ミシュラン三つ星と世界戦略 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036910

作品紹介・あらすじ

「グルメのバイブル」として圧倒的な影響力を誇ってきたミシュランガイド。しかし、その権威は「食の国際化」の中で揺らぎ始めている。近年、アメリカ、日本、香港とガイド発行国を増やしてきたのはなぜか。その背景には、どのような経営戦略があるのか。トヨタ自動車とも比せられる「偉大なる地方企業」の内幕を、関係者への徹底取材で詳細に描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 「ミシュランガイド」
    フランス料理の最高クラスが書かれているガイドブック そのこれまでとこれからについて書かれた本です。
    三ツ星レストランを目指すシェフへのインタビューや星の数に狂ってしまったシェフのストーリー等興味深い内容が盛りだくさんでした。
    ただ1つ欲しいのが記載されているレストランの写真があればより記憶に残りやすい情報になるかなって思う本でした。
    料理が好きな方や外食が好きな方にオススメです!

  • ミシュランガイドを買ってみようかなと言う気になった。

    ミシュランという会社のブランドからガイドの権威まで、確かになぜここまでミシュランガイドがひろまっているのかを考えさせられた。

  • 逗子図書館にアリ

  • 【そのマーケティング、星3つ】世界有数のタイヤ製造メーカーでありながら、フランスを始めとする世界各地のレストランを格付けしたミシュランガイドを発行していることで知られるミシュラン。知られざるその企業の内幕やミシュランガイドの歴史を記すことにより、特にフランス料理を中心として、食文化の在り方までをも考えていく作品です。著者は、朝日新聞社のパリ支局で長く務められた国末憲人。


    最初に手に取った際は、ミシュランだけでどうやってここまで分厚い本をかけるのだろうと思ったのですが、読んでみれば食文化の歴史やそれにまつわるトリビアが満載で非常に興味深く読み進めることができました。特に、ミシュランガイドの星に翻弄されながらも、その中で自らの食に対する哲学を貫徹させようとするシェフたちの佇まいにはどこか感動すら覚えました。ミシュランガイドのガイドとしてオススメできる一冊です。


    そして、ガイドと並んで面白かったのが、世界的企業でありながら地方に根を下ろし、つい最近まで同族経営を行ってきていたというミシュランの企業史。トヨタとも比されるその独特の発展の仕方は、企業の巨大化とあるべき経営の関係を考える上でも参考になること間違いなしです。それにしても本作を読むと取りあえず高いお金を出しても美味しいものを食べたいと思うから不思議(かつこわい)...

    〜ミシュランガイドが存続しようがしまいが、日本の食文化は今後、グローバル化の中で生き残れるかどうかが問われていく。その中で、力のあるものは残り、力のないものは消え去るだろう。〜

    すきやばし次郎さんのお寿司って本当に美味しいんでしょうね☆5つ

  • あのミシュランが東京にある高尾山を三ツ星に選んだことには、驚きを隠せなかった。ミシュランが発行している「ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」という緑の旅行ガイドに掲載されている。著書によると、編集チームのキャップであったアンヌ・デフォは、「日本人が考える基準とは少し違うかも知れません。大都市の郊外にこれほど自然豊かな山があるなんて、パリでは信じがたい」と述べている。




     意外性で話題づくりをして、違いの分かる大人目線で評価したとでも言いたいのか。話題にはなってもあの「ミシュランガイド」ともどもぱっとしない。おそらくミーはシュランと思っている人がたくさんいるのではないか。三ツ星の数がパリやニューヨークと違って多いとの指摘があり、それにフランスのガイドに日本料理の何が分かるというプライドもあり、なかなか難しい。




     三ツ星から格下げされて自殺者まで出すミシュランガイド。しかし、インターネットの発達で売り上げが下がり、危機感を感じている。料理人の中にもミシュランスタンダードに反旗を翻して、自分の作りたい料理、店作りを行なっている人たちがいる。ミシュランの価値観は古いとばっさり気って捨てる人も出てきている今の時代。昔の栄光に胡坐をかいてはあっという間に忘れ去られてしまう。何でもかんでも手を突っ込むのではなく、日本の家電業界のように選択と集中が重要だ。あのパナソニックだって、テレビの生産縮小するのだから、何でも屋では埋もれてしまう。ミシュランにラーメンの格付けを期待している人はいるのかと思ってしまう。




     高尾山と言えば、ホンマでっかTVのレギュラーメンバーが山頂を目指して登った様子を映していたスペシャル番組があった。個性豊かなメンバーばかりなので、いつものごとくばらばらだった。集団行動が向かない人たちだなあと思った。逆に集団行動ができるようだと、個性がなくなりそれぞれの評論家が持っているユニークな発想がなくなってつまらなくなるからなあ。




     モクモク羊の場合、ミシュランガイドは本屋でぱらぱらと立ち読みしたことがある程度だ。グルメでもなければ、シロガネーゼのようにミシュランガイドを片手に三ツ星の評価がついている店を巡る優雅な生活を送っていないからなあ。もし、ミシュランがB級グルメあるいはC級グルメを掲載したガイドを出せは買ってみてもいいとは思う。

  • ミシュランのレストランガイドの成り立ち、レストラン調査の手法や体制、星の上げ下げがもたらす影響やインパクトなどを丁寧に書いた本。記述も平易で、時にミシュラン社の成り立ちにも触れつつ、実にわかりやすく、興味深いエピソードを交えて解説する。最近読んだ本の中で最も面白かった。食に興味のある方には是非一読をお勧めしたい。

  • ミシュランガイドの影響力は本当のところどうなのか。2000年前後を挟んで編集方針が変わったのはどうしてか。他のガイドブックと何が違うのか、など、分かりそうでわからないところを丹念に描きます。

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著者プロフィール

国末憲人(くにすえ・のりと)
朝日新聞ヨーロッパ総局長。1963年岡山県生まれ。1985年大阪大学卒。1987年パリ第2大学新聞研究所を中退し、朝日新聞社に入社。パリ支局員、パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長などを経て現職。著書に『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(以上、草思社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(以上、新潮社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『ポピュリズムと欧州動乱』(講談社)などがある。

「2019年 『テロリストの誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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