- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037290
作品紹介・あらすじ
なぜアメリカでは社会を変えるイノベーションが次々と生れるのか? 1985年にカリフォルニアと東海岸を旅し、《アメリカ=文明》という視点で、この人工国家を捉えた司馬遼太郎の『アメリカ素描』。多民族社会を活写するその姿勢に範をとりながら、インターネットという新潮流に注目し、ソーシャルネットワークからクラウドファンディングまで、背後にある精神と機構を考察する斬新な論考。
感想・レビュー・書評
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松岡正剛 千夜千冊1513夜
「文明の劣化」と「文化の過剰」への問題意識が、文明に至らない個の中流社会のミーイズムのアメリカから発信されたウェブの議会図書館のアメリカン・メモリーが普遍だと考えるgoogleに代表されるコーディング・ソサエティだ、と編集している。では、日本はウェブをどう扱うべきなのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常におもしろかったです。アメリカの紀行文的な語り口の中に、とても深い考察があり、筆者の思考の強さを感じました。アメリカの地理、歴史、文化、法体系など様々な視点から現在のウェブに至る流れがわかります。何度も読み直したい本です。
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司馬遼太郎の『アメリカ素描』の視点を援用しながら、ウェブというシステムやそれが生み出した社会のあり方をスケッチした本。
オープン、ネットワークといった技術的な基盤としての特性だけでなく、そのうえで展開されるファンドレイジング、データのアーカイブ、起業といった活動が、ウェブ以前のアメリカの文化とも繋がりを持っており、そのような基盤の上に生み出されたものだということがよくわかる。
本書は、2010年~2013年の連載をもとにしているため、オバマ前大統領のソーシャルネットワークを活用した選挙が肯定的に描かれているが、その後の分断するアメリカ社会の状況は描かれていない。
しかし、これまでのアメリカも南北戦争のように国家を二分する大きな分断の時代を経験しており、その度にまた新たな社会のシステムや価値を生み出してきた。ウェブの誕生、隆盛とその後のアメリカ社会の分断も、そのような長い視点で見ればアメリカが新たな時代へと移り変わるプロセスなのではないかと感じた。 -
【由来】
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【期待したもの】
・もちろん千夜千冊だが、このところ、ウェブを社会学的な観点から論じた本を読んでいるので。
【要約】
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【ノート】
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インターネットをベースに都市文明論、技術動向、社会との関わり、政治との関連等を幅広く考察したエッセイ集.著者のITに関する豊富な知識が単なる技術紹介に終わっていない所が素晴らしい.一般の新聞報道では見かけない新しい語句やフレーズが数多く出てきた刺激的だ.アメリカとインターネットの関係が多くの面から切り開かれている論考だ.
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ウェブはアメリカ社会を反映しながら変貌しているという仮説のもとに書かれているので、読んでいてアメリカのことがよくわかる内容になっている。
ウェブから離れたところでアメリカの文化が論じられている部分もあり、幅広く考えていくと面白い。Apple,Amazon,Facebookなど単に創始者や会社や技術といった面でとらえるのではなく、背景にあるアメリカの文明を考えてみると新たな視点が付加される。 -
アメリカの様々な地域の随筆である。そこにネットが絡んでいる。卒論には使えないが、留学するなら役に立つかもしれない。
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ウェブソーシャルアメリカという稀有な書籍に比べると、やや中沢某のような針小棒大な過剰なイメージの貼り付けに辟易することもないではなかった
ネットの世界の予習本にはならないが、復習本としてはそれなりにまとまった内容ではあります -
ウェブ文明というタイトルにひかれて読んではみたものの、ウェブではなく、ほぼアメリカについての話だった。
まあ、確かにウェブの中心はアメリカだとは思うけど(五大ウェブブラウザと呼ばれるブラウザの中では、Opera以外は全部アメリカ発だし)。
マイクロソフトにAppleにGoogleにFacebookに、どうしてこうアメリカばっかりなのだろうか。
ところで、日本も今回の参院選からネット選挙解禁と話題だけど、はたしてアメリカのような選挙活動が行われるのだろうか。