「悟り体験」を読む: 大乗仏教で覚醒した人々 (新潮選書)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106038495

作品紹介・あらすじ

悟ると人はどうなるか―-。初の「悟り学」入門! 「悟る時は真理の方が人に迫ってくる」(菩提達摩)、「心は驚きのもと崩落した」(白隠慧鶴)、「これが無なのだな!」(鈴木大拙)、「自分の大きさ、広さにびっくり仰天」(長沢祖禅尼)、「宇宙一元! 大歓喜!!」(井上日召)……臨済宗から日蓮宗まで約五十人の「悟り体験記」を読みとき、目くるめく境地の真相に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 四向と四果で8段階である。注目すべきは「預流果に達すると退転することなく、最大でも7回人間界と天界を往来するだけで悟りに達する」(Wikipedia)ことで、それぞれの段階にもステップがあることがわかる。
    https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2023/01/23/212825

  • 悟ったと自称する人の体験記を収集整理。
    ブッタ以来悟った人などいないかと思いきやこんなにたくさんいるのか!
    悟りにもランクがあるが著者のランクと仏書のランクへどう関係するのかしら。
    悟りも、脳科学が進歩すればどこのシナプスが機能すればそういう現象が出てくるのかわかるだろう。その時には万人が悟りの境地を持つのか?

  • 大乗仏教各宗派の悟り体験を読み解き、そこから悟りとは何かを考察していきます。
    悟り体験を、1 自他忘失体験、2 真如顕現体験、3 自我解消体験、4 基層転換体験、5 叡智獲得体験の5段階で分析します。
    大乗仏教によらずに得られた悟り体験や、キリスト教によって得られた悟り体験についても触れ、悟り体験は各宗教の文脈に即して理解されるということを明らかにしています。
    悟り体験と見まがわれた異常心理の危険性についても言及します。
    とても興味深く読みました。

  •  「悟り体験」を、体系的に考察する作業は、これまでなかったそうです。著者は、仏典にもあかるく、古の文献の読解も専門家であるらしく、分かりやすく伝えてくれます。禅宗に限らず、悟り体験を集める柔軟さが好ましいです。戦後の曹洞宗の悟りを否定する教えがあったことなど、この書で知りました。悟りを得ようと努力なさった先達の生涯を教えてくれることも、自分の中途半端な望みのはかなさを、恥じ入るのみです。

  • 仏教の世界の悟り体験記を集め、検証した本で非常に興味深い内容です。

    悟りというのは求めれば求めるほど離れていくが求めなければ決してあらわれない…。

    個人的にはやはり身体による体験がキーワードのような気はします。

    心も身体であり、身体は空である。
    何もないけどそこにある。

  • 言わんとしていることは理解できたが、なかなか腹落ちさせるのが難しかった

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著者プロフィール

大竹 晋(おおたけ・すすむ):一九七四年岐阜県生まれ。筑波大学卒、筑波大学大学院哲学・思想研究科修了。博士(文学)。京都大学人文科学研究所や花園大学の非常勤講師などを経て、現在、仏典翻訳家。著書『宗祖に訊く』『大乗起信論成立問題の研究』『大乗非仏説をこえて』『現代語訳 最澄全集(全4巻』』(以上、国書刊行会)、『唯識説を中心とした初期華厳教学の研究』『元魏漢訳ヴァスバンドゥ釈経論群の研究』(以上、大蔵出版)、『「悟り体験」を読む』(新潮選書)など。

「2023年 『悟りと葬式 弔いはなぜ仏教になったか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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