ふだん使いの言語学: 「ことばの基礎力」を鍛えるヒント (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 464
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106038624

作品紹介・あらすじ

「タピる」と「タピオカを飲む」って同じ意味? 「言った、言わないが起こるのはなぜ?」「SNSの文章が炎上しやすい」「忖度はなぜ起こる?」……理論言語学の知見を使い、単語の多義性や曖昧性、意味解釈の広がり方や狭まり方、文脈や背景との関係などを身近な例から豊富に解説。文の構造を立体的に摑む視点が身につき言葉の感覚がクリアになる、実践的案内。

感想・レビュー・書評

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  • 前編 「正しくない」方が面白い!? | 川添愛×高野秀行「知れば知るほどわからない! 言語探偵、「ことば」の不思議に迫る」 | 川添愛 , 高野秀行 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社
    https://kangaeruhito.jp/interview/275886

    SUNDAY LIBRARY:武田 砂鉄・評『ふだん使いの言語学』川添愛・著 | 毎日新聞(有料記事)
    https://mainichi.jp/articles/20210216/org/00m/040/005000d

    言葉の筋トレ、はじめませんか
    図書館発!こんな本が面白い【書評提供:図書館流通センター(TRC)】
    大槻美幸 / TRCデータ部
    週刊読書人2021年5月21日号
    読書人WEB
    https://dokushojin.com/review.html?id=8160

    川添愛 『ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/603862/

  • 読み終えてみるとタイトルの「ふだん使い」がすとんとくる。著者と同様、言語学徒として学んだことが日頃の言語活動になにかと役に立っている立場なので、一般読者としての評価・感想はむずかしいが、入門書としてはよみやすくわかりやすく、高校生、大学生のあいだに(つまり社会人になる前には)一度はであっておいてほしい「(理論)言語学」のおいしいトピックがぎっしり詰まっていた。
    言葉(空気にように当たり前にあやつれる母語)がわかったりつたわったりするしくみを意識してじっくり学んだり、自他の言葉遣いの異同をどのように捉えればいいか考えたりする機会は、現況では高校までの国語や英語、大学の語学のクラスでもほとんどないけれど、言語学を学べば学ぶほど、こういうちょっとした知識抜きでコミュニケーションや語学に困難を感じたり失敗したりしているなんてほんとにもったいないなと思ってしまうので、こういう本がたくさんの人に読まれてほしいけれど、どうやって布教すれば伝わるんだろう…(選書を手に取る層は読書人口の中でもかなり限られてしまいそうだし…)

  • 言語学とタイトルにつく本を何冊か読んでみて、いまだに言語学という広い範囲に何が含まれているのかつかみきれていないのだけれど、この本は言語学の中でも理論言語学のエッセンスを集めた本のよう。
    川添愛さんの著書はこれまでにも何冊か読んでいるけれど、わかりやすく平易に説明する技術に長けた方だなと感じる。
    この本も、これまでのものより専門的な本なのかなと思っていたら読みやすいので一気に読めてしまい、あまりに駆け足で読み進めてしまったので、きちんと理解できているのだろうか…?と首を捻りながらページを捲ると、第4章に出てくる総復習的な練習問題で「わかるぞ…!」と、意外としっかり内容を理解できていたと達成感を得られる。まるで進○ゼミのような本。予想外に実用的で驚いた。

    「ふだん使いの言語学」というタイトルが表すとおり、日常的に言葉を扱う場面で役に立つ知識を中心としてまとめられており、専門書というよりは実用書のような手触り。作文技術に特化した本というわけでもないのできっぱり実用書的な内容を求めるひとには物足りないだろうけれど、言葉のしくみや理論の解説が多めなので言葉遊びが好きな人間には考えたり想像したりしながら読み進められて楽しい。
    言語学の学習者ではないので、どの程度専門的な分野に触れられているのかはわからないのだけれども、専門外の人間にとって興味を持ちやすい部分が厳選されている気がする。
    これを足掛かりにもう少し詳しく言語について掘り下げたいなと知識の扉を開く入り口としてちょうど良いかも知れない。

  • 改めて、”母国語”と言うのは、すごいものだな、と思った。
    言語学の本を読んだ後で、この感想とは、自分の語彙の無さに呆れてしまうが、でもやっぱり、すごいのだ。
    著者が理論言語学の研究対象が『私たちの無意識の言語知識である』とおっしゃっているのだが、この”無意識”と言うのが、日本語を母語としていない人にとって、いかに難解であるか。本書の中で、沢山、具体例が上がっており、それを改めて著者の解説とともに読むと、こんな曖昧なこと・膨大な量を、日々の会話で瞬時に判断していたなんて、と驚くのだ。

    ・・・とここで一旦ブレイクし、面白かった具体例など、かなり長文で記入し、更新をかけたらエラーになって追記した部分が全部消えた(涙)さすがに再度書く気にはなれず断念。再読の機会があれば、また気になったところを書き残すこととしたい。

  • 『言語学バーリ・トゥード』が面白かったので読んでみた。しっかり言語学の内容もあるのに言語学を一切知らなくても簡単に理解できるようになっている。言語学界隈はやっぱり怖いなぁ。笑主語の大きさに注意

  • 言語学を垣間見た。

  • 著者Twitter: @zoeai https://twitter.com/zoeai

    文春オンライン(2021.12.3):
    #1「俺は海賊王になる」と「海賊王に俺はなる」の違いとは? 言語学者が分析する『ONE PIECE』の名台詞にみる“文章術” https://bunshun.jp/articles/-/50090

    #2「全然オッケー」は日本語としておかしい? 気鋭の言語学者が抱く“言葉の乱れ”問題についての“違和感” https://bunshun.jp/articles/-/50091

  • 数多くの例題があり、楽しみながら日本語の感覚を確認できた.*や?の付いた文は著者の通りの違和感を持てたので、良しとしよう.「置き換えテスト」や「入れ替えテスト」を活用して、更に感覚を磨きたい.p213で紹介のあった「少納言」は早速活用を始めている.

  • 理論言語学を修めた著者が、日本語を書く上で歪み捩れのないわかりやすい文を書くにはどうするべきかを解説してくれる。
    でも、意味の取り違えのないわかりやすい日本語を書くなら本多勝一の日本語の作文技術をお勧めする。彼の主義主張には賛同しないが、この作文技術は読む価値がある。

  • 日本語って、
    面倒くさい。
    でも、面白い。

    自分の文章を添削される時、
    相手が何を直せと言ってるのか分からない人は、
    読んでみるといいのではないかと思う。

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著者プロフィール

川添 愛(かわぞえ・あい):1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大大学院にて博士号(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は大学に所属せずに、言語学者、作家として活躍する。 実績 著書に『白と黒のとびら』『自動人形の城』『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』朝日出版社、『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』(東京書籍)『ふだん使いの言語学』(新潮選書)など。

「2023年 『世にもあいまいなことばの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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