愚問の骨頂 (新潮新書)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101137

作品紹介・あらすじ

「答えが出ない」「煮詰まっている」のはあなたの頭が悪いからではない。悪いのは質問のほうである。良い質問のなかにはすでに正解が含まれているし、愚問はいくら考えても無駄なのである。花粉症の真の原因とは何か。なぜニュートンは万有引力を発見できたのか。この世にはびこる愚問を斬り、世界的発見、歴史的発明を生み出した賢問を見つめなおす。あらゆる角度から「問い」の構造を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 花粉症の原因から万有引力の発見まで、世の中の愚問・賢問を取り上げて「問いの構造」を考えましょうという本。との謳い文句に対して、実際の内容には少々ズレがある。
    (筆者が)愚問・賢問と考える問いを挙げて、そのエピソードが語られるのではあるが、事例の列挙に終始してしまい肝心の「構造を考える」部分がすっぽりと抜け落ちてしまっている。
    # あるいは「問いの構造を(読者が)考える」ということなのだろうか…

    実利的な期待は捨てて、「愚問」「賢問」をキーワードとした雑学エッセイ、として読んだ方が面白い。

  • 愚問の例はなるほどと思ったが、賢問の例はイマイチ。
    過去の偉人の例はともかく、それ以外は恣意的な筆者の片寄った主張を正当化するために無理矢理それらしい問いを立てているだけにしか思えない。
    つまり、筆者には賢問を立てるだけの才気がないという話になるわけだが。。。

  • 愚問の骨頂というタイトルだが、本の内容から言えば、医学など歴史上の賢い問題についての記述が多く、どのような問題であれば解答が出るか、という事例の列挙が主である。

    賢い問題は答えを導き出せる詳細な問いである、という。
    つまり、問題設定の時点で、解答に肉薄している必要がある。
    曖昧な質問からは曖昧な解答しか得られないし、詳細な質問からは詳細な解答しか得られない。詳細な解答が得られないのであれば、詳細な質問をしていない、ということである。

    詳細な問いはどのようにして作られるか、という問いをこの本にしてみてもどうやら解答は得られないようだ。別の質問を考えてみることにする。

  • [ 内容 ]
    「答えが出ない」「煮詰まっている」のはあなたの頭が悪いからではない。
    悪いのは質問のほうである。
    良い質問のなかにはすでに正解が含まれているし、愚問はいくら考えても無駄なのである。花粉症の真の原因とは何か。
    なぜニュートンは万有引力を発見できたのか。この世にはびこる愚問を斬り、世界的発見、歴史的発明を生み出した賢問を見つめなおす。
    あらゆる角度から「問い」の構造を考える。

    [ 目次 ]
    第1章 愚問とは何か
    第2章 病院の中の愚問
    第3章 社会も愚問だらけ
    第4章 科学者たちの賢問
    第5章 意外な答えを導いた問い
    第6章 ヒラメキは賢問から

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    [ 参考となる書評 ]

  • 「愚問」に着目した出版の企図は良いのだが、新書としての出来栄えはイマイチ(一応、星三つつけたが、★半分の評価が可能なら、二つ半である)。「問い」の在り方を問うことで、「愚問」や「賢問」などスキームを掘り下げてほしかった。残念ながら、「愚問」や「賢問」を、時事や歴史から例示することに紙面を費やし過ぎだ。こうした数多の事例の中に、何かのヒントがあるのだろうが、事例だけを挙げ連ねて、あとは投げっぱなしという感がある。それと、無駄な情報が多すぎ。メンデルの法則やゼロ戦の構造などをダラダラと綴られるのには辟易した。そうしたノイズの中にも、美しい「問い」の収穫がある。メンデルは「親から子供に以降する物質は何か」という旧態な疑問を、「固体ごとにはっきり区別できる形質はないか」という問いに転換したことで成功したらしいし、ヘイフリックという科学者は、「人間の寿命は?」「永遠の生命は可能か?」という素朴な疑問を、「細胞は永遠に分裂できるのか」と問い直したことで、様々な方面に研究が進化しているとのことだ。なるほど。

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著者プロフィール

中原 英臣(なかはら ひでおみ)
医学博士。西武学園医学技術専門学校東京校校長。
専門はウイルス学、遺伝学。雑誌評論の他、
『感染症パニック』など著書多数。

「2022年 『若者がセックスしない国、少子化日本の大罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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