通りしている。最後の方で公衆衛生やアメリカの取り締まり、日本の占領政策との関連で触れているのみ。歴史や使用感に関しては一切無視。アヘン・モルヒネ・ヘロイン、コカイン・クラック、LSD・MDMAについては詳しい。
    筆者のスタンスは大麻は麻薬ではない、ということなのだろう。かといって、主張するわけでない。「社会問題」になっている限り大麻について何らかの主張の明示があってもよいのではないか。麻薬の定義を向精神薬一般に広げてしまうのも疑問だ。脳へ作用する物質というくくり方は唯物(ただもの)論にすぎない。私の当初からの疑問「酒・タバコより大麻は悪いといえるのか」についての答えはない。結局さまよったあげく同じ問題に着地しているのが本書である。
    </DIV>
    <h5>出版社 / 著者からの内容紹介</h5>
    人類が麻薬の王様コカイン&ヘロインと出会うのは、19世紀の欧州、産業革命と帝国主義の時代だった。一方、米国は麻薬を犯罪化して、禁酒法という壮大な実験を開始した。そして戦後日本は覚せい剤大国となり、米国西海岸ではLSDが若者文化の狂騒を生む…。叙事詩に記されたアヘンから、現代のジャンキー問題や薬理学まで、ドラッグの五千年史を読み解く。

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著者プロフィール

2023年4月現在
関西学院大学社会学部教授

「2023年 『薬害とはなにか 新しい薬害の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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